13-15 食品中の発がん抑制要因に関する研究
 
がん研究助成金タイトルバー
がん研究助成金 計画研究 計画研究一覧へ戻る

13-15 食品中の発がん抑制要因に関する研究

主任研究者 金沢医科大学医学部 田中 卓二


研究者氏名、所属および分担研究課題
研究者氏名
所属施設 地位
分担研究課題名
田中 卓二
金沢医科大学医学部 教授
食品素材中の発がん抑制要因の広範囲探索とその作用機構の解析
朝元 誠人
*1 名古屋市立大学医学部 講師
*2 名古屋市立大学医学部 助教授
消化器がん発生阻止物質による遺伝子変化
原 明
岐阜大学医学部 助教授
肝がん及び乳がん発生に対する食品中の抑制要因とその作用機序に関する研究
川森 俊人
国立がんセンター研究所 室長
大腸がん発生に対する食品中の抑制要因とその作用機序に関する研究
稲田 健一
愛知がんセンター 主任研究員
胃がん発生に対する食品中の抑制因子の検索
鳥山 弘靖*3
国立がんセンター研究所 研究員
食道がん及び大腸がん発生に対する食品中の抑制因子に関する研究
飯郷 正明*4
国立がんセンター研究所 室長
食道がん及び大腸がん発生に対する食品中の抑制因子に関する研究
*1:平成13年4月1日−平成13年8月31日
*2:平成13年9月1日−平成14年3月31日
*3:平成13年4月1日−平成14年7月1日
*4:平成14年7月2日−平成14年3月31日



平成14年度研究報告 研究成果の要旨

食品中の発がん抑制要因を見出すこととその抑制機構を明らかにする目的で検討を行なった。まず、がん予防候補物質によっておこる遺伝子変化を新規開発3次元マイクロアレイシステムによるがん予防候補物質の検索法としての可能性を追究した結果、このシステムにより発がん物質と発がん予防候補物質が分類可能であり、短期間に発がん修飾作用を予測する検索法としての可能性が示唆された。さらに、大腸・肝・胃・乳腺・前立腺発がんに対する安全な抑制因子を見出すことを主眼とした動物実験を行なった結果、大腸発がんに対しては、オオアザミ種子中のsilymarinとブドウなどに豊富なproanthocyanidinの抑制作用が、カシューナッツメタノール抽出物のMinマウスにおける腸管ポリープ形成抑制作用が明らかとなった。また、イソフラボンを豊富に含む大豆胚芽熱水抽出物はPhIP誘発前立腺発がんを抑制した。柑橘類中のaurapteneは肝発がんを抑制した。梅関連物質はHelicobacter pylori 菌の形態変化を惹起し、その運動能を抑制することが判明した。


平成13年〜14年度総合研究報告 研究成果の要旨

食品中の発がん抑制要因を見出すこととその抑制機構を明らかにする目的で、まず、がん予防候補物質によっておこる遺伝子変化を新規開発3次元マイクロアレイシステムを用いて検索し、がん予防候補物質の検索法としての可能性を追究した。さらに、大腸・肝・胃・乳腺・前立腺発がんに対する安全な抑制因子を見出すことを主眼とした動物実験を行なった。その結果、3次元マイクロアレイシステムよる遺伝子発現解析で発がん物質と発がん予防候補物質が分類可能で、短期間に発がん修飾作用を予測する検索法としての可能性が示唆された。大腸発がんに対しては、Garcinia indica 乾燥果皮中のgarcinol、柑橘類中のnobiletin、オオアザミ種子中のsilymarin、カシューナッツメタノール抽出物、ブドウなどに豊富なproanthocyanidinに抑制作用が明らかとなった。また、イソフラボンを豊富に含む大豆胚芽熱水抽出物は前立腺発がんを、柑橘中のaurapteneは肝発がんを有意に抑制することが判明した。Auraptene、olive oil、oleic acidはヒトプロト型c-Ha-ras Tgラット乳腺発がんに影響しないことが明らかとなった。梅関連物質はHelicobacter pylori 菌の形態変化を惹起し、その運動能を抑制・阻害することが判明した。

平成13年度研究成果の要旨

本ページは、研究成果の要旨のみを掲載しております。
詳しい研究報告をご覧になりたい方は、「厚生労働省がん研究助成金による研究報告集 平成14年度」を全国の医学部・医科大学図書館に配布しておりますので、そちらをご利用下さい。



前の研究へ   次の研究へ

| がん研究助成金トップへ |


更新日:2004/12/01