12-3 乳がん、大腸がんの家族内集積性に関する研究
 
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12-3 乳がん、大腸がんの家族内集積性に関する研究

主任研究者 大阪大学医学部 三好 康雄


研究者氏名、所属および分担研究課題
研究者氏名
所属施設 地位
分担研究課題名
三好 康雄
大阪大学医学部 助手
乳がん・大腸がんに関する易罹患性の遺伝子診断
福富 隆志
国立がんセンター 医長
乳癌の家族内集積性に関する研究
佐伯 俊昭
国立がんセンター東病院 医長
乳がん・大腸がんの家族内集積性に関する研究
岩瀬 弘敬
名古屋市立大学医学部 助教授
乳がんの易罹患性と遺伝子多型
高田 穣
川崎医科大学 教授
がん患者で発見されたBRCA2遺伝子変異の機能解析
清水 弘之
岐阜大学医学部 教授
乳癌のリスク診断をめざした疫学研究
三嶋 秀行 (班友)
国立大阪病院 医長
大腸がんの家族内集積性に関する研究
中園 光一 (班友)
国立熊本病院 医長
乳がんの家族内集積性に関する研究


平成12年度研究報告 研究成果の要旨

家族性乳がん113家系を解析した結果、BRCA1 、BRCA2の変異をそれぞれ15例、21例に同定した。そのうちBRCA1のコドン63は異なる4家系(27%)に、また BRCA2のコドン1858の異常は異なる7家系(33%)に認められ、日本人のfounder mutationと考えられた。BRCA1に8ケ所、BRCA2に6ケ所の遺伝子多型を同定し、散発性乳がんの罹患性との関連をcase-control studyで検討した。その結果、BRCA1のコドン38、BRCA2のコドン289、455、743(3者は連鎖)、およびコドン1132、2414(両者は連鎖)のvariant alleleを有する女性は、乳がんに罹患するリスクが低下していた(オッズ比はそれぞれ0.44、0.50、0.44)。エストロゲンの合成・分解に関与する酵素の遺伝子多型では、乳がんの罹患性を上昇させるもの(CYP17の5'非翻訳領域、CYP19のintron 4のくり返し数の多型、COMTのコドン158)、減少させるもの(CYP19のコドン39、CYP1A1のコドン462および3'非翻訳領域)を同定した。これらの遺伝子多型は乳がんのリスクを推測する上で有用と考えられた。

本ページは、研究成果の要旨のみを掲載しております。
詳しい研究報告をご覧になりたい方は、「厚生労働省がん研究助成金による研究報告集 平成12年度」を全国の医学部・医科大学図書館に配布しておりますので、そちらをご利用下さい。



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更新日:2004/12/01