11-13 発がん過程におけるアポトーシスの役割とその治療への応用に関する研究
 
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11-13 発がん過程におけるアポトーシスの役割とその治療への応用に関する研究

主任研究者 名古屋市立大学医学部 白井 智之


研究者氏名、所属および分担研究課題
研究者氏名
所属施設 地位
分担研究課題名
白井 智之
名古屋市立大学医学部 教授
ラット膀胱発癌過程におけるアポトーシスの役割とその機構
森 秀樹
岐阜大学医学部 教授
ラット大腸発がんにおけるアポトーシスの役割
澤田 典均
札幌医科大学医学部 助教授
実験肝腫瘍発生におけるアポトーシスの誘導とその機構
梶野 一徳
財団法人癌研究会癌研究所 研究員
Ekerラット腎腫瘍プログレッションの抑制とアポトーシス
五十嵐 美徳*1
国立がんセンター 研究員
発がん過程におけるアポトーシスの誘導とNK様T細胞の役割
加藤 和則*2
国立がんセンター 室長
発がん過程におけるアポトーシスの誘導とNK様T細胞の役割 
池原 譲*1
愛知県がんセンター 研究員
ラット大腸発がん抑制におけるアポトーシスの解析
中西 速夫*2
愛知県がんセンター 室長
スナネズミ胃発癌抑制におけるアポトーシスの解析
神田 善伸 (班友)
国立国際医療センター 研究員
多発性骨髄腫の臨床経過とアポトーシスの関連の検討
長 祐子 (班友)
国立札幌病院 研究員
神経芽腫のアポトーシスと分化誘導機構に関する検討
花田 勝美 (班友)
国立弘前病院 研究員
光力学誘導アポトーシスに対する活性型ビタミンD3の増強効果−皮膚悪性腫瘍への応用−
*1:平成11年4月1日−平成12年3月31日
*2:平成12年4月1日−平成13年3月31日


平成12年度研究報告 研究成果の要旨

1)ウラシル誘導ラット膀胱乳頭腫症の消退時に発生するアポトーシス関連遺伝子の発現と解析および単離を試み、ラットTBX3を同定した。さらにSV40抗原遺伝子導入ラットに発生する前立腺がんのアポトーシスに関連する遺伝子も見出した。2)大腸発がん予防剤がヒト大腸がん細胞にアポトーシスを誘導することを見出した。3)肝細胞のアポトーシスには、PI3KおよびMAPK両方が関与することを明らかにした。4)Ekerラットに、IFNγ を投与したが、明らかな腎がん抑制効果はなかった。5)ヒト白血病治療に用いられている分化誘導剤ATRAがTRAILによって誘導されるアポトーシスを相乗的に増強することを確認した。6)Helicobacter pyloriの感染により生ずるラット胃粘膜増殖性病変は除菌によりアポトーシスを起こして消失することを明らかにした。


平成11年度〜12年度総合研究報告 研究成果の要旨

1)ウラシル誘導ラット膀胱乳頭腫症の消退時に発生するアポトーシス関連遺伝子の発現と解析および単離を試み、ラットTBX3を同定した。さらにSV40抗原遺伝子導入ラットに発生する前立腺がんのアポトーシスに関連する遺伝子も見出した。2)ラット大腸発がん過程におけるアポトーシスに蛋白合成阻害剤が修飾すること、さらに大腸発がん予防剤がヒト大腸がん細胞にアポトーシスを誘導することを見出した。3)Gap junctionがアポトーシスに関与することと、PI3KおよびMAPK両方が関与することを明らかにした。4)Ekerラット腎発がん過程に脱アポトーシスが関与していないことを明らかにしたが、IFNγ 投与による腎がん抑制効果はなかった。5)NK細胞とNK様細胞の生体内活性化と増殖誘導に成功し、これが腫瘍のアポトーシス誘導に働くことを示唆した。さらにヒト白血球治療に用いられている分化誘導剤ATRAがTRAILによって誘導されるアポトーシスを相乗的に増強することを確認した。6)Helicobacter pyloriの感染により生ずるラット胃粘膜増殖性病変は除菌によりアポトーシスを起こして消失することを明らかにした。7)Fas/Fasリガンドシステムを利用して多発性骨髄腫のアポトーシスの可能性を探った。8)予後不良ヒト神経芽細胞腫についてp53の異常の研究を始めた。9)皮膚悪性腫瘍に対して光力学療法の有効性はアポトーシスの誘導であることを示唆した。

本ページは、研究成果の要旨のみを掲載しております。
詳しい研究報告をご覧になりたい方は、「厚生労働省がん研究助成金による研究報告集 平成12年度」を全国の医学部・医科大学図書館に配布しておりますので、そちらをご利用下さい。



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更新日:2004/12/01