奥中 真白さん(明治薬科大学)
更新日 : 2024年4月1日
奥中 真白さん(明治薬科大学)
国立がん研究センター東病院 薬剤部
研究指導者
川崎 敏克(明治薬科大学 連携教員)
Q、連携大学院に進学しようと思ったきっかけ
私は先進的ながん医療を学びたいと思い、薬剤師レジデントとしての勤務を開始しました。
薬剤師レジデントでの臨床業務を通して、同じがん化学療法を受ける患者でも使用薬剤や併存疾患など患者背景が多様である為、臨床試験どおりの化学療法副作用経過に必ずしも一致しないことや、個々の症例に適した薬物療法を提供することの難しさを痛感致しました。
また様々な化学療法支持療法が開発されているなかでも、化学療法の副作用に苦しんでいる患者はまだまだ存在することを痛感しました。
このような状況のなかで、自らもがん化学療法に関する新たなエビデンス創出に貢献できるような研究能力と専門知識を身に着けた薬剤師になりたいと思い、薬剤師レジデント1年目に明治薬科大学連携大学院への進学を志望致しました。
Q、Aタイプを利用するメリット
連携大学院の研究活動から薬物動態や化学構造活性相関など、より深い薬学の知識の習得を進めながら、院内で薬剤師として先進的ながん医療に携わることで、現在のがん医療のクリニカルクエスチョンを打開することの出来る薬学臨床研究能力を磨くことができたと思います。
Q、職員としての業務との両立について
職員業務としては、患者指導業務や抗がん剤調製に日中フルタイムで従事しながら連携大学院に通っていました。連携大学院ではデータベースを用いた副作用情報や医薬品情報の解析を研究課題として行っていたので、コンピューターがあれば院内でも大学院研究を進められたのが良かったと思います。
また職員業務や大学院研究課題と並行して、院内研究としてカルテ調査なども進めていたので、実際多忙ではありました。週1回のみ連携大学院に通う日を設定して、その日は集中して研究すると決め、普段の業務を行いながらも研究を進めていました。
Q、連携大学院生の1日のスケジュール
がん専門修練薬剤師の1週間のスケジュールをお示しします。
週1回は連携大学院のみに通う日を設定していました。
Q、連携大学院を希望する方へ一言

臨床でがん患者と接する過程で感じた疑問を明らかにするため、自分自身で計画・検証できる研究能力を身に着けるという意味で病院薬剤師が薬学博士を取得する意義は大いにあると思います。
実際に私が常勤薬剤師として臨床業務に従事している現在でも日々のクリニカルクエスチョンから研究を継続できているのは、連携大学院での研鑽と学位取得の影響が大きいと思います。
普段の臨床業務と並行して連携大学院に進学することは楽ではないですが、頑張れ多分得られるものも大きいので、将来も臨床薬剤師としてがん医療のエビデンス創出に貢献したいという方は是非挑戦して頂ければと思います。