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主任研究者 東京大学医学部 平井 久丸 研究者氏名、所属および分担研究課題
平成13年度研究報告 研究成果の要旨 AMl1は造血細胞の維持と白血病発症に重要な役割を果たす遺伝子である。T細胞特異的にAML1を欠失するマウスを作製したところ、DN3からDN4への分化、DPでの負の選択、CD4 SP細胞の成熟・増殖などが障害されており、AML1が個体のT細胞系に必須の役割を果たすことが判明した。またAML1b、AML1c、AML1ΔNのみ発現されるマウスを作成し、これらのアイソフォームのみで個体の生物作用を担いうることを示した。家族性白血病におけるAML1点突然変異体の機能解析を行い、ドミナントネガテイブ効果を持つ変異体があることを見い出した。(8;21)転座型白血病で形成されるAML1-MTG8がGATA-2やTIS11bの発現を変化させることによって骨髄球の分化を撹乱することを明らかにした。AML1のサブユニットであるPEBP2βの細胞質内局在の振り分けにフィラミンが関与することを見いだした。白血病関連転写因子TELが赤芽球分化を促進することを示し、そのHLH領域で転写抑制因子mSin3Aと複合体を形成することを明らかとした。 平成12年〜13年度総合研究報告 研究成果の要旨 AML1の機能制御機構として、AML1がPEBP2βとの結合依存性にユビキチン化を受けること、MOZがAML1の転写活性化因子であること、PEBP2βの細胞内局在にフィラミンAが関与することを見いだした。AML1の生理的機能の解析として、AML1アイソフォームの発現と正常造血との関連を明らかにし、T細胞特異的にAML1を欠失するマウスを作製してAML1がT細胞系に果たす役割を明らかにした。一方でAML1遺伝子の変異がMDSの発症に関与すること、家族性白血病でのAML1変異体がドミナントネガテイブ効果を持つこと、さらにAML1-MTG8がGATA-2やTIS11bの発現変化を通して骨髄球分化を撹乱することを見い出し、AML1が白血病発症に果たす役割を明らかにした。さらにAML1の転座相手遺伝子であるEvi-1がCtBPと結合してTGFβシグナルを抑制すること、TELがmSin3Aと結合して赤芽球分化を促進することを明らかとした。 平成12年度研究成果の要旨
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更新日:2004/12/01 |