14-7 共通プロトコールに基づいた膵がん外科的療法の評価に関する研究
 
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14-7 共通プロトコールに基づいた膵がん外科的療法の評価に関する研究

主任研究者 名古屋大学大学院医学系研究科 梛野 正人


研究者氏名、所属および分担研究課題
研究者氏名
所属施設 地位
分担研究課題名
梛野 正人
*1 名古屋大学医学部附属病院 講師
*2 名古屋大学大学院医学系研究科 助教授
局所進行膵癌切除の臨床的意義に関するプロスペクティブ・スタディ
加藤 紘之
北海道大学大学院医学系研究科 教授
局所進行膵癌の積極的切除の安全性に関する研究
高田 忠敬
帝京大学医学部 教授
拡大郭清術式と標準郭清術式の安全性に関するプロスペクティブ・スタディ
小西 大*3
国立がんセンター東病院 医長
切除不能進行膵癌に対する治療法の開発
中郡 聡夫*4
国立がんセンター東病院 医長
切除不能進行膵癌に対する治療法の開発
宮川 秀一
藤田保健衛生大学医学部 教授
標準郭清範囲設定に関するプロスペクティブ・スタディ
高尾 尊身
*1 鹿児島大学医学部 助教授
*2 鹿児島大学生命科学資源開発研究センター 教授
膵癌外科的療法の分子生物学的評価
武田 裕*3
国立大阪病院 医長
共通プロトコールに基づいた膵癌の外科的療法の予後評価と補助療法に関する研究
安井 健三
愛知県がんセンター 副部長
小膵癌の治療成績
*1:平成14年4月1日−平成15年8月31日
*2:平成15年9月1日−平成16年3月31日
*3:平成14年4月1日−平成15年3月31日
*4:平成15年4月1日−平成16年3月31日



平成15年度研究報告 研究成果の要旨

膵頭部浸潤性膵管癌に対する拡大手術の意義を客観的に評価するために、多施設共通プロトコール案を決定した。その概要は1)対象は膵頭部の浸潤性膵管癌、2)膵頭部に付着したリンパ節のみを郭清する"標準術式"とリンパ節・神経叢の広範囲郭清を行う"拡大手術"の二群を設定しrandomized control studyを行うというものである。プロトコールに従って2000年3月から登録を開始し2003年5月31日までに112例の症例を集積し解析した。組織学的検討にて7例が慢性膵炎、4例が胆管癌と診断されたので101例(拡大手術群50例、標準手術群51例)を解析対象とした。拡大手術は標準手術に比べ手術時間が長く出血量も多いがmorbidity・mortalityでは遜色なく安全に施行可能であった。しかし、1年および3年生存率は拡大手術群で53.8%、15.1%、標準手術群で76.5%、29.3%と、有意差は無いものの拡大手術群の方が若干不良であった。また、術後のQOLも拡大手術群が有意に不良であった。以上の結果より、膵頭部浸潤性膵管癌に対する手術術式として拡大手術が標準手術に勝っているというevidenceは無いとの結論が得られた。


平成14年〜15年度総合研究報告 研究成果の要旨

膵頭部浸潤性膵管癌に対する拡大手術の意義を客観的に評価するために、多施設共通プロトコール案を決定した。その概要は1)対象は膵頭部の浸潤性膵管癌、2)膵頭部に付着したリンパ節のみを郭清する"標準術式"とリンパ節・神経叢の広範囲郭清を行う"拡大手術"の二群を設定しrandomized control studyを行うというものである。プロトコールに従って2000年3月から登録を開始し2003年5月31日までに112例の症例を集積し解析した。組織学的検討にて7例が慢性膵炎、4例が胆管癌と診断されたので101例(拡大手術群50例、標準手術群51例)を解析対象とした。拡大手術は標準手術に比べ手術時間が長く出血量も多いがmorbidity・mortalityでは遜色なく安全に施行可能であった。しかし、1年および3年生存率は拡大手術群で53.8%、15.1%、標準手術群で76.5%、29.3%と、有意差は無いものの拡大手術群の方が若干不良であった。また、術後のQOLも拡大手術群が有意に不良であった。本研究の結果から、膵頭部浸潤性膵管癌に対する手術術式として拡大手術が標準手術に勝っているというevidenceは無いとの結論が得られた。

平成14年度研究成果の要旨

本ページは、研究成果の要旨のみを掲載しております。
詳しい研究報告をご覧になりたい方は、「厚生労働省がん研究助成金による研究報告集 平成15年度」を全国の医学部・医科大学図書館に配布しておりますので、そちらをご利用下さい。



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更新日:2004/12/01