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主任研究者 金沢大学大学院医学系研究科 小林 健一 研究者氏名、所属および分担研究課題
平成13年度研究報告 研究成果の要旨 肝炎ウイルス感染による肝細胞がん発生の抑制に関して基礎的及び臨床的検討を行った。基礎的検討としてC型肝炎ウイルス(HCV)のウイルス複製酵素(NS5B)の機能解析を行い、NS5Bがオリゴマーとして存在し活性を示すことを明らかにした。またHCVの蛋白翻訳制御に関して、インターフェロン(IFN)が宿主の蛋白翻訳以上に特異的にHCVの蛋白翻訳を抑制することを明らかにした。HCVのコア蛋白がサイトカインの細胞内情報伝達に与える影響について検討し、コア蛋白がIFN-γやインターロイキン6のシグナル伝達に影響していることを明らかにした。また、肝細胞免疫機構の検討では免疫抑制性IL-10を産生するTr1細胞の検討を行い、C型慢性肝炎例では肝浸潤単核球にHCV特異的IL-10産生細胞が多数存在し、HCV感染の持続化と比較的軽度の炎症の病態に関与している可能性を示した。臨床的検討としてC型肝硬変症例に対し、多剤併用により積極的にトランスアミナーゼ値を低下させることにより、有意に肝細胞がんの発生を低下させることを示した。 平成12年〜13年度総合研究報告 研究成果の要旨 肝炎ウイルス感染による肝細胞がん発生の抑制に関して基礎的及び臨床的検討を行った。基礎的検討としてC型肝炎ウイルス(HCV)の複製に関連して、インターフェロン(IFN)によるHCVの蛋白翻訳抑制機構を解析した。またウイルス複製酵素(NS5B)の活性中心を構造モデルと共に詳細に検討した。肝細胞がん発生の分子機構の解明を目的としストレス応答性のMAPKの肝細胞がんにおける役割を明らかにした。さらに、多数の臨床検体を用いて、cDNAマイクロアレイによる慢性肝炎、肝細胞がん組織における遺伝子発現異常の解析を行い、包括的遺伝子解析により病態の解明を行った。一方、肝細胞免疫機構の検討では免疫抑制性IL-10を産生するTr1細胞の検討を行い、C型慢性肝組織においてHCV特異的IL-10産生細胞が多数存在し、HCV感染の持続化と比較的軽度の炎症の病態に関与している可能性を示した。臨床的検討においてはC型肝硬変症例に対し、多剤併用により積極的にトランスアミナーゼ値を低下させることにより、有意に肝細胞がんの発生率を低下させることを示した。 平成12年度研究成果の要旨
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更新日:2004/12/01 |