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主任研究者 大分医科大学医学部 北野 正剛 研究者氏名、所属および分担研究課題
平成14年度研究報告 研究成果の要旨 がんに対する体腔鏡手術は、早期がんから進行がんへと適応拡大している。本年度は、参加17施設のがんに対する体腔鏡手術の経験症例(肺がん741例、食道がん294例、大腸がん2036例)を用い、その長期成績から根治性と安全性について検討した。その結果、それぞれの病期別5年生存率は、従来の開胸下および開腹下手術に比べ同等以上の良好な結果を示し、根治性は維持されていると考えられた。さらに術中偶発症や術後合併症の発生率は同等以下であり、安全性についても問題ないといえる。一方、動物を用いた基礎実験では、開腹群に比べ二酸化炭素気腹群の方が、リンパ節転移、腹膜播種、肺転移は少なかった。肝転移に関しては議論も多く、今後の課題である。早期がんに対する低侵襲治療として急速に進歩を遂げた体腔鏡手術は、進行がんへの適応拡大のため、さらなる手技の標準化とその評価、そして基礎となる内視鏡外科腫瘍学の体系化が必要である。 平成13年〜14年度総合研究報告 研究成果の要旨 がんに対する体腔鏡手術は、早期がんから進行がんへと適応拡大している。初年度は、参加18施設に肺がん・食道がん・大腸がんに対する体腔鏡手術の適応に関するアンケート調査を行い、その現状と問題点を明らかにした。2年目は、参加施設の経験症例(肺がん7414例、食道がん294例、大腸がん2036例)を集積し長期成績から根治性と安全性について検討した。その結果、それぞれの病期別5年生存率は従来の開腹下および開腹下手術に比べ同等以上の良好な結果を示し、術後偶発症や合併症の発生率には差を認めず、根治性および安全性に問題ないことが示された。一方、動物を用いた基礎研究では、二酸化炭素気腹による免疫能の傷害が少なく、その結果、リンパ節転移・腹膜播種・肺転移が開腹操作に比べ少ないことが示された。体腔鏡手術の安全な適応拡大のため、さらなる手技の確立とその基礎となる内視鏡外科腫瘍学の体系化が必要である。 平成13年度研究成果の要旨
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更新日:2004/12/01 |