15-12 発がんにおける染色体動態異常に関する研究
 
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15-12 発がんにおける染色体動態異常に関する研究

主任研究者 国立がんセンター研究所 中釜 斉


研究者氏名、所属および分担研究課題
研究者氏名
所属施設 地位
分担研究課題名
中釜 斉
国立がんセンター研究所 部長
反復配列を介した染色体不安定化機構、及びParp欠失と染色体多倍体化
三輪 正直
筑波大学基礎医学系生化学 教授
発癌における染色体動態、細胞周期異常に関する研究
丸本 朋稔
熊本大学大学院医学薬学研究部 助手
分裂期キナーゼの機能異常に伴う染色体不安定化と発がんとの関連に関する研究
小松 賢志
京都大学放射線生物研究センター 教授
NBS1によるゲノム安定化機構
太田 力
国立がんセンター研究所 室長
発がんにおけるDNA修復因子に関する研究
真木 寿治
奈良先端科学技術大学院大学 教授
染色体不安定化におけるチェックポイント制御の役割


平成15年度研究報告 研究成果の要旨

G-richな反復配列により形成される4重鎖構造が、in vivoでのDNAの複製阻害の一因となることが分かった。マウスSTR配列Pc-1のC-rich鎖に結合するLRP130の過剰発現で誘導される核形態異常が、間期における蛋白質合成の異常を介して誘発される事が示唆された。Parp-1欠損下での染色体倍加がp53 の機能低下と関連する可能性や、中心体に存在するp53タンパク質がポリADP-リボシル化されることが確認され、タンパク質のポリADP-リボシル化が中心体の複製制御や細胞周期の調節を行っていることが示唆された。種々のヒトがんで高発現しているAurora-Aが、哺乳動物細胞の分裂期において、中心小体の分離や分裂期紡錘体形成、分裂後期における細胞質分裂の制御など、分裂期の進行に重要な役割を果たしていることが分かった。高発がん性疾患ナイミーヘン症候群の原因遺伝子NBS1の、がん患者で見つかった変異が、NBS1の組換え修復活性能に重篤な障害を与える変異であることや、環境中要因によるアダクト形成等の損傷が、DNA複製開始の制御異常を介して染色体異常を誘発し得る新たな分子機構に依ることなどを明らかにした。


本ページは、研究成果の要旨のみを掲載しております。
詳しい研究報告をご覧になりたい方は、「厚生労働省がん研究助成金による研究報告集 平成15年度」を全国の医学部・医科大学図書館に配布しておりますので、そちらをご利用下さい。



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更新日:2004/12/01