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主任研究者 大分大学医学部 藤岡 利生
研究者氏名、所属および分担研究課題
平成15年度研究報告 研究成果の要旨 日本型(東アジア型)H. pylori 株のCagAは欧米型株のCagAと比べて萎縮性胃炎の程度が強く、わが国を含む東アジアに胃癌が多発する原因と考えられた。胃生検材料を用いた検討ではH. pylori 感染後期の進展した萎縮性胃粘膜では増殖とアポトーシスのバランスが崩れ、Smad5を介したアポトーシスの低下による癌の発生が示唆された。除菌治療後最長7年におよぶ長期経過では、胃粘膜上皮細胞のHGF、Ki-67, p53,MDM2などの発癌関連の細胞周期関連遺伝子発現が減少した。胃生検材料からRNAを抽出し、GEArray assay(Cancer PathwayFinder Gene Array:96種類の遺伝子)を用いて遺伝子発現を検討し、除菌によって9種類のCancer Pathway Geneの減少が確認された。除菌後の長期経過観察で胃腺腫が消失する可能性が示唆された。アジュバントを要しない樹状細胞や精製ウレアーゼ結合nanosphereを用いたワクチン開発や除菌治療で小児期のH. pylori 感染の予防により胃発癌予防法の確立する必要がある。 平成14年〜15年度総合研究報告 研究成果の要旨 H. pylori 感染胃粘膜では、IV型分泌機構を用いて菌から宿主細胞へのCagAの注入、宿主細胞内でのCagAチロシンリン酸化が起こり、SHP-2と複合体を形成し、持続的な胃炎を惹起して胃炎から胃癌への発症に関与する。日本型(東アジア型)株のCagAは欧米型株のCagAと比べて萎縮性胃炎の程度が強く、わが国を含む東アジアに胃癌が多発する原因と考えられた。生検材料の検討では萎縮性胃粘膜のアポトーシスの低下にSmad5の関与が示唆された。除菌治療による最長7年間の介入試験では、胃粘膜上皮細胞のHGF、Ki-67, p53、MDM2などの発癌に関連する細胞周期関連遺伝子発現が減少した。胃生検粘膜から抽出したRNAをGEArray assay(Cancer PathwayFinder Gene Array:96種類の遺伝子)を用いて解析し、除菌によって9種類の遺伝子の変化が確認された。除菌後の長期経過観察で胃腺腫が消失することが示唆された。今後、樹状細胞やウレアーゼ結合nanosphere用いたアジュバントの不要な安全性の高いワクチンの開発が必要である。 平成14年度研究成果の要旨
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更新日:2004/12/01 |