10-9 ヘリコバクター感染の胃癌、胃悪性リンパ腫発生への関与に関する研究
　
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10-9 ヘリコバクター感染の胃がん、胃悪性リンパ腫発生への関与に関する研究
主任研究者 国立がんセンター中央病院　斉藤 大三

研究者氏名、所属および分担研究課題
研究者氏名
所属施設 地位		 分担研究課題名
斉藤　大三
国立がんセンター中央病院 医長		 胃発癌に関する諸因子(H. pylori・宿主・環境)の検討
藤岡　利生
大分医科大学 助教授		 ヘリコバクター感染の自然経過と発症実験:スナネズミ持続感染モデルの検討
福田　能啓
兵庫医科大学 講師		 病態生理・発生機序・治療法の確立
杉山　敏郎
北海道大学医学部 講師		 スナネズミ感染モデルの遺伝子変異
土井　俊彦
国立病院四国がんセンター 医員
 H. pylori関連胃悪性リンパ腫における免疫学的アプローチ(局所免疫応答と遺伝子学的検討を中心に)
野崎　中成
国立がんセンター研究所 室長		 H. pyloriの細胞毒性とがん発生との関わり
中村　常哉
愛知がんセンター 副部長		 H. pylori除菌療法に対する胃MALTリンパ腫の反応性とt(11;18)(q21;q21)translocation


平成12年度研究報告 研究成果の要旨

臨床的長期観察研究の結果は、H. pylori除菌が胃がんの発生を抑制する可能性を示唆する。また、胃前がん状態である胃腺腫も低率ながら除菌により消失した。スナネズミを用いた動物実験において、H. pylori感染による胃炎性変化は食塩、Lactobacillusの存在に影響されることから、胃発がんにおける宿主要因、環境要因の重要性が示唆される。また、菌側因子としてH. pyloriの遺伝子変異を調べるためのシャトルベクターpBHP189K/αlacZも構築した。胃発がん機序は未だ不明であるが、今後解明するためのスナネズミp53特異抗体を作成した。胃MALTリンパ腫に関しては、その発症機序として、H. pylori感染の抗原刺激によりTh-2の免疫が誘導され、さらにCD40-CD40Lの系を介してB細胞の活性化、腫瘍化が進む可能性が見出された。また、除菌療法の効果の評価および予後予測には、萎縮様粘膜褪色の内視鏡所見の把握および血中可溶性Fas、t(11;18)(q21;q21)転座の検索の有用性が示唆されてきている。

本ページは、研究成果の要旨のみを掲載しております。
詳しい研究報告をご覧になりたい方は、「厚生労働省がん研究助成金による研究報告集 平成12年度」を全国の医学部・医科大学図書館に配布しておりますので、そちらをご利用下さい。


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更新日:2004/12/01