12-15 脳高次機能保全をはかった小児悪性脳腫瘍治療法の確立
 
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12-15 脳高次機能保全をはかった小児悪性脳腫瘍治療法の確立

主任研究者 埼玉医科大学 松谷 雅生


研究者氏名、所属および分担研究課題
研究者氏名
所属施設 地位
分担研究課題名
松谷 雅生
埼玉医科大学 教授
知能と下垂体前葉機能保全をはかる小児胚細胞腫瘍治療法の確立
福井 仁士
九州大学医学部 教授
小児悪性腫瘍長期生存例における問題点とACNU少量頻回投与の抗腫瘍効果の検討
吉峰 俊樹
大阪大学医学部 教授
大量化学療法と定位的放射線治療法の確立
栗栖 薫
広島大学医学部 教授
小児悪性脳腫瘍患者の治療と知的発達に関与する因子の検討
澤村 豊
北海道大学医学部 講師
病理組織分類に応じた小児脳腫瘍の治療後における精神発達と内分泌性機能の研究
渋井 壮一郎
国立がんセンター 医長
遅発性放射線障害の軽減を目的とした小児悪性脳腫瘍の治療


平成12年度研究報告 研究成果の要旨

平成12年度は、小児悪性脳腫瘍の内のgerm cell tumor長期生存者の脳高次機能、下垂体機能、および放射線治療後の脳血管障害の発生を検討した。110例の治療後Karnofsky performance scaleは、80以上が91%で良好なKPSが得られている。化学療法を併用することにより照射線量を24Gyに減量した神経下垂体部腫瘍34例の下垂体前葉機能は治療前と不変で、改善はないものの刺激試験に対して低反応を維持していた。従来の放射線治療50Gy治療では全例で悪化したことと比較すれば優れた結果である。過去の治療症例も含め、5年以上の生存者104例のMRI追跡検査により4例でcavernous angiomaの出現を認めた。この発生比率(3.7%)は自然発生率(0.4%)より明らかに高く、放射線治療合併症の1つとして判定できる。56例にMR angiographyを行った結果、症候性の脳血管障害が6例認められた。高次脳機能を低下させる要因として無視できない。

本ページは、研究成果の要旨のみを掲載しております。
詳しい研究報告をご覧になりたい方は、「厚生労働省がん研究助成金による研究報告集 平成12年度」を全国の医学部・医科大学図書館に配布しておりますので、そちらをご利用下さい。



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更新日:2004/12/01