12-9 in vivoでの突然変異と発がんの関連に関する研究
 
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12-9 in vivoでの突然変異と発がんの関連に関する研究

主任研究者 国立医薬品食品衛生研究所 能美 健彦


研究者氏名、所属および分担研究課題
研究者氏名
所属施設 地位
分担研究課題名
能美 健彦
国立医薬品食品衛生研究所 室長
トランスジェニックマウス・ラットを用いた変異と発がんの関連に関する研究
續 輝久
九州大学大学院医学研究院 教授
酸化的DNA損傷による突然変異の抑制機構の解析
西川 秋佳
国立医薬品食品衛生研究所 室長
酸化的DNA損傷を介する二次的発がん性に関する研究
美野輪 治
理化学研究所 上級研究員
Mmh 欠失マウスでのin vivo 突然変異と発がん性
山下 聡
国立がんセンター研究所 研究員
胃がん高感受性または抵抗性を示すラット系統におけるin vivo 突然変異頻度の解析
森村 圭一朗
大阪市立大学医学部 助手
lacI 導入ラットでのin vivo 変異と発がん性
織田 信弥 (班友)
国立病院九州がんセンター 室長
ヒト個体に生じた腫瘍で観察されるミスマッチ修復異常と遺伝子変異
山田 晃一 (班友)
国立健康・栄養研究所 室長
突然変異をもたらすバイパスDNA複製の欠損細胞の解析


平成15年度研究報告 研究成果の要旨

本研究班の目的は、DNA傷害に基づく遺伝子突然変異と発がんの関連を個体レベルで明らかにすることにある。今年度は(1)ラットに腎がんを誘発する臭素酸カリウムが、腎のDNAに8-oxoguanine(8-oxo-G)を形成し、欠失変異を含む多様な変異を誘発すること(能美、西川)、DNA中の8-oxo-Gを除去するMmh/OGG1を欠損したマウスでは、臭素酸カリウムにより肝に8-oxo-Gが蓄積し、部分肝切除により変異体頻度が上昇すること(美野輪)、8-oxo-Gと誤って対合したDNA中のアデニンを除去するMutyhを欠損したマウスではG:CからT:Aへの自然突然変異頻度が上昇することを明らかにした(續)。さらに(2)ACI, BUF, F344ラットの胃における N-methyl-N'-nitro-N-nitrosoguanidineに対する変異感受性に系統差が見られないこと(山下)。(3)2-acetylaminofluoreneによる肝の突然変異体頻度とGST-P陽性細胞巣の出現頻度は、低用量域では非投与群との間に差が認められないことを明らかにした(森村)。


平成14年〜15年度総合研究報告 研究成果の要旨

本研究班は、DNA損傷に基づく突然変異と発がんの関連を個体レベルで明らかにすることを目的とする。今期は(1)酸化ストレスを介してラット腎に発がん性を示す臭素酸カリウムが、標的臓器に塩基置換変異と欠失変異を誘発すること(能美、西川)、酸化ストレスにより生ずるDNA中の8-oxoguanine (8-oxo-G)は、マウスの腎、肝において主にMmh/Ogg1により除かれるが、除去されずに残った8-oxo-Gは肝再生に伴いG:C→T:A変異を誘発すること(美野輪)、8-oxo-Gと対合したアデニンを除去するMutyhがG:C→T:A変異の抑制に寄与していることを明らかにした(續)。さらに(2)N-methyl-N'-nitro-N-nitrosoguanidineによる胃発がんに感受性を示すACIラットと抵抗性を示すBUFラットの系統差が変異感受性以外の要因によること(山下)。(3)MeIQx、2-acetylaminofluoreneによるラット肝の突然変異誘発とGST-P陽性細胞巣の誘発には、低用量域に一定の無作用量域が存在することを示唆した(森村)。 

平成14年度研究成果の要旨

本ページは、研究成果の要旨のみを掲載しております。
詳しい研究報告をご覧になりたい方は、「厚生労働省がん研究助成金による研究報告集 平成15年度」を全国の医学部・医科大学図書館に配布しておりますので、そちらをご利用下さい。



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更新日:2004/12/01