13-12 表面型大腸がんの悪性度解析及び発育進展に関する研究
 
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13-12 表面型大腸がんの悪性度解析及び発育進展に関する研究

主任研究者 国立がんセンター中央病院 下田 忠和


研究者氏名、所属および分担研究課題
研究者氏名
所属施設 地位
分担研究課題名
下田 忠和
国立がんセンター中央病院 医長
表面型大腸腫瘍の悪性度とその増殖形態の関連
名川 弘一
東京大学医学部 教授
表面型大腸腫瘍の遺伝子解析
藤井 博昭
順天堂大学医学部 講師
表面型大腸腫瘍のLHO解析及び遺伝子メチル化の解析
味岡 洋一
新潟大学医学部 助教授
表面型大腸腫瘍の悪性度解析
斉藤 裕輔
旭川医科大学 助教授
表面型初期浸潤がんの臨床的特徴
工藤 進英*1
昭和大学横浜市北部病院 教授
表面型大腸がんの発育進展
樫田 博史*2
昭和大学横浜市北部病院 助教授
表面型大腸腫がんの発育進展
堀口 潤 (班友)
栃木県立がんセンター 課長補佐
表面型大腸がんの悪性度解析及びその発育進展に関する研究
*1:平成13年4月−平成14年3月
*2:平成14年4月−平成15年3月



平成14年度研究報告 研究成果の要旨

sm 浸潤大腸癌を癌の異型度により低と高異型度に分けると、低異型度癌は粘膜内で隆起性発育し、20mm 以上になると高異型度癌が発生しsm浸潤を来す。一方、高異型度癌は表面型腫瘍の形態から10mm 後でsm 潤を開始する。高異型度癌では早期からβカテニンの核内異常集積とdysadherin の発現を認め、これらは低異型度癌とは大きく異なる。遺伝子異常は高異型度癌では17pの他4q, 17q が早期に均一なLOHを示し、6p, 14q は後期に起こる変化である。その他3p が新たに早期に起こる変化で、8p, 9p, 11q, 18qは増殖の後期に起こる変化として捉えられた。3p 域では早期にLOHとともに遺伝子の候補としてRASSF1のプロモーター領域のメチル化があり、この変化は腫瘍周囲の粘膜内でも検出され、de novo 発生の機序を知る手がかりとなる。このほか潰瘍性大腸炎では、E-cadherin, p14 遺伝子のメチル化が高頻度に認められ、通常の大腸癌とは異なって経路が示唆された。


平成13年〜14年度総合研究報告 研究成果の要旨

sm浸潤来した大腸癌を癌の異型度により低と高異型度に分けると、低異型度癌は粘膜内で隆起性発育を来たし、20mm以上になると高異型度癌が発生性sm浸潤を示す。一方、高異型度癌は表面型腫瘍の形態を示し、10mm前後でsm浸潤を開始する。また高異型度癌ではβカテニンの核内異常集積が早期から見られ、さらにdysadherinの発現を認め、これらは低異型度癌とは大きく異なる。また高異型度癌ではCD10の発現も高度で発生初期から高悪性度癌の特徴を有していると考えられた。遺伝子異常は高異型度癌では17pの他に4q, 17qが早期に均一なLOHを示し6p, 14qは後期に起こる変化である。その他3pが新たに早期に起こる変化であると判明し、8p, 9p, 11q 18qは増殖の後期に起こる変化として捉えられた。また3p領域では早期にLOHとともに遺伝子の候補としてRASSF1のプロモーター領域のメチル化があり、この変化は腫瘍周囲の粘膜内でも検出され、de dove発生の機序を知る手がかりとなる。このほか潰瘍性大腸炎ではE-cadherin, p14遺伝子のメチル化が高頻度に認められ、通常の大腸癌とは異なった経路が示唆された。

平成13年度研究成果の要旨


本ページは、研究成果の要旨のみを掲載しております。
詳しい研究報告をご覧になりたい方は、「厚生労働省がん研究助成金による研究報告集 平成14年度」を全国の医学部・医科大学図書館に配布しておりますので、そちらをご利用下さい。



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更新日:2004/12/01