12-11 高悪性軟部腫瘍の診断と標準的治療に関する研究
 
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12-11 高悪性軟部腫瘍の診断と標準的治療に関する研究

主任研究者 大阪大学大学院医学系研究科 吉川 秀樹


研究者氏名、所属および分担研究課題
研究者氏名
所属施設 地位
分担研究課題名
吉川 秀樹
大阪大学大学院医学系研究科 教授
軟部肉腫における新規分子マーカーを用いた診断・治療法の開発
舘崎 愼一郎
千葉県がんセンター 部長
悪性線維性組織球腫における遠隔転移出現のリスクファクターの検討
川井 章
国立がんセンター中央病院 医員
悪性軟部腫瘍における細胞増殖因子受容体の発現とその臨床病理学的意義
尾崎 敏文
岡山大学医学部 講師
軟部肉腫における染色体不安定性の解析およびSYT-SSX発現滑膜肉腫細胞株に対するヒストン脱アセチル化阻害剤(FK228)の腫瘍増殖抑制効果の検討
松本 誠一
財団法人癌研究会附属病院 副部長
浸潤性軟部悪性線維性組織球腫の画像所見および高分化型脂肪肉腫の遺伝子発現プロファイル
和田 卓郎
札幌医科大学 助教授
滑膜肉腫に対する癌ワクチン療法の開発
平賀 博明*1
国立札幌病院 医師
キメラ転写産物の同定を用いた軟部肉腫の遺伝子診断の確立
藤田 郁夫
*2 兵庫県立成人病センター 医長
*3 高槻病院
高齢者の軟部肉腫に対する抗癌剤至適投与量に関する研究
横山 良平*4
国立病院九州がんセンター 医長
高悪性度軟部肉腫に対するイホマイド、シクロフォスファミド、アドリアマイシン、ビンクリスチンを用いた化学療法
*1:平成14年4月1日−平成15年3月31日
*2:平成15年4月1日−平成16年1月31日

*3:平成16年2月1日−平成16年3月31日
*4:平成15年4月1日−平成16年3月31日



平成15年度研究報告 研究成果の要旨

今年度の本研究の成果として、1)WT1遺伝子、SSX遺伝子およびその産物が軟部肉腫における診断・治療に有用な分子マーカーとなりうることを明らかにしたこと、2)脂肪系腫瘍の良悪性鑑別にcDNAマイクロアレイ法の有用性を示したこと、3)細胞増殖因子受容体の一つであるEGFRや、ヒストン脱アセチル化(HDAC)をターゲットとした軟部肉腫に対する新規分子標的治療の可能性を示したこと、4)滑膜肉腫に特異的なSYT-SSX融合遺伝子産物を標的とした腫瘍特異的免疫(癌ワクチン)療法の第1相臨床試験を開始したこと、5)高悪性度軟部肉腫における標準的化学療法レジメンとして、IFO, ADR, CPM, VCRの4剤の組み合わせが有効である可能性を示したこと、6)高齢者の軟部肉腫に対する補助化学療法の適応と至適投与量の指針を示したこと、7)外科治療に関して、悪性線維性組織球腫(MFH)における局所再発・浸潤および遠隔転移のリスクファクターや術前画像所見を検討することにより、MFH手術の際の安全な外科的切除縁の設定、肺転移例に対する治療のための指針を示したこと、があげられる。


平成14年〜15年度総合研究報告 研究成果の要旨

本研究の成果として、1)WT1遺伝子およびその産物、IL-6/IL-6受容体、SYT-SSXなどの各種融合遺伝子およびその産物、癌精巣遺伝子としてのSSX遺伝子、細胞増殖因子受容体の一つであるEGFR等が軟部肉腫における診断・治療に有用な分子マーカーとして応用しうることを明らかにしたこと、2)高悪性軟部肉腫における標準的化学療法レジメンとして、IFO, ADR, CPM, VCRの4剤の組み合わせが有効である可能性を示したこと、3)高齢者の軟部肉腫に対する補助化学療法の適応と至適投与量の指針を示したこと、4)滑膜肉腫に特異的なSYT-SSX融合遺伝子産物を標的とした腫瘍特異的免疫(癌ワクチン)療法開発のための基礎実験データを蓄積し、第1相臨床試験の開始へと進めたこと、5)外科治療に関して、悪性線維性組織球腫(MFH)における局所再発、浸潤および遠隔転移のリスクファクターや術前画像所見を検討することにより、MFH手術の際の安全な外科的切除縁の設定、肺転移例に対する治療のための指針を示したこと、などがあげられる。

平成14年度研究成果の要旨

本ページは、研究成果の要旨のみを掲載しております。
詳しい研究報告をご覧になりたい方は、「厚生労働省がん研究助成金による研究報告集 平成15年度」を全国の医学部・医科大学図書館に配布しておりますので、そちらをご利用下さい。



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更新日:2004/12/01