10-28 増殖因子、サイトカインによるがん病態の修飾に関する研究
 
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10-28 増殖因子、サイトカインによるがん病態の修飾に関する研究

主任研究者 国立がんセンター 塚田 俊彦


研究者氏名、所属および分担研究課題
研究者氏名
所属施設 地位
分担研究課題名
塚田 俊彦
国立がんセンター 室長
腫瘍産生サイトカインのがん病態への影響に関する研究
佐藤 雄一
北里大学医療衛生学部 助教授
腫瘍および周辺組織におけるサイトカイン産生部位の同定
岩永 敏彦
北海道大学大学院獣医学研究科 教授
がん悪液質モデルにおける食欲調節脳内ペプチドの病理組織学的検討
那波 宏之
新潟大学脳研究所 教授
増殖因子、サイトカインによる悪液質誘発機序の分子生物学的解析
中里 雅光
宮崎医科大学医学部 講師
がん患者における摂食調節ペプチドの病態生理学的意義に関する研究
稲本 俊
京都大学医療技術短期大学部 教授
リンパ球によるがん病態の修飾に関する研究
高橋 俊二 (班友)*1
財団法人癌研究会附属病院 医員
副甲状腺ホルモン関連蛋白(PTHrP)によるサイトカイン過剰とがん悪液質における意義
宮内 潤 (班友)*2
国立小児病院 科長
白血病幹細胞の抗がん剤感受性に及ぼすtumor necrosis factor αの作用の解析
有広 光司 (班友)
国立呉病院 医長
ヒト乳がん組織に浸潤するリンパ球と腫瘍組織との相互作用
井口 東郎 (班友)*2
国立病院九州がんセンター 医長
骨転移成立におけるサイトカインの役割に関する研究
松崎 法成 (班友)
国立熊本病院 医師
消化器がんにおけるTRAIL、TRAILレセプターの発現
*1:平成12年4月1日−平成13年3月31日
*2:平成13年4月1日−平成14年3月31日



平成13年度研究報告 研究成果の要旨

ヒト悪性腫瘍細胞株が産生する悪液質惹起因子を解析した結果、リポプロテインリパーゼ活性を抑制する熱感受性物質及びグリセロール放出能を有する熱耐性物質の存在が明らかになり、分子量はそれぞれ60 kDa及び1 kDaと推定できた。また、がん悪液質モデル動物では、従来褐色脂肪組織でのみで発現するとされていたuncoupling proteinが発現していることが明らかになった。幼若ラットを用いた認知行動学的解析により、サイトカイン投与後の中枢神経系への慢性効果が長期持続することを示した。乳癌において腫瘍細胞のIL-8産生は予後不良のマーカーとして利用できることが示唆された。Body Mass Indexを用いたやせの指標と空腹時血漿グレリン濃度とを比較検討した結果、やせの程度とグレリン濃度が有意な相関を示すことを明らかにした。また、悪液質モデル動物の体重をグレリンの末梢経路からの投与により増加させることができ、グレリンの悪液質治療への応用の可能性を示した。


平成12年〜13年度総合研究報告 研究成果の要旨

ヌードマウスに移植して著しい体重減少をもたらすヒト悪性腫瘍細胞株が産生する悪液質惹起因子の解析の結果、リポプロテインリパーゼ活性を抑制する熱感受性物質及びグリセロール放出能を有する熱耐性物質の存在が明らかになり、分子量はそれぞれ60 kDa及び1 kDaと推定できた。乳癌において腫瘍細胞のIL-8産生は予後不良のマーカーとして利用できることが示唆された。胃で産生され食欲調節作用を有するグレリンが、食欲抑制作用をもつレプチンに拮抗すること、胃切除を受けた胃がん患者では健常者と比較して血中グレリン濃度が半減していることが明らかになった。Body Mass Indexを用いたやせの指標と空腹時血漿グレリン濃度とを比較検討した結果、やせの程度とグレリン濃度が有意な相関を示すことが明らかになった。また、悪液質モデル動物の体重をグレリンの末梢経路からの投与により増加させることができ、これによりグレリンの悪液質治療への応用の可能性を示した。

平成12年度研究成果の要旨

本ページは、研究成果の要旨のみを掲載しております。
詳しい研究報告をご覧になりたい方は、「厚生労働省がん研究助成金による研究報告集 平成13年度」を全国の医学部・医科大学図書館に配布しておりますので、そちらをご利用下さい。



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更新日:2004/12/01