消化管腫瘍科
大腸外科
1.大腸外科について
2.診療について
3.研究について
現在、我々が特に力をいれていることは、直腸がんにおける機能温存術、そして腹腔鏡手術です。直腸がん手術においては術後の性機能障害、排尿障害、肛門機能障害が大きな問題となります。性機能、排尿機能は、直腸周囲の自律神経を温存することで機能温存は可能となりますが、あまり温存すると逆にがんを取り残す可能性もあり、これらを勘案したうえで適切な切除範囲を定めることが重要です。当科では、いち早く自律神経温存に取り組み、機能温存と治療成績の向上という難しい課題をクリアしています。肛門機能に関しては、年代を経るごとに肛門温存割合が増加してきています(図1)。2006年度には、下部直腸がんの90%近くの患者さんが肛門温存手術を受けるにいたりました。もちろん、中部、上部の直腸がんではほぼ100%の肛門温存割合です。しかし、肛門温存に伴う問題も生じており、またぎりぎりの状態で肛門の温存を試みざるをえない方では、期待に反して術後の肛門機能の低下が問題となっています。その意味では、術前の十分な説明を行ったうえで同意していただくことが大変重要になります。腹腔鏡手術は、進行がんに関する安全性が十分に確立されていないため、早期がんは原則として腹腔鏡手術を行うものの、それ以外の方は臨床試験の形でのみ行います。現在、年間100人ほどの方が腹腔鏡手術を受けていますが、将来的には半数以上の方が受けることになるものと予想しています。腹腔鏡手術の特徴は、なんといっても術後の経過が良いことです。しかしその問題は、手術時間が長くなり、手術にも一定以上の技術が要求されることですが、当院では各スタッフが腹腔鏡手術に精通しており、後者に関してはまったく問題はありません。
図1 下部直腸がん術式の変化

大腸外科 診療実績(症例数)
大腸外科 治療成績
2.診療について
3.研究について
1.大腸外科について
| 医師名(ふりがな) | 役職・専門分野 | 専門医・認定医資格 | メッセージ |
| 赤須 孝之 (あかす たかゆき) ![]() |
外来医長 大腸外科 |
日本外科学会指導医, 専門医 日本消化器外科学会評議員、 指導医、専門医 日本大腸肛門病学会評議員、 指導医、専門医、 がん専門修練医 |
診断・治療法を改善し大腸がん死亡ゼロを目指します。低侵襲治療を推進し、QOL・経済性を向上させます。 |
| 藤田 伸 (ふじた しん) ![]() |
病棟医長 大腸外科 |
日本外科学会指導医・専門医 日本消化器外科学会指導医・専門医 日本大腸肛門病学会指導医・専門医 がん治療認定医 |
大腸がんだけでなく、大腸、小腸に関わるさまざまな腫瘍の手術を行っています。 |
| 山本 聖一郎 (やまもと せいいちろう) ![]() |
医員 大腸外科 |
日本外科学会指導医 日本消化器外科学会指導医、評議員 日本大腸肛門病学会指導医、評議員 日本内視鏡外科学会技術認定医、評議員 日本内視鏡学会技術専門医 |
大腸癌手術全般を担当します。特に腹腔鏡手術が専門で、年間200人近くの患者さんの手術を担当しています。 |
| 高和 正 (たかわ まさし) ![]() |
がん専門修練医 | 日本外科学会認定医・専門医 がん治療認定医 |
手術・病棟業務を担当いたします。手術によるベストな治療の遂行、および、患者さん目線の病棟診療を療供致します。 |
2.診療について
大腸外科では、4人のスタッフでわが国トップの年間500例以上の大腸がん患者さんを手術し、安全かつ合併症の少ない手術を目指しつつ生存率の改善を図る努力を常に行っています。入院期間は、腹腔鏡手術で術後7日、通常の開腹術でも10日程度と短く、このため少ないベッド数で多数の患者さんを手術することが可能となっています。今後も、さらに手術数を増やすことが可能です。実際に、現在も初診から手術までの期間は原則1ヶ月以内ですので、国立がん研究センターでの治療を希望される患者さんはどうぞ外来受診してください。現在、我々が特に力をいれていることは、直腸がんにおける機能温存術、そして腹腔鏡手術です。直腸がん手術においては術後の性機能障害、排尿障害、肛門機能障害が大きな問題となります。性機能、排尿機能は、直腸周囲の自律神経を温存することで機能温存は可能となりますが、あまり温存すると逆にがんを取り残す可能性もあり、これらを勘案したうえで適切な切除範囲を定めることが重要です。当科では、いち早く自律神経温存に取り組み、機能温存と治療成績の向上という難しい課題をクリアしています。肛門機能に関しては、年代を経るごとに肛門温存割合が増加してきています(図1)。2006年度には、下部直腸がんの90%近くの患者さんが肛門温存手術を受けるにいたりました。もちろん、中部、上部の直腸がんではほぼ100%の肛門温存割合です。しかし、肛門温存に伴う問題も生じており、またぎりぎりの状態で肛門の温存を試みざるをえない方では、期待に反して術後の肛門機能の低下が問題となっています。その意味では、術前の十分な説明を行ったうえで同意していただくことが大変重要になります。腹腔鏡手術は、進行がんに関する安全性が十分に確立されていないため、早期がんは原則として腹腔鏡手術を行うものの、それ以外の方は臨床試験の形でのみ行います。現在、年間100人ほどの方が腹腔鏡手術を受けていますが、将来的には半数以上の方が受けることになるものと予想しています。腹腔鏡手術の特徴は、なんといっても術後の経過が良いことです。しかしその問題は、手術時間が長くなり、手術にも一定以上の技術が要求されることですが、当院では各スタッフが腹腔鏡手術に精通しており、後者に関してはまったく問題はありません。
図1 下部直腸がん術式の変化

大腸外科 診療実績(症例数)
| 2006 | 2007 | 2008 | ||
| 結腸 | I 期 | 56 | 66 | 57 |
| II 期 | 75 | 70 | 58 | |
| III 期 | 75 | 72 | 60 | |
| IV 期 | 48 | 38 | 24 | |
| 不明 | 0 | 0 | 0 | |
| 計 | 254 | 246 | 199 | |
| 直腸 | I 期 | 53 | 52 | 33 |
| II 期 | 48 | 45 | 42 | |
| III 期 | 68 | 60 | 46 | |
| IV 期 | 31 | 28 | 9 | |
| 不明 | 0 | 0 | 0 | |
| 計 | 200 | 185 | 130 | |
| 計 | I 期 | 109 | 118 | 90 |
| II 期 | 123 | 115 | 100 | |
| III 期 | 143 | 132 | 106 | |
| IV 期 | 79 | 66 | 33 | |
| 不明 | 0 | 0 | 0 | |
| 計 | 454 | 431 | 329 | |
大腸外科 治療成績
| 進行期 | 2000-2004年症例数 | 5年生存率 | |
| 結腸 | I 期 | 262 | 97% |
| II 期 | 279 | 91% | |
| III 期 | 346 | 76% | |
| IV 期 | 170 | 31% | |
| 直腸 | I 期 | 250 | 95% |
| II 期 | 176 | 93% | |
| III 期 | 350 | 77% | |
| IV 期 | 117 | 22% |



