11-19 神経内分泌学的な特性をもった肺がんの病態の把握と手術適応に関する研究
 
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11-19 神経内分泌学的な特性をもった肺がんの病態の把握と手術適応に関する研究

主任研究者 国立がんセンター中央病院 淺村 尚生


研究者氏名、所属および分担研究課題
研究者氏名
所属施設 地位
分担研究課題名
淺村 尚生
国立がんセンター中央病院 医長
神経内分泌学的な特性をもった非小細胞肺がんの手術成績と予後の特徴
永井 完治
国立がんセンター東病院 医長
神経内分泌学的特性をもった肺がんの手術適応
亀谷 徹
北里大学医学部 医学部長
大細胞性神経内分泌がんの病理診断基準の確立と病態の把握
多田 弘人
大阪市立総合医療センター 部長
小細胞がんにおける神経内分泌学的な特性
中川 健
財団法人癌研究会附属病院 部長
非定型カルチノイド腫瘍、小細胞肺がん、大細胞型神経内分泌肺がんにおける臨床病理学的な特性
津浦 幸夫
栃木県立がんセンター 医師
神経内分泌学的特性を持った肺腫瘍の臨床病理学的研究
横井 香平*
栃木県立がんセンター 医長
神経内分泌学的特性を持った肺がんの手術適応に関する研究
牛島 千衣*
国立病院九州がんセンター 医員
神経内分泌学的特性をもつ肺がんの臨床背景因子についての検討
藤田 結花*
国立療養所道北病院 医長
肺がんにおけるneuroendocrine markerの発現について−non-small cell lung carcinoma with neuroendocrine features-
*:平成11年4月1日−平成12年3月31日


平成12年度研究報告 研究成果の要旨

神経内分泌学的な特性をもった肺がん(小細胞がん、カルチノイド腫瘍、大細胞神経内分泌がん)の臨床病理学的な特性を解析し新しい治療方法の開発を行った。本研究班では対象とする腫瘍が比較的稀な腫瘍であること、疾患単位としての認識がされるようになってから日が浅いことなどから、各班員の施設で経験された症例を集積して臨床病理像の解析を進めることとした。その際、病理診断パネルを組織し中央診断を実施、個々の症例の病理学的診断に客観性をもたせた。本研究班で、今年度に集積した肺原発神経内分泌腫瘍は総計285例あり、現在病理中央診断が進行中である。個々の神経内分泌腫瘍についてもその特性が明らかになった。特に、大細胞神経内分泌癌については、ほぼ小細胞がんと同様の予後であり、すなわちこの腫瘍が分類される非小細胞がんよりも予後不良であり、今後の肺がん組織分類について再検討の必要性を示唆する結果となった。また、これら内分泌腫瘍に対する新たな治療法を行うためには治療前の診断が必要であり、その可能性についても検討を行った。


平成11年度〜12年度総合研究報告 研究成果の要旨

神経内分泌学的な特性をもった肺がん(小細胞がん、カルチノイド腫瘍、大細胞神経内分泌がん)の臨床病理学的な特性の解析と有効な治療法の開発が本研究班の目的である。本研究班は、比較的頻度が少なく理解のすすんでいない内分泌腫瘍を集積し、病理診断パネルによる中央病理診断によって組織型を確定する作業から研究を開始し、2年間の研究で285症例を集積した。その結果大細胞神経内分泌がんの特性として、小細胞がんと同様に予後不良であること、大細胞がんの亜型として分類することに問題があること、局所リンパ節進展と再発が多いことから外科術式的に局所制御向上の必要があること、治療前診断法の開発の必要性、化学療法と放射線治療に感受性があることから多モダリティ治療に期待がもて今後の検討課題となること、等が示された。一方、小細胞がんにおいては多モダリティ治療に関する検討では、十分な抗腫瘍効果と安全性が確認され、限局型小細胞がんの治療法として定着するものと思われる。

本ページは、研究成果の要旨のみを掲載しております。
詳しい研究報告をご覧になりたい方は、「厚生労働省がん研究助成金による研究報告集 平成12年度」を全国の医学部・医科大学図書館に配布しておりますので、そちらをご利用下さい。



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更新日:2004/12/01