12-10 がんの早期診断および治療法の選択に役立つ腫瘍マーカーの開発
 
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12-10 がんの早期診断および治療法の選択に役立つ腫瘍マーカーの開発

主任研究者 北里大学医学部 渡邊 昌彦


研究者氏名、所属および分担研究課題
研究者氏名
所属施設 地位
分担研究課題名
渡邊 昌彦
*1 慶應義塾大学医学部 講師
*2 北里大学医学部 教授
がんの早期診断および治療法の選択に役立つ腫瘍マーカーの開発
井上 裕
九州大学生体防御医学研究所 助教授
悪性腫瘍の包括的統合的遺伝子発現高速モニターリングシステムの確立
中森 正二
大阪大学大学院医学系研究科 講師
消化器癌の予後および治療効果判定に役立つ分子マーカーの開発
青木 大輔*3
慶應義塾大学医学部 講師
各種パラメーターによる婦人科悪性腫瘍の特性に基づく診断と治療
進 伸幸*4
慶應義塾大学医学部 講師
佐々木 一樹
国立がんセンター研究所 室長
質量分析計を用いたペプチド性腫瘍マーカーの探索
伊東 文生*3
札幌医科大学 講師
消化器がんの早期診断および治療法の選択に役立つ新しい遺伝子診断
山本 博幸*4
札幌医科大学 助手
大塩 学而*3
倉敷中央病院 外科部長
膵癌の早期診断及び予後診断のマーカーとしての trefoil factor familyの検討
川口 知哉*4
国立療養所近畿中央病院 医長
肺がんの治療の選択および治療効果の判定に役立つ腫瘍マーカーの探索
村山 寿彦*4
国立熊本病院 室長

子宮頚部腺癌におけるp16INK4aタンパク質の過剰発現と病理診断への応用

*1:平成15年4月1日−平成15年11月30日
*2:平成15年12月1日−平成16年3月31日
*3:平成14年4月1日−平成15年3月31日
*4:平成15年4月1日−平成16年3月31日


平成15年度研究報告 研究成果の要旨

本研究の成果については、SEREX法により新規のがん特異抗原を効率よく発見するために、大腸がんの新鮮手術材料をSCIDに移植しTILを用いる新しい方法を確立した。2色FISH法を子宮体がんの内膜細胞診に応用することが、細胞診の検出感度を上昇させホルモン療法後の経過観察に効果的であることを明らかにした。大腸がんでE1AFは高率に発現し、壁深達度、リンパ節転移、脈管侵襲、遠隔転移と有意に相関し、E1AFが大腸がんの予後因子となる可能性を示した。またE1AF発現がMMP-1発現と相関し、がんの浸潤能に密接に関連することを実験的に明らかにした。ラット食道多段階発がんモデルを用い、遺伝子発現の変化を検討し段階的に変化する遺伝子の抽出に成功した。大腸がんと膵がんにおいてVCP発現の有無を検討し、VCPが治癒切除後の再発予測因子なり得ることを明らかにした。腫瘍マーカーの候補となるペプチドを探索する上で、無血清培養液中ペプチドの質量分析法が妥当であることを明らかにした。


平成14年〜15年度総合研究報告 研究成果の要旨

SEREX法により新規CT antigenのKU-GB-1とBORISを同定し、がん患者血清中に各々の抗原に対する抗体を検出した。卵巣明細胞腺がんにおいてPAI-1が予後規定因子であった。大腸smがんにいてMMP-7の発現はリンパ節転移と相関し、MMP-7がEMR後追加腸管切除の指標となる可能性を示した。大腸がんでE1AFが高率に発現し、大腸がんの予後因子となる可能性を示した。胃がんにおいてユビキチンリガーゼ構成因子Skp2が胃がんに高率に発現し、Skp2遺伝子導入で増殖能、アポトーシス抵抗性、浸潤能亢進がもたらされた。PCR-arrayで同定した残肝再発予測遺伝子群10個を指標にした再発予測スコア化を実現した。大腸がんと膵がんにおいてVCPの再発予測因子なることを明らかにした。質量分析法で膵がん特異的に産生されるがん抑制遺伝子産物DMBT1蛋白C末端29個と、英国家族性痴呆症プロト型蛋白質integral membrane protein IIBのC末端20個の各々のアミノ酸配列に一致するペプチドを同定した。

平成14年度研究成果の要旨

本ページは、研究成果の要旨のみを掲載しております。
詳しい研究報告をご覧になりたい方は、「厚生労働省がん研究助成金による研究報告集 平成15年度」を全国の医学部・医科大学図書館に配布しておりますので、そちらをご利用下さい。



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更新日:2004/12/01