14-19 がんの骨転移に対する予後予測方法の確立と集学的治療法の開発
 
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14-19 がんの骨転移に対する予後予測方法の確立と集学的治療法の開発

主任研究者 大阪府立成人病センター 荒木 信人


研究者氏名、所属および分担研究課題
研究者氏名
所属施設 地位
分担研究課題名
荒木 信人
大阪府立成人病センター 部長
骨転移の標準的診療指針の確立
中馬 広一
国立がんセンター中央病院 医長
骨転移に対する集学的治療法の開発
守田 哲郎
県立がんセンター新潟病院 部長
転移性脊椎腫瘍の標準的治療指針の確立
矢澤 康男
栃木県立がんセンター 副主幹兼医長
各原発巣ごとの骨転移発生率、診断、治療の実状把握
片桐 浩久
静岡がんセンター 医長
骨転移発生例における生命予後因子の解明
名井 陽
大阪大学医学部 助手
骨転移機序、骨代謝制御による骨転移治療法の開発
宮城 洋平*1
神奈川県立がんセンター 技官
前立腺癌骨転移におけるprstase/KLK4の役割と、転移モデルの開発
杉浦 英志*2
愛知がんセンター 部長
転移性骨腫瘍に対する放射線照射療法の効果判定
*1:平成14年4月1日−平成15年3月31日
*2:平成15年4月1日−平成16年3月31日


 
平成15年度研究報告 研究成果の要旨
 
転移性骨腫瘍の治療指針の確立は急務であり、本研究では、現状の把握、現時点の妥当な治療指針の策定と今後の方向性の明確化、そして骨転移治療ハンドブックによる指針の普及をめざした。
現状把握は、日本整形外科学会臨床研修施設2325施設への郵送アンケート調査を基に考察した。2002年の全国の骨転移の手術件数は約5000件弱と類推されること、麻痺や病的骨折に対する手術が多く予防が出来ていない状況であること、手術適応、予後判定、原発科との連携が今後解決すべき問題点であること、対応すべき専門施設として放射線治療設備を有する病院が率先して積極的に対応するべきであることなどが判明した。現時点での妥当な治療指針としては、特に初診時原発不明骨転移患者が3割を超える現状、麻痺や骨折に対する緊急の対応が多い現状を鑑みて、その状況別の層別化を行い、治療法選択図として掲載した。そして、最も重要な今後の方向性としての原発癌ごとの対応と各科連携を具体的に推進するため、最低限必要な原発癌治療法の知識を組み込んだ骨転移治療ハンドブックを編纂中である。


平成14年〜15年度総合研究報告 研究成果の要旨

がんの骨転移は忌避された領域で、治療指針の確立は急務であるが基礎となるデータ自体が不足している。2年間の本研究で、(1)臨床上問題となる骨転移患者の年間発症数は約5万人〜10万人と類推される (2)患者数は肺癌、乳癌で半数を占め、腎、消化器、肝、前立腺、甲状腺等と続くが、骨転移発生率では、腎、前立腺、乳、肺癌の順になり、この原発巣に関して骨転移に注意した経過観察が必要である (3)prospectiveな症例350例の予後予測因子として、原発巣、内臓転移、Performance status、骨転移数、受診までの化学療法等の有無、が有意である (4)単発性骨転移症例は5年生存率が50%を超え、積極的治療が望ましいこと、逆に骨髄癌症は手術不適応である (5)日本整形外科学会臨床研修施設2325施設への郵送アンケート調査で2002年の全国の骨転移の手術件数は約5000件弱と類推されること、麻痺や病的骨折に対する手術が多く予防的手術が出来ていない状況であること、手術適応、予後判定、原発科との連携が今後解決すべき問題点であること、対応すべき専門施設として放射線治療設備を有する病院が重要であること等が判明した。

平成14年度研究成果の要旨

本ページは、研究成果の要旨のみを掲載しております。
詳しい研究報告をご覧になりたい方は、「厚生労働省がん研究助成金による研究報告集 平成15年度」を全国の医学部・医科大学図書館に配布しておりますので、そちらをご利用下さい。



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更新日:2004/12/01