13-9 長期の追跡結果に基づく乳がんに対する適正な乳房温存療法の確立に関する検討
 
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13-9 長期の追跡結果に基づく乳がんに対する適正な乳房温存療法の確立に関する検討

主任研究者 大阪府立成人病センター 稲治 英生


研究者氏名、所属および分担研究課題
研究者氏名
所属施設 地位
分担研究課題名
稲治 英生
大阪府立成人病センター 部長
術前化学内分泌療法併用による乳房温存療法の適応拡大
秋山 太
癌研究会癌研究所 主任研究員
適正な乳房温存療法のための病理学的検討
飯野 佑一
群馬大学医学部 教授
乳房温存療法の再発様式に関する検討
池田 正
慶応義塾大学医学部 講師
乳房温存療法の再発危険因子に関する研究
大住 省三
国立病院四国がんセンター 医師
乳房温存療法の長期成績の検討
田中(明石) 定子
国立がんセンター中央病院 医師
適正な乳房温存療法のための画像診断に関する研究
村上 茂
国立病院九州がんセンター 医師
放射線療法非併用の乳房温存手術に関する検討
木下 貴之*
国立病院東京医療センター 医師
乳房温存療法におけるMRI診断の有用性に関する研究
*:平成14年4月1日−平成15年3月31日


平成14年度研究報告 研究成果の要旨

1993年12月までに乳房温存療法がなされた触診腫瘍径3cm以下の乳癌を班員、班友、研究協力者の施設よりアンケート調査した。集計しえた乳癌1901例(観察期間中央値107ヶ月)の10年生存率は83.9%であり、腫瘍径3cm以下の乳癌に対する乳房温存療法の安全性が長期追跡結果からも確認された。また、10年での累積乳房内再発率は9.6%であり、断端陽性、放射線療法非併用以外に年齢(若年)が有意の独立した乳房内再発危険因子であった。また、乳房内再発は手術時のリンパ節転移陽性とともに有意の独立した遠隔再発危険因子(ハザード比3.93)であることが示された。ただし、乳房内再発が遠隔再発の単なる予知因子であるのか、一部にせよ原因となりうるのかは不明であった。乳房再発に対するサルベージ治療として再度温存手術での5年乳房内再々発率は20%と高く、再度温存手術による再々発の高危険群を特定することも困難であり、現時点での乳房内再発に対する局所治療は残存乳房切除術が妥当と考えられた。


平成13年〜14年度総合研究報告 研究成果の要旨

1993年12月までに乳房温存療法がなされた腫瘍径3cm以下の乳癌を18施設よりアンケート調査した。集計しえた乳癌1901例(観察期間中央値107ヶ月)の10年生存率は83.9%であり、腫瘍径3cm以下の乳癌に対する乳房温存療法の安全性が長期追跡結果からも確認された。また、10年での累積乳房内再発路津が9.6%であり、断端陽性、放射線療法非併用以外に年齢(若年)が有意の独立した乳房内再発危険因子であった。一方、乳房内再発は手術時のリンパ節転移陽性とともに有意の独立した遠隔再発危険因子(ハザード比3.93)であることが示された。乳房内再発に対するサルベージ治療として再度温存手術での5年乳房内再々発率は20%と高く、再度温存手術による再々発の高危険群を特定することも困難であるため現時点での乳房内再発に対する局所治療は残存乳房切除術が妥当と考えられた。なお、乳房温存療法の適応拡大を目指しての術前化学療法施行症例では広がり診断がことのほか重要な課題である。

平成13年度研究成果の要旨

本ページは、研究成果の要旨のみを掲載しております。
詳しい研究報告をご覧になりたい方は、「厚生労働省がん研究助成金による研究報告集 平成14年度」を全国の医学部・医科大学図書館に配布しておりますので、そちらをご利用下さい。



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更新日:2004/12/01