11-17 がん細胞の分化誘導機構を基盤とする新しいがん治療法の開発に関する研究
 
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11-17 がん細胞の分化誘導機構を基盤とする新しい癌治療法の開発に関する研究

主任研究者 明治薬科大学 齋藤 政樹


研究者氏名、所属および分担研究課題
研究者氏名
所属施設 地位
分担研究課題名
齋藤 政樹
明治薬科大学薬学部 教授
分化誘導に関与する標的分子の発現制御を介する癌分化誘導療法の開発
木崎 昌弘
慶應義塾大学医学部 講師
造血器腫瘍細胞の分化・アポトーシス誘導制御機構とそれらを基盤とした治療法の開発
大西 一功
浜松医科大学 講師
骨髄系細胞での転写制御におけるPML蛋白の機能解析
本間 良夫
埼玉県立がんセンター 部長
分化誘導物質による肺癌細胞の増殖抑制機構の解明とその治療への応用
橋本 祐一
東京大学分子細胞生物学研究所 教授
がん細胞の分化・悪性度を修飾する医薬リードの創製
山田 道之
横浜市立大学理学部 教授
ペプチジルアルギニンデイミナーゼの白血病細胞の分化における役割
山口 壹範 (班友)
宮城県立がんセンター 研究員
シアリダーゼ遺伝子発現制御による細胞機能変換の試み
青儀 健二郎 (班友)
国立病院四国がんセンター
遺伝子のco-amplificationを応用した新しいがん治療法の開発


平成13年度研究報告 研究成果の要旨

研究成果を要約すると、 1)骨形成因子BMP-2は細胞周期をG1期に停止させ、Bcl-XL転写を制御してアポトーシス誘導により骨髄腫細胞を増殖抑制した。多発性骨髄腫の新しい治療薬として期待された。 2)骨髄系細胞分化に重要なZinc Finger蛋白MZF-1の転写活性に、PML或いはPODが関与していることを明らかにした。 3)ヒト肺癌細胞を分化誘導物質DMSOで処理すると接着性増加と形態変化が生じ、低濃度DMSOはIFNa感受性の著増を引き起こした。分化誘導剤との併用で癌治療におけるIFNaの有用性を拡大できる。 4)カルボン酸構造を持たない新奇合成レチノイドの開発並びに非ステロイド型・非アニリド型の新規抗アンドロゲン、イソキサゾロン系化合物群の創製に成功した。特にISOB、ISOP-4はアンドロゲン依存性シオノギがん細胞に対してフルタミドに勝る強力な増殖阻害活性を持ち、ヒト前立腺がん細胞に対しても増殖阻害・抗アンドロゲン活性を示した。ホモフタルイミド構造を有する新規血管新生阻害剤群の創製に成功し、(R)-メチルサリドマイドがCOX-2特異的な阻害剤として得られた。 5)ヒト白血病細胞K562及び多剤耐性細胞株K562/DOXで、CPT-11処理後にDNAトポイソメラーゼIIα遺伝子及びRARα遺伝子の協調的発現上昇が認められ、CPT-11によるDNAトポイソメラーゼII阻害剤及びレチノイン酸に対する感受性増強が示された。 6)生体膜分子ガングリオシドGM3は細胞内で粒子状マイクロドメインを形成し、粒子として外界に放出される現象を電顕画像として捉えた。GM3合成酵素遺伝子をヒト大腸癌細胞に導入するとアポトーシスが誘導され、遺伝子2次産物GM3の増大がアポトーシスの第一義的意義を持つことが判明した。

平成12年度研究成果の要旨

本ページは、研究成果の要旨のみを掲載しております。
詳しい研究報告をご覧になりたい方は、「厚生労働省がん研究助成金による研究報告集 平成13年度」を全国の医学部・医科大学図書館に配布しておりますので、そちらをご利用下さい。



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更新日:2004/12/01