9-25 適正ながん化学療法を指向した薬物動態の解析に関する研究
 
がん研究助成金タイトルバー
がん研究助成金 計画研究 計画研究一覧へ戻る

9-25 適正ながん化学療法を指向した薬物動態の解析に関する研究

主任研究者 国立がんセンター中央病院 田村 友秀


研究者氏名、所属および分担研究課題
研究者氏名
所属施設 地位
分担研究課題名
田村 友秀
国立がんセンター中央病院 医長
薬物動態の解析に基づく合理的増量法と至適投与計画
*7 薬物動態の解析に基づく至適投与計画
杉山 雄一
東京大学大学院薬学系研究科
教授
抗癌剤の生体内挙動ならびに生体膜透過機構に基づく投与方法論の構築
*6 抗癌剤の生体内動態を支配する機構の解析:トランスポーターの関与
*8 抗癌剤の胆汁排泄機構の解析、予測、とその制御
鎌滝 哲也
北海道大学薬学部 教授
抗がん剤の薬物相互作用の予測が可能な系
下方 薫
*1 名古屋大学医学部附属病院
教授
*2 名古屋大学大幸医療センター 教授
*3 がん化学療法におけるDNA-adductの役割
*4
グルカゴン酸転移酵素遺伝多型によるイリノテカン活性代謝物(SN-38)の薬物動態への影響
*6 グルカゴン酸転移酵素遺伝多型による塩酸イリノテカンの副作用への影響
*8 薬物代謝関連酵素の遺伝子多型と抗がん薬の薬物作用との関連
佐々木 康綱
国立がんセンター東病院 医長
抗がん剤の薬物動態における個体差に関する研究
*7 患者背景を考えた個別投与計画
谷川原 祐介
*3 神戸大学医学部付属病院
助教授 副薬剤部長
*5 慶應義塾大学医学部
教授 薬剤部長
抗がん剤臨床試験におけるPopulation Phamacokinetics/Phamacodynamicsの応用
*6 併用化学療法の臨床薬理学的解析
*8 特殊集団における薬物動態と用量調節法
磯部 宏
国立札幌病院 医長
*3 薬剤の腫瘍組織内および細胞内動態からみた抗腫瘍効果に関する研究
*4 胸水貯留肺がん患者の抗がん剤の薬物動態に関する研究
*6 胸水貯留肺がん患者の塩酸イリノテカン至適投与法に関する研究
*8 体脂肪率の変動とTaxan系抗癌剤のPKに関する研究
畝川 芳彦
四国がんセンター 内科医師
*4 I期および II期の非小細胞肺癌術後症例を対象としたフッ化ピリミジン誘導体の最適な投与方法の解明に関する研究
*7 高齢者非小細胞癌に対するドセタキセル単剤療法の臨床第二相試験  
加納 康彦*3
栃木県立がんセンター 部長
新抗癌剤併用療法における至適投与法の検討
松下 竹次*5
国立国際医療センター 医長
小児急性白血病における6-mercaptopurineの薬理動態の研究
河崎 雄司*5
国立療養所松江病院 医長
抗癌剤投与による遷延性嘔吐発現とsubstancePとの関係
*1:平成 9年4月 1日−平成 9年7月21日
*2:平成 9年7月22日−平成13年3月31日
*3:平成 9年4月 1日−平成10年3月31日
*4:平成10年4月 1日−平成11年3月31日
*5:平成10年4月 1日−平成13年3月31日
*6:平成11年4月 1日−平成12年3月31日
*7:平成11年4月 1日−平成13年3月31日
*8:平成12年4月 1日−平成13年3月31日



平成12年度研究報告 研究成果の要旨

MRP2/cMOAT阻害剤プロベネシドを用いた胆汁排泄阻害に基づくイリノテカンの下痢克服法を考案し、ラットの系で効果を確認するとともにヒトでの胆汁への排泄阻害効果を予測した。種々のヒトP450分子種の大腸菌発現系を樹立し、分子種2A6によるテガフール代謝など、この系が抗がん剤代謝分子種の同定と他剤との薬物相互作用の予測に有用であることを示した。イリノテカンあるいは6メルカプトプリンの解毒酵素であるグルクロン酸転移酵素1A1、チオプリン S-メチルトランスフェレースについて日本人患者における遺伝子多型の頻度を解析し、副作用の個体差との関連を検討した。Population pharmacokineticsの手法を用いて、日本人におけるカルボプラチンのクリアランス予測式を作成し、従来の予測式と比較してその精度の高さを検証した。ドセタキセル蛋白非結合体の測定より血中α1酸性糖蛋白濃度と薬物動態・薬力学的作用との関係を解析した。


平成11年度〜12年度総合研究報告 研究成果の要旨

イリノテカン(CPT-11)とその代謝物SN-38の胆汁排泄機構を解明し、cMOAT/MPR2阻害剤による下痢軽減効果をラットの系で確認した。臨床での薬物相互作用の予測を目的にP450の主要11分子種それぞれを発現する大腸菌株を樹立した。5-FU投与を受ける日本人がん患者を対象に末梢血DPD活性・尿中ピリミジンのpopulation studyを実施した。CPT-11解毒酵素UGT1A1について日本人患者における遺伝子多型の頻度を解析し、毒性との関連を検討した。ドセタキセル薬物動態を指標にCYP3A4活性個体差の新たな評価法を樹立した。抗がん剤による白血球減少の時間的推移を解析する新しい薬力学的モデルを作成した。Population pharmacokineticsの手法を用いて日本人患者におけるカルボプラチンのクリアランス(CL)予測式を作成し、従来の予測式との比較においてその精度を検証した。

本ページは、研究成果の要旨のみを掲載しております。
詳しい研究報告をご覧になりたい方は、「厚生労働省がん研究助成金による研究報告集 平成12年度」を全国の医学部・医科大学図書館に配布しておりますので、そちらをご利用下さい。



前の研究へ   次の研究へ

| がん研究助成金トップへ |


更新日:2004/12/01