9-36 実験動物における多段階発がんの研究
 
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9-36 実験動物における多段階発がんの研究

主任研究者 愛知県がんセンター研究所 立松 正衞


研究者氏名、所属および分担研究課題
研究者氏名
所属施設 地位
分担研究課題名
立松 正衞
愛知県がんセンター 部長
消化器がんにおける多段階発がん
杉山 賢司
国立がんセンター研究所支所 研究員
発がん過程における活性型K-rasの役割
落合 雅子
国立がんセンター 研究員
実験大腸がんにおける多段階発がん
神田 浩明
財団法人癌研究会癌研究所 研究員
実験肝がんにおける多段階発がん
小林 敏之
財団法人癌研究会癌研究所 研究員
実験腎がんにおける多段階発がん
二口 充
名古屋市立大学医学部 助手
実験前立腺がんにおける多段階発がん


平成12年度研究報告 研究成果の要旨

胃:スナネズミHelicobacter pylori(Hp)感染モデルにおける腫瘍様増殖巣は、除菌により縮小する可逆性病変であり、Hp感染の胃発がんにおける役割は、プロモーター作用が主体と考えられた。大腸:ACFから腫瘍に至る大腸発がん過程においてβ-cateninの蓄積は、弱い細胞質蓄積から核及び細胞質での強い蓄積へと移行することを示した。肝:β-cateninの変異(コドン41、44、45、65)がマウス肝がん組織(26%)ならびに細胞株(48%)で見出された。腎臓:長期飼育Tsc1ヘテロ変異体マウスにおいてTsc2と同様に腎腫瘍と肝血管腫が高率(60〜70%)に発生することを明らかにした。前立腺:PhIP誘発ラット前立腺prostatic intraepithelial neoplasia (PIN)から腺がんへの進展にβ-catenin変異の関与の無いことを示した。


平成11年度〜12年度総合研究報告 研究成果の要旨

胃:スナネズミHelicobacter pylori(Hp)感染モデルにおける腫瘍様増殖巣は、細胞異型を伴わない良性変化で、除菌により縮小し、Hpは胃発がんにおけるプロモーターと考えられた。大腸:ACFから腫瘍に至る大腸発がん過程においてβ-cateninの蓄積は、弱い細胞質蓄積から核及び細胞質での強い蓄積へと移行することを示した。肝臓:β-cateninの変異は発がん後期で起きると推定され、変異(コドン41、44、45、65)の頻度はマウス肝がん組織:26%ならびに細胞株:48%であった。腎臓:Tsc1Tsc2ヘテロ変異体マウスの自然発生腫瘍とENU経胎盤投与によるマウス腎がん誘発において、いずれも腎発がんに関与する事を見出した。前立腺:PhIP誘発ラット前立腺prostatic intraepithelial neoplasia (PIN)から腺がんへの進展にβ-catenin変異の関与の無いことを示した。

本ページは、研究成果の要旨のみを掲載しております。
詳しい研究報告をご覧になりたい方は、「厚生労働省がん研究助成金による研究報告集 平成12年度」を全国の医学部・医科大学図書館に配布しておりますので、そちらをご利用下さい。



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更新日:2004/12/01