9-37 発がんプロモーションの機構の解明と抑制方法の開発
 
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9-37 発がんプロモーションの機構の解明と抑制方法の開発

主任研究者 筑波大学臨床医学系 赤座 英之


研究者氏名、所属および分担研究課題
研究者氏名
所属施設 地位
分担研究課題名
赤座 英之
筑波大学臨床医学系 教授
膀胱がん、前立腺がんの発がんプロモーションの抑制に関する研究
田賀 哲也
熊本大学 発生医学研究センター
教授
サイトカインによる増殖促進とその抑制に関する機構の研究
藤木 博太
埼玉県立がんセンター研究所
参事
発がんプロモーションを抑制する物質の研究
森脇 久隆
岐阜大学医学部 教授
肝発がんプロモーションの抑制とがんの化学予防
小倉 勤
国立がんセンター研究所 室長
NOの発がんプロモーター作用への関与
加藤 宣之
岡山大学医学部 教授
C型肝炎ウイルスによる発がんプロモーションの研究
近藤 建* (班友)
国立名古屋病院外科 医員
十二指腸液逆流に対するプロテアーゼインヒビター投与の意義
*:平成11年4月1日−平成12年3月31日


平成12年度研究報告 研究成果の要旨

1)ラット前立腺がんモデルにおいて5α-reductase inhibitorおよびantiandrogenは化学予防剤として有用となる可能性が示された。2)形質細胞腫由来ハイブリドーマについて、BMP2による新しいアポトーシス誘導のメカニズムが明らかになった。3)ヒトのがん化促進にはTNF-αがinstigatorとして作用し、次にIL-1の活性化を引き起こすというサイトカインリレーの存在が示唆された。 4)非環式レチノイドは、肝癌術後の再発予防に有効であることが示されているが、分化誘導作用のメカニズムとして、テロメラーゼ活性およびIFN受容体の変化が関与することが判明した。5)iNOS遺伝子欠損マウスを用いた皮膚発がん二段階実験において、iNOSにより生成されるNOが発がんプロモーション作用を示した。6)新たに開発したマイクロサテライト不安定性の細胞レベルでのアッセイ系を用いた検討により、HCVのコア蛋白質の発現によりミスマッチ修復能が低下されることが示唆された。


平成11年度〜12年度総合研究報告 研究成果の要旨

1)ラット膀胱発がんでは初期にテロメラーゼの活性化が認められた。前立腺発がんでは5α-reductase inhibitorと antiandrogen が化学予防剤となる可能性が示された。2)形質細胞腫由来ハイブリドーマにおいて、BMP2による新しいアポトーシス誘導のメカニズムが明らかになった。3)がん化促進にはTNF-αがinstigatorとして作用し、次にIL-1の活性化を引き起こすというサイトカインリレーの存在が示唆された。 4)非環式レチノイドは二次原発性肝がんの発生を抑制し、患者の予後を改善した。本剤の分化誘導ならびにアポトーシス誘導作用のメカニズムを解明した。5)iNOS遺伝子欠損マウスの皮膚発がんにおいて、iNOSにより生成されるNOが発がんプロモーション作用を示した。6)HCVコア蛋白質が転写調節能と各種シグナル伝達系に与える影響を解明した。7)プロテアーゼインヒビター投与が残胃発がんを予防する可能性がある。

本ページは、研究成果の要旨のみを掲載しております。
詳しい研究報告をご覧になりたい方は、「厚生労働省がん研究助成金による研究報告集 平成12年度」を全国の医学部・医科大学図書館に配布しておりますので、そちらをご利用下さい。



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更新日:2004/12/01