12-4 画像診断に基づく消化器がん、肺がんのclinical stagingの確立とstaging別の治療法の選択に関する研究
 
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12-4 画像診断に基づく消化器がん、肺がんのclinical stagingの確立とstaging別の治療法の選択に関する研究

主任研究者 栃木県立がんセンター 石川 勉


研究者氏名、所属および分担研究課題
研究者氏名
所属施設 地位
分担研究課題名
石川 勉
栃木県立がんセンター 部長
消化器および呼吸器がんにおけるclinical stagingの確立と予後に関する研究
東 光太郎
金沢医科大学 教授
FDG PETによる肺がんのclinical stagingの確立とstaging別の治療法の選択に関する研究
関口 隆三
国立がんセンター東病院 医長
消化器がんの予後からみた画像診断に基づくclinical stagingの確立に関する研究
宮川 国久
国立がんセンター中央病院 医員
画像診断に基づく消化器がんの予後推定と画像staging別の治療法の選択に関する研究
中田 昌男
*1 国立病院四国がんセンター 医師
*2 川崎医科大学 助教授
画像診断に基づく肺がんのstagingと治療法の選択に関する研究
松枝 清
筑波大学臨床医学系 講師
画像診断技術を用いた消化器がん肺がんのclinical stagingと治療法の選択への寄与に関する研究
小河原 光正
国立療養所近畿中央病院 医長
気管支エコーによる肺がん及びその縦隔・肺門リンパ節転移などの臨床的診断と治療選択に関する研究
塩山 靖和
茨城県立中央病院 医長
マルチスライスCTのthin section画像と3次元画像を用いた肝胆膵がんの進展度診断に関する研究
*1:平成14年4月1日−平成15年5月31日
*2:平成15年6月1日−平成16年3月31日



平成15年度研究報告 研究成果の要旨

非小細胞肺癌手術症例116例(IA期57例、IB期19例、II期以上38例)を対象に、FDG PETによる肺癌術後再発の術前予測について多施設で検討した。縦隔を基準にFDG低集積度群(弱い集積あるいは同程度)とFDG高集積度群の2群に分類し、集積強度と肺癌術後再発、術後生存率との関連について検討した。低集積度群(33例)で3例に、高集積度群(83例)で28例に術後再発を認め、FDG高集積度群に術後再発の頻度が有意に高かった(P=0.009)。Coxの重回帰型生命表法にて各因子(肺癌原発巣のFDG集積強度、腫瘍サイズ、組織型、年齢、性別)と術後再発率との関係について検討した結果、FDG高集積度群はFDG低集積度群に比べて術後再発率が3.84倍高いことが判明した。食道癌101例のT因子と予後との関係を多施設で検討した結果、CT単独によるT因子よりも食道X線を加味した総合のT因子の方が予後とよく相関していることが判明した。


平成14年〜15年度総合研究報告 研究成果の要旨

食道癌101例のT因子と予後との関係を3施設で検討した結果、CT単独によるT3とT4の予後に有意差を認めなかったが、CTに食道X線所見を組み合わせたT3とT4の予後は相関していた。肺癌のFDG PETのN因子診断能はCTより優れ、FDG PETの原発巣集積強度はリンパ節転移に関与する重要な因子である。FDG PETによる非小細胞肺癌手術症例116例の術後再発の術前予測について3施設で、縦隔を基準にFDG低集積度群と高集積度群の2群に分け、集積強度と術後再発、術後生存率を検討した。結果は低集積度群(33例)3例に、高集積度群(83例)28例に術後再発を認め、FDG高集積度群に術後再発頻度が有意に高く、Coxの重回帰型生命表法にて、FDG集積強度、腫瘍径、組織型、年齢、性別の各因子と術後再発率との関係をみると、FDG高集積度群は低集積度群に比べて術後再発率が3.84倍高かった。肺CTでpure GGAは経過観察が妥当で、病変内にconsolidationを有する病変や経過中consolidationが出現した病変でGGA50%以上であれば局所切除の適応となる。

平成14年度研究成果の要旨

本ページは、研究成果の要旨のみを掲載しております。
詳しい研究報告をご覧になりたい方は、「厚生労働省がん研究助成金による研究報告集 平成15年度」を全国の医学部・医科大学図書館に配布しておりますので、そちらをご利用下さい。



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更新日:2004/12/01