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主任研究者 新潟大学医学部 渡辺 英伸 研究者氏名、所属および分担研究課題
*2:平成9、10年度 *3:平成11、12年度 *4:平成12年度 平成12年度研究報告 研究成果の要旨 表面型早期大腸腫瘍でも、adenoma(polyp)-cancer sequenceで重要な役割を果たしているK-rasやAPCの異常が認められた。K-ras変異率は、10mm未満の病変では14%であったが、10mm以上では63%であった。表面型腫瘍のK-ras変異にはintratumoral heterogeneityがあり、一病変当たりmicrodissectionサンプル中の変異平均検出率は34.5%であった。APC変異とプロモーター領域のメチル化は、表面型早期大腸がんの32%と83%、隆起型早期大腸がんの53%と79%に見られ、いずれも有意差はなかった。表面型肉眼形態を決定する主因子はがんの異型度であり、NPGがんは高異型度がんが多い。更に高異型度がんは低異型度がんに比べsm浸潤能が高く、smでの発育速度も速いと推定された。 平成11年度〜12年度総合研究報告 研究成果の要旨 表面型早期大腸腫瘍の発育・進展が早く、早期に進行がんへ進展しやすい理由は、細胞異型度の高いがん,高異型度がんが多いことに起因していた。表面型早期大腸がんの組織発生は隆起型とは異なり、de novo発生がんが多いことが推察された。しかしその発生・生長に関わる遺伝子変異は隆起型と違いはなく、APCのLOHが46%に、塩基変異が2%に、プロモーター領域のメチル化が3%に認められ、(従来表面型大腸腫瘍ではその頻度が低いとされてきた)K-ras遺伝子変異も、大きさ10m以上のものでは59%に認められた。ヘテロ接合性消失の解析では、表面型早期がんでは17p、18q、5qのLOHが50%以上に見られた。これらLOH以外に13q、22q、3q、9qなど多様なLOHが粘膜内がんに認められ、表面型大腸がんの分子生物学的特性およびそれに基づく生物学的悪性度は、粘膜内がんの時期にすでに決定されている可能性が大であることが推測された。
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更新日:2004/12/01 |