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主任研究者 明治薬科大学 齋藤 政樹 研究者氏名、所属および分担研究課題
*2:平成13年4月1日−平成14年3月31日 *3:平成14年4月1日−平成15年3月31日 平成14年度研究報告 研究成果の要旨 研究成果を要約すると、1.緑茶成分カテキンや飲料用カフェインは骨髄性白血病細胞において活性酸素(ROS)産生或いはp53リン酸化を介してアポトーシスを誘導し、in vivoにおいても腫瘍縮小効果を示した。2.骨髄系細胞分化に重要なレチノイン酸シグナルの下流のZincフィンガー蛋白MZF-1の転写活性に関与するPML或いはPML複合体(POD)は造血細胞特異的な転写因子の核内局在を制御することで骨髄系分化に関わることを明らかにした。3.強力な白血病細胞分化誘導物質cotylenin AがIFNaとの併用で極めて効率良く肺癌細胞増殖抑制を示し、ヌードマウス治療実験系においても顕著な治療効果を示した。4.肝転移がんモデルで合成レチノイドTAC-101がBax、カスパーゼ3、8及び9の発現増加を伴う強力なアポトーシス誘導作用を持つことを明らかにした。また、非ステロイド型/非アニリド型の立体障害型抗アンドロゲンによる前立腺がん化学療法における耐性克服の可能性を提示した。5.ペプチジルアルギニンデイミナーゼPAD Vは好中球の核のユークロマチン領域に局在した。PAD VのNLSはアミノ酸残基(45-74)に存在し、PADの中で唯一の核酵素である。好中球をA23187で処理すると、コアヒストンH3, H2A, H4が選択的に脱イミノ化された。6.ガングリオシドGM3合成酵素遺伝子導入による糖鎖リモデリングが浸潤型膀胱がん治療の新たなmodalityになり得ることを示した。ガングリオシドGM3及び合成酵素が2型糖尿病のインスリン抵抗性や大動脈アテローム変性などに密接に関与することが見出された。本酵素欠損ヘテロマウス作出に成功した。 平成13年〜14年度総合研究報告 研究成果の要旨 分化誘導或いはアポトーシス誘導など穏やかな制癌機構に基づく新たな癌治療法の開発を目指し、平成13-14年度に以下の研究成果を得た:1.創製に成功した新規レチノイド及び非ステロイド・非アニリド型新規抗アンドロゲン化合物が肝転移がんや前立腺がんに新規化学療法薬として有効であることを提示した。新規血管新生阻害剤群やCOX-2特異的阻害剤の創製にも成功した。2.ヒト肺癌に対するIFNαの制癌効果が分化誘導化合物DMSO又は新規白血病分化誘導物質cotylenin Aと併用することで顕著に増大することをin vitro並びにin vivo(nudeマウス)実験系で実証した。3.天然化合物カテキンやカフェインは活性酸素(ROS)産生或いはp53リン酸化を介し、骨形成因子BMP-2は細胞周期G1期停止とBcl-XL転写制御を介し、それぞれ造血系腫瘍の骨髄性白血病細胞及び骨髄腫細胞にアポトーシスを誘導し、in vivoにおいても腫瘍縮小効果を示した。4.骨髄系細胞分化において、レチノイン酸シグナル下流のZincフィンガー蛋白MZF-1の転写活性に関与するPML或いはPML複合体(POD)が、造血細胞特異的な転写因子の核内局在を制御することによって、極めて重要な役割を演じることを明らかにした。5.コアヒストン選択的脱イミノ化を触媒するペプチジルアルギニンデイミナーゼPAD Vは好中球の核ユークロマチン領域に局在する核酵素であり、骨髄性白血病細胞の好中球分化と密接に関連していることを明らかにした。6.ガングリオシドGM3合成酵素遺伝子導入による糖鎖リモデリングが大腸がん並びに浸潤型膀胱がん治療の新たなmodalityになり得ること、さらに2型糖尿病のインスリン抵抗性や大動脈アテローム変性などに密接に関与することを発見した。 平成13年度研究成果の要旨
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更新日:2004/12/01 |