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国立がん研究センター

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式辞

式辞を読む理事長 嘉山 孝正

本日ここに、天皇皇后両陛下のご臨席のもと、国立がん研究センター創立50周年記念式典を開催できますことは、私ども役職員一同に取りまして、誠に光栄なことであります。

国立がん研究センターは、昭和37年1月1日に厚生省の付属機関として、築地の旧海軍病院跡地に開設されました。当時は、「がん」による死亡が増加傾向にあり、設立は国民から待望されたものでした。設立当初のがんセンターの雰囲気は、大変熱気に包まれたものでした。学閥、人閥に関係なく全国から多くの俊秀が集まり、日夜新たな診断治療法の開発に没頭し、熱い議論の中から多くの発見、技術開拓がなされ、全国の医療現場へと普及していきました。その後がんは昭和56(1981)年からわが国の死亡原因の第1位の座を占めるようになりました。政府は、昭和59年度(1984)に「対がん10か年総合戦略」を策定し、その後2回に亘る、「がん克服新10か年戦略」、「第3次対がん10か年総合戦略」へと引き継がれ、当センターは、全国の大学や研究機関との連携の下に数多くの研究成果を上げてきました。一方、平成13(2001)年には千葉県柏市に当センター東病院が設置され、陽子線治療や緩和ケアにおける先駆的な取組も開始いたしました。

平成18(2006)年6月には、多くの先人の御努力で、がん対策の一層の推進を図るため「がん対策基本法」が制定され、翌年6月には同法に基づきがん対策の基本的方向を定めた「がん対策推進基本計画」が閣議決定されました。結果として、当センターは「わが国のがん対策の中核的機関」として、わが国全体のがん医療の向上を推進していく役割が明記されました。

平成22(2010)年4月、当センターは独立行政法人に移行し、その使命としてAll Japanのとりまとめの義務と権利を国から委託されました。現在は国民の2人に1人が「がん」に罹患します。国民の健康を守るため、私達は「世界最高の医療と研究を行う」「患者目線での政策立案を行う」を掲げるとともに、センターで働くすべての職員の活動の指針として「All Activities for Cancer Patients 職員の全ての活動はがん患者のために」を標語として示しました。第2の創生です。この標語の下に、具体的な国民への医療貢献を始めました。研究面ではバイオバンクを活用した研究の推進、産学連携ラボを組み込んだ新研究棟の創設や、日本発の創薬、すなわち創薬のもととなるフェーズ1センターを拠点とした国際共同治験の推進や、世界初の病院設置型ホウ素中性子捕捉治療施設を含む世界最先進のがん医療の開拓を進めています。

私ども役職員一同、創立50周年を大きな節目として、更なる責任の重さを自覚し、がんに苦しむ患者さんを始め国民の皆様の期待と信頼に応えられるよう、「わが国のがん対策の中核的機関」としての使命を果たすこと、また、独立行政法人改革のモデルとなるよう、更なる努力を続けていくことを誓います。

平成24年1月24日

独立行政法人国立がん研究センター
理事長 嘉山 孝正

注:このページは、平成24年1月に作成されたものであり、所属名称や役職については平成24年1月24日現在のものとなります。

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