14-10 食道がん、胃がんの悪性度の分子情報の把握とそれを応用した生検診断法の確立
 
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14-10 食道がん、胃がんの悪性度の分子情報の把握とそれを応用した生検診断法の確立

主任研究者 神戸大学大学院医学系研究科 横崎 宏


研究者氏名、所属および分担研究課題
研究者氏名
所属施設 地位
分担研究課題名
横崎 宏
神戸大学大学院医学系研究科 教授
食道がん、胃がんの生検悪性度診断に関する分子病理学的研究の総括
長谷部 孝裕*1
国立がんセンター研究所支所 室長
食道がんの悪性度に関する分子病理学的解析と診断法の確立
遠藤 泰志*2
国立がんセンター 医長
胃および食道がんの悪性形質獲得に関する分子病理学的解析
森 正樹
九州大学生体防御医学研究所 教授
食道がんの悪性度を規定する分子情報の解析
今井 浩三
札幌医科大学医学部 教授
胃がんの浸潤・転移機構の分子病理学的解析と悪性度診断への応用
井藤 久雄
鳥取大学医学部 教授
胃がんの悪性度を規定する分子情報の解析
中山 宏文
広島大学大学院医歯薬学総合研究科 助教授
胃がんの悪性度に関する分子病理学的解析と診断法の確立
藤本 淳也
国立病院呉医療センター・中国がんセンター 医師
テロメア結合蛋白tankyrase binding proteinの胃がんにおける発現について
*1:平成14年4月1日−平成15年3月31日
*2:平成15年4月1日−平成16年3月31日



平成15年度研究報告 研究成果の要旨

食道がん、胃がんの網羅的遺伝子発現解析より得られた分子情報をもとに、新規転移関連フォスファターゼPRL-3は胃がんの浸潤・転移に重要な役割を演じ、IGF-IRの過剰発現は食道smがんの進展に関与することを明らかにし、それらの発現検索は生検材料からの悪性度診断や治療の重要な分子標的となる可能性が示された。一方、SAGE法を用いた胃がん組織に対する網羅的遺伝子発現解析からは、新たな胃がんの悪性度規定遺伝子群が見出され、それら169遺伝子と既知の癌関連遺伝子、薬剤感受性遺伝子を含む395遺伝子を搭載した生検診断用カスタムアレイを開発した。これらの結果を臨床応用するため、生検検体からのアレイ解析の適応性ならびに妥当性を検討し、生検検体2個からアレイ解析は可能で、腫瘍表層部と先進部の発現プロファイルは概ね一致することを明らかにした。なお、胃がんの内でも悪性度の高い肝様腺がんのアレイ解析からMAGE 遺伝子3、6、2が特異的に高発現していることが見出され、また、胃がんのプロテオーム解析からはがん組織で有意に発現亢進している11蛋白ならびに発現低下している9蛋白を同定した。


平成14年〜15年度総合研究報告 研究成果の要旨

食道がん、胃がんの網羅的遺伝子発現解析より得られた分子情報をもとに、新規転移関連フォスファターゼPRL-3は胃がんの浸潤・転移に重要な役割を演じ、IGF-IRの過剰発現は食道smがんの進展に関与することを明らかにし、生検材料からの悪性度診断への応用の可能性を示した。一方、SAGE法による胃がん組織の網羅的遺伝子発現解析から、胃がんの新規悪性度規定遺伝子群が抽出され、それら169遺伝子と既知の癌関連遺伝子を含む395遺伝子を搭載した生検診断用カスタムアレイを開発した。これらの結果を臨床応用するため、生検検体からのアレイ解析の適応性ならびに妥当性を検討し、生検検体2個からアレイ解析は可能で、腫瘍表層部と先進部の発現プロファイルは概ね一致することを明らかにした。また、胃がんのプロテオーム解析からはがん組織で有意に発現亢進している11蛋白ならびに発現低下している9蛋白を同定した。さらに、食道がん放射線化学療法感受性の予知に腫瘍組織内血管密度の測定が有用なこと、食道Barrett粘膜のピット・パターンによる悪性化予知、胃肝様腺がんにおけるMAGE 遺伝子3, 6, 12の特異的高発現を明らかにした。

平成14年度研究成果の要旨

本ページは、研究成果の要旨のみを掲載しております。
詳しい研究報告をご覧になりたい方は、「厚生労働省がん研究助成金による研究報告集 平成15年度」を全国の医学部・医科大学図書館に配布しておりますので、そちらをご利用下さい。



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更新日:2004/12/01