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平成14年度研究報告 研究成果の要旨 H.pylori 感染率との関連性は不明だが、噴門部胃癌および食道腺癌の増加傾向は認めなかった。H.pylori 感染後の萎縮性胃炎の進展には、米、味噌、魚卵などの食習慣の影響が示唆された。除菌治療後6ヶ月で、前庭部の腸上皮化生粘膜でのHGF、Ki-67、p53、MDM2などの発癌に関連する細胞周期関連遺伝子発現が有意に減少した。除菌によって胃腺腫が消失する可能性が示唆されたが、今後の長期経過観察が必要である。 H.pylori 感染胃粘膜では、IV型分泌機構を用いて菌から宿主細胞へのCagAの注入、宿主細胞内でのCagAチロシンリン酸化、及びCagA-SHP-2複合体形成が生じ、細胞内情報分子であるSHP-2と複合体を形成し、胃上皮細胞情報伝達系を攪乱していることが推定される。 今後、CTLA-4を介したT細胞の反応を抑制やstrain diversityを応用したワクチン開発や除菌治療により胃発癌予防法の確立をめざす必要がある。
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更新日:2004/12/01 |