11-11 発がんにおけるDNA修復機構の関与についての研究
 
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11-11 発がんにおけるDNA修復機構の関与についての研究

主任研究者 大学評価・学位授与機構 石川 隆俊


研究者氏名、所属および分担研究課題
研究者氏名
所属施設 地位
分担研究課題名
石川 隆俊
大学評価・学位授与機構 教授
DNA修復関連遺伝子操作マウスでの発がん機構の研究
花岡 文雄
大阪大学細胞生体工学センター 教授
DNA修復関連蛋白質の構造と機能
益谷 美都子
国立がんセンター研究所 室長
発がんへのポリ(ADP-リボース)代謝の関与
三輪 正直
筑波大学基礎医学系 教授
DNA修復関連酵素の機能
長尾 美奈子
東京農業大学応用生物科学部 教授
ミニサテライト変異誘発機構
田沼 靖一
東京理科大学薬学部 教授
がん細胞におけるDNase γ遺伝子発現異常の解析
西庄 勇 (班友)
国立大阪病院 室長
DNA修復異常と大腸がんの発生に関する研究
宮澤 宏 (班友)
国立公衆衛生院 室長
DNA修復酵素であるDNAポリメラーゼε の機能と発がん


平成14年度研究報告 研究成果の要旨

p53遺伝子ノックアウトマウスではジメチルベンツアントラセンによる顎下腺腫瘍が早期に誘発された。色素性乾皮症バリアント群のDNAポリメラーゼηは、鋳型としてチミングリコール型の損傷DNAへの結合活性が高く、損傷部位への導入機構の一端が明らかとなった。ポリ(ADP-リボース)合成酵素(Parp-1)ノックアウトマウスでの欠失型突然変異体頻度が上昇していた。Parp-1のノックアウトマウス細胞では、DNA複製とは連動せずに中心体が異常複製されることがわかった。ポリ(ADP-リボース)分解酵素のノックアウトマウスES細胞株は、メチルメタンサルフォネイトやガンマ線照射に対する致死感受性が亢進していた。ミニサテライト配列結合蛋白質UP1はCAGGGリピートやテロメアリピートのとる4重鎖構造を解消し、この部位でのDNA合成阻害を解消した。マウス筋芽細胞において、ミオゲニンがアポトーシスに関与するDNaseγ遺伝子の発現を誘導した。


平成13年〜14年度総合研究報告 研究成果の要旨

色素性乾皮症A群遺伝子ノックアウトマウスではアフラトキシン誘発腫瘍と自然発生肝腫瘍も高発生した。色素性乾皮症バリアント群のDNAポリメラーゼηは、DNA合成の忠実度が低く、チミングリコール型の損傷DNAへの結合活性が高いことが明らかとなった。DNA修復関連のポリ(ADP-リボース)合成酵素(Parp-1)ノックアウトマウスでは、欠失型突然変異体頻度が上昇していた。ポリ(ADP-リボース)分解酵素遺伝子欠損ES細胞の樹立に成功し、変異原に対する致死感受性の亢進を認めた。中心体のp53がポリADPリボシル化されていた。Parp-1-1-細胞では、DNA複製とは連動しない中心体複製異常がおきていた。ミニサテライト結合蛋白質UP1はCAGGGリピートやテロメアリピートの4重鎖構造を解消し、そのDNA合成阻害を解消した。アポトーシス関連DNaseγ遺伝子のプロモーター構造を明らかにし、ミオゲニンが発現を強く誘導することを見いだした。

平成13年度研究成果の要旨

本ページは、研究成果の要旨のみを掲載しております。
詳しい研究報告をご覧になりたい方は、「厚生労働省がん研究助成金による研究報告集 平成14年度」を全国の医学部・医科大学図書館に配布しておりますので、そちらをご利用下さい。



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更新日:2004/12/01