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主任研究者 国立がんセンター中央病院 淺村 尚生 研究者氏名、所属および分担研究課題
平成12年度研究報告 研究成果の要旨 神経内分泌学的な特性をもった肺がん(小細胞がん、カルチノイド腫瘍、大細胞神経内分泌がん)の臨床病理学的な特性を解析し新しい治療方法の開発を行った。本研究班では対象とする腫瘍が比較的稀な腫瘍であること、疾患単位としての認識がされるようになってから日が浅いことなどから、各班員の施設で経験された症例を集積して臨床病理像の解析を進めることとした。その際、病理診断パネルを組織し中央診断を実施、個々の症例の病理学的診断に客観性をもたせた。本研究班で、今年度に集積した肺原発神経内分泌腫瘍は総計285例あり、現在病理中央診断が進行中である。個々の神経内分泌腫瘍についてもその特性が明らかになった。特に、大細胞神経内分泌癌については、ほぼ小細胞がんと同様の予後であり、すなわちこの腫瘍が分類される非小細胞がんよりも予後不良であり、今後の肺がん組織分類について再検討の必要性を示唆する結果となった。また、これら内分泌腫瘍に対する新たな治療法を行うためには治療前の診断が必要であり、その可能性についても検討を行った。 平成11年度〜12年度総合研究報告 研究成果の要旨 神経内分泌学的な特性をもった肺がん(小細胞がん、カルチノイド腫瘍、大細胞神経内分泌がん)の臨床病理学的な特性の解析と有効な治療法の開発が本研究班の目的である。本研究班は、比較的頻度が少なく理解のすすんでいない内分泌腫瘍を集積し、病理診断パネルによる中央病理診断によって組織型を確定する作業から研究を開始し、2年間の研究で285症例を集積した。その結果大細胞神経内分泌がんの特性として、小細胞がんと同様に予後不良であること、大細胞がんの亜型として分類することに問題があること、局所リンパ節進展と再発が多いことから外科術式的に局所制御向上の必要があること、治療前診断法の開発の必要性、化学療法と放射線治療に感受性があることから多モダリティ治療に期待がもて今後の検討課題となること、等が示された。一方、小細胞がんにおいては多モダリティ治療に関する検討では、十分な抗腫瘍効果と安全性が確認され、限局型小細胞がんの治療法として定着するものと思われる。
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更新日:2004/12/01 |