12-5 がん治療選択のための病理診断の標準化と精度向上に関する研究
 
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12-5 がん治療選択のための病理診断の標準化と精度向上に関する研究

主任研究者 国立がんセンター中央病院 松野 吉宏


研究者氏名、所属および分担研究課題
研究者氏名
所属施設 地位
分担研究課題名
松野 吉宏
国立がんセンター中央病院 医長
悪性腫瘍の病理診断の標準化
野口 雅之
筑波大学基礎医学系 教授
小型肺腺癌の病理診断基準の確立
長谷川 匡
国立がんセンター研究所 室長
軟部肉腫の病理組織診断の精度向上
吉野 正
岡山大学院 講師
悪性リンパ腫の病理診断の精度向上
向井 清
東京医科大学 教授
病理診断技術の標準化とその普及
真鍋 俊明
川崎医科大学 教授
標準的診断基準の普及と教育効果の検討
衛藤 貴子*1
国立病院九州がんセンター 医員
子宮体癌のリンパ説郭清省略を目指した子宮病巣の術中迅速病理組織診断と永久病理組織診断の比較検討に関する研究
*1:平成13年4月1日−平成14年3月31日


平成13年度研究報告 研究成果の要旨

最適ながん治療選択の基盤をなす病理診断の精度向上と標準化を実現するため、種々のがんについて病理診断精度の現状を把握し、問題点やその対策の糸口を探る研究を実施した。肺異型腺様過形成と非浸潤小型肺腺眼との鑑別診断について、専門病理医間の診断一致率解析の結果をもとに実用可能な基準案を作成した。肺神経内分泌腫瘍のうち、大細胞神経内分泌の診断一致が専門医の間でも得られにくいことを示した。四肢・体幹部の成人軟部肉腫では、MIB-1悪精度と病行きは主な組織型の軟部肉腫患者の強力な予後因子であることを明らかにした。悪性リンパ腫の病理診断の精度向上には、教育指導が有効であることを明確に示した。前立腺癌のGleasonスコア判定の精度が、多数の病理医において講習会受講後に有意に上昇すること、また日常から多くの検体を診断している者、複数の病理医が勤務する施設などに所属する者などで診断妥当性が高いことを示した。


平成12年〜13年度総合研究報告 研究成果の要旨

最適ながん治療選択の基盤をなす病理診断の精度向上と標準化を実現するため、種々のがんについて病理診断精度の現状を把握し、問題点やその対策の糸口を探る研究を実施した。初期肺腺癌の病理診断基準の確立を試み、異型腺腫様過形成と非浸潤性小型腺癌との鑑別診断に関する実用可能な基準案を作成した。肺神経内分泌腫瘍の病理医間診断較差を検討し、大細胞神経内分泌癌の診断一致が専門病理医の間でも得られにくいことを示した。軟部肉腫のMIB-1悪性度評価は妥当性・信頼性に優れ、病期とともに主な組織型の軟部肉腫患者の強力な予後予測因子であることを明らかにした。悪性リンパ腫の病理診断の精度向上には、教育指導が有効であることを明確に示した。前立腺腺癌のGleason スコア判定の精度が、多数の病理医において講習会受講後に有意に上昇すること、また日常から多くの検体を診断している者、複数の病理医が勤務する施設等に所属する者などで診断妥当性が高いことを示した。

平成12年度研究成果の要旨

本ページは、研究成果の要旨のみを掲載しております。
詳しい研究報告をご覧になりたい方は、「厚生労働省がん研究助成金による研究報告集 平成13年度」を全国の医学部・医科大学図書館に配布しておりますので、そちらをご利用下さい。



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更新日:2004/12/01