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国立がん研究センター

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―相互作用のメカニズム解明・個別化医療・創薬に貢献―

国際バイオバンク横断解析でゲノムと環境の相互作用を解明
―相互作用のメカニズム解明・個別化医療・創薬に貢献―

2026年1月29日

東京大学
大阪大学
理化学研究所
愛知県がんセンター
国立がん研究センター

発表のポイント

  • 合計980,004例の国際バイオバンク横断解析により、ゲノムがヒトの個人差に与える影響(遺伝的効果)が、加齢や性別、生活習慣といった環境因子によってどのように変化するか(遺伝子-環境交互作用; G×E)を網羅的に調査。
  • 様々なヒト表現型・環境因子に対して合計94個のG×E効果を同定し、多様な集団で再現性を検証。ヒトにおいてG×E効果が普遍的に存在することを示した。
  • G×E効果の考慮が、疾患メカニズムの理解やゲノム個別化医療・創薬につながることを実証。
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大規模解析によりG×E効果の全体像を解明
ワイン、食事、運動、性別の:https://phosphoricons.com/; MIT license

概要

東京大学大学院医学系研究科遺伝情報学の難波真一助教、岡田随象教授(兼:大阪大学ワクチン開発拠点先端モダリティ・DDS 研究センター教授、大阪大学大学院医学系研究科遺伝統計学 教授(研究当時)、理化学研究所生命医科学研究センター チームディレクター)、東京大学医科学研究所 附属ヒトゲノム解析センター シークエンス技術開発分野の松田浩一特任教授(兼:同大学大学院新領域創成科学研究科 メディカル情報生命専攻クリニカルシークエンス分野 教授)、愛知県がんセンター研究所がん予防研究分野の小柳友理子主任研究員、松尾恵太郎分野長、国立がん研究センターがん対策研究所の山地太樹室長、岩崎基部長、澤田典絵部長らによる研究グループは、日本人集団および440,210人を用いて、ゲノム全体に存在する数百万箇所の遺伝子多型(注1)に対して遺伝子-環境交互作用(G×E)を網羅的に調べました。その結果、ヒト疾患形質(注2)の個人差に関連する94個のG×E効果を同定し、多様な集団からなる539,794人を用いてG×E効果の再現性および集団間での共通性を評価しました。
個々のG×E効果を調べることで、従来のゲノムワイド関連解析(GWAS、注3)では見逃されてきた遺伝的効果が明らかになりました。また、疾患による食生活の変化がG×E効果をもたらすという予期しない例がみられ、G×E効果は注意深く解釈する必要があることがわかりました。ゲノム全体のG×E効果はヒト疾患形質の個人差の一部を形作っており、G×Eを考慮することでヒト疾患形質の予測精度が改善しました。さらに、G×E効果は遺伝的効果の変動に潜む生物学的メカニズムを捉えていました。最後に、代謝物(メタボローム、注4)に対するG×E解析を実施し、脂質代謝において遺伝的効果の正負が男女で異なる例を複数同定しました。
本成果は、ゲノムと環境の相互作用がヒトの個人差の形成に関わることを示すものであり、疾患の分子メカニズム理解やゲノム個別化医療(注5)・創薬につながると期待されます。
本研究は2026年1月28日午前11時(米国東部標準時)に国際科学誌Natureに掲載されました。

発表内容

研究の背景

GWASをはじめとして、ヒトゲノム研究はヒト疾患形質の病態解明に大きく貢献してきました。しかし、これらの研究は遺伝的効果を不変の値として扱うことで、生物の持つ本質的な複雑性を単純化して捉えていました。実際には、ヒトの表現型は性別・加齢・生活習慣といった環境因子によって大きく変動します。この変動は、ゲノム研究においては「環境因子による遺伝的効果の変動(G×E効果)」として捉えられます。G×E効果は環境因子特有の遺伝的効果の同定や、ゲノム・環境因子の両方に基づいた精緻な疾患リスク予測に貢献すると期待されています。しかし、これまでヒトにおいて確立されたG×E効果はごく少数でした。G×E効果を大規模に調べた研究は一部の形質や環境因子、一部のゲノム領域に限られており、主に欧米人集団において実施されていたためです。そのため、様々な疾患形質・環境因子・集団におけるG×E効果の全体像は未解明でした。

研究の内容

今回、研究グループは日本の代表的な疾患バイオバンク(注6)であるバイオバンク・ジャパン(166,757人)および英国UKバイオバンク(273,453人)を用いた大規模ゲノムワイドG×E解析を実施しました。網羅的にG×E効果を同定するため、10個のカテゴリーからなる47の疾患形質および、性別・加齢・飲酒・喫煙・食習慣・運動習慣に関わる12の環境因子の全組み合わせを対象としました。その結果、バイオバンク・ジャパンでは36個(15遺伝子座位)、UKバイオバンクでは64個(45遺伝子座位)のG×E効果を同定しました(図1)。

icc_20260129_2.png図1:G×E効果の網羅的同定

(a):G×E効果の概要。ワイン、食事、運動のアイコンの出典:https://phosphoricons.com/ (MIT license)。(b):研究デザインの概要。(c–f):UKバイオバンク(c, d)およびバイオバンク・ジャパン(e, f)においてゲノムワイド有意水準を満たしたG×E効果。各点はG×E効果の染色体上での位置(角度軸)と形質(動径軸)を示す。点の大きさは同一集団での検証群におけるP値を表し、青色と黒色の線はそれぞれG×E効果が集団間・複数形質間で共通していることを表す。

両バイオバンクの検証群(バイオバンク・ジャパン 65,373人、UKバイオバンク 38,149人)を用いて再現性を検証したところ、それぞれ19個、6個のG×E効果が有意に再現されました。これまでの研究では、G×E効果の再現性の低さが課題となっていましたが、本研究ではGWASと同程度に高い再現性が得られたことから、信頼性の高いG×E効果のカタログを構築することに成功しました。
UKバイオバンクでは一つの遺伝子座位が複数の形質に影響する例(多面発現効果、pleiotropy)が13箇所みられましたが、そのほとんど(12箇所)は特定の形質カテゴリーに限定してG×E効果を示していたことから、G×E効果は形質カテゴリーごとに異なり、様々な形質を調べることがG×E効果の検出に重要であることがわかりました。
一方で、バイオバンク・ジャパンではALDH2遺伝子座位が21の様々な疾患形質に対するG×E効果を示していました。ALDH2はアルコール代謝に関わる遺伝子で、この遺伝子座位にはrs671という強い遺伝的を遺伝子多型が知られています。rs671の遺伝子型がG/Gの人はアルコール代謝能が高い(=お酒に強い)一方で、G/AやA/Aの人はアルコール代謝能が低い(=お酒に弱い)という、顕性遺伝(注7)効果を示します(図2)。G/AやA/Aの人は東アジア人集団、特に日本人集団で多いことが知られており、食道がんや心血管疾患をはじめとした様々な疾患リスクに関わっていることがわかっています。ALDH2遺伝子座位でG×E効果を示した形質のほとんどは飲酒者で顕性遺伝様式の遺伝的効果を示しており、rs671の作用機序と整合していました。一方で、4つの血球形質(赤血球数、ヘモグロビン、ヘマトクリット、白血球数)については、非飲酒者で相加的遺伝(注8)様式の遺伝的効果を示していました。これらの遺伝的効果はrs671では説明することができないため、ALDH2遺伝子座位にはrs671以外にも原因遺伝子多型や原因遺伝子が隠れている可能性があります。この例は、G×E効果を詳しく調べることで、GWASでは見逃されていた遺伝的効果を捉えられることを示しています。

icc_20260129_3.png図2:G×E効果はALDH2遺伝子座位に隠れた未知の遺伝的効果を示唆する
(左):rs671の遺伝子型によるアルコール代謝能の差異。ワインのアイコンの出典:https://phosphoricons.com/ (MIT license)。肝臓のイラストの出典:TogoTV (2016 DBCLS TogoTV, CC-BY-4.0)。(右):飲酒者・非飲酒者で層別化したrs671の遺伝的効果。代表例として、肝機能マーカーであるASTおよびヘモグロビン(Hb)に対する効果を示す。
また、PITX2遺伝子座位において、不整脈に対して納豆摂取頻度のG×E効果が観察されました(図3)。このG×E効果は、納豆の摂取が不整脈の罹患に影響することを示すものなのか、研究グループはメカニズムを詳細に検討し、ワーファリンという抗凝固薬に注目しました。不整脈の中でも心房細動や心房粗動の患者さんは心臓内に血栓ができるのを防ぐために抗凝固薬を内服することがあります。納豆に含まれるビタミンKはワーファリンの抗凝固効果を弱めてしまうことが知られており、ワーファリンを内服する患者さんは納豆を食べないことが推奨されています。実際に、バイオバンク・ジャパンの心房細動・心房粗動の患者さんでは、ワーファリンの内服開始後に納豆摂取頻度が下がっていたことが確認されました。また、PITX2遺伝子座位の遺伝的効果は心房細動・粗動とそれ以外の不整脈で大きく異なっていました。この二つの現象を組み合わせることで、不整脈(特に心房細動・粗動)に罹患したためにワーファリンを内服して納豆摂取を控えたことが、結果としてG×E効果として検出されていたというメカニズムが明らかになりました。このメカニズムは、疾患罹患による環境因子の変化という「逆因果」メカニズムと言うべきものであり、G×E効果を正しく解釈するためには専門家の注意深い評価が必要であることを示しています。

icc_220260129_4.png図3:G×E効果を説明する「逆因果」メカニズム

(左上):PITX2遺伝子座位において観察された、不整脈に対する納豆のG×E効果。数字は不整脈患者の割合(%)を表す。(右上):抗凝固薬の作用機序および、ワーファリン内服患者に推奨される納豆摂取制限。心臓のイラストの出典:TogoTV (2016 DBCLS TogoTV, CC-BY-4.0)。(左下):ワーファリンを内服する心房細動・心房粗動患者のうち、ワーファリン内服前後での納豆摂取頻度情報が利用可能であった157人についての、納豆摂取頻度の変化。(右下):納豆のG×E効果を説明する「逆因果」メカニズムの概要。

次に、研究グループはG×E効果が集団間でどれだけ共有されているかを調べました。バイオバンク・ジャパンとUKバイオバンクの間では、約41%のG×E効果が共有されていると推定され、特に6つのG×E効果は両バイオバンクで共通してゲノムワイド有意水準を満たしていました。さらに、日本・アメリカ・イスラエルのバイオバンクやコホート(注9)を用いることで、様々な集団で共有されているG×E効果をリスト化しました。特に日本からは、日本多施設共同コーホート研究(J-MICC)/愛知県がんセンター病院疫学研究(HERPACC)および多目的コホート研究(JPHC)が参加し、G×E効果の検証に大きく貢献しました。
また、G×E効果がゲノム全体としてどれだけの効果を合計で有しているか(形質の個人差のうち遺伝的に説明可能な割合;遺伝率)を調べたところ、UKバイオバンクでは7形質、バイオバンク・ジャパンでは11形質に対して有意に遺伝率が検出されました(図4)。特に、身長・BMI・HDLコレステロール・拡張期血圧の4形質は両バイオバンクで共通しており、疾患形質全体でみても、G×E効果の持つ遺伝率は有意に相関していました。以上のことから、G×E効果は集団間である程度共通していると考えられます。

icc_20260129_5.png図4:G×E効果による遺伝率が有意に観察された疾患形質

近年、ゲノムの個人差に基づいて個々人の疾患リスクを予測し、最適な医療を提供することで疾患の予防や早期発見を行う「ゲノム個別化医療」が盛んに研究されています。とりわけ、GWASの結果に基づいて、個人ゲノム上の遺伝子多型が持つ遺伝的効果をゲノム全体で合計したポリジェニック・スコア(polygenic score; PGS; ポリジェニック・リスク・スコアとも)を用いることで、疾患リスクやその他の形質の値を個人ゲノムから予測することができます。しかし、環境因子の違いによってPGSの予測精度が低下してしまう例が報告されており、人によって予測精度に格差が生じることが懸念されています。
今回、幅広い疾患形質および環境因子に対して、環境因子の値が異なる集団から構築したPGSの予測精度を評価することで、大規模な検証を行いました(図5)。その結果、老年層から構築したPGSならば老年層で予測精度が高い、といったように、環境因子の値が似た集団同士の方が予測精度が高い傾向が普遍的にみられました。さらに、GWASから構築した通常のPGSに加えて、G×E効果からもPGSを構築したところ、BMIに対する予測精度が16%向上しました。G×E効果を考慮することで、ゲノム個別化医療の精緻化につながることが期待されます。

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図5:G×E効果によるゲノム個別化医療の精緻化

(左):探索群と検証群を環境因子によってそれぞれ二群に層別化した上で評価したPGS予測精度。ワインのアイコンの出典:https://phosphoricons.com/ (MIT license)。(右):GWASとG×E効果からそれぞれPGSを構築し、日本人集団独立コホート(J-MICC/HERPACC)において評価したPGS予測精度。BMIに対する性差のG×E効果についての結果を示す。

G×E効果には生物学的なメカニズムの変化も捉えられていました。脈圧(収縮期血圧と拡張期血圧の差)に対する加齢の影響を調べるため、若年層と老年層に分けてGWASを実施したところ、若年層の遺伝的効果は血管平滑筋収縮に関わるパスウェイ(注10)に強く表れていた一方で、老年層の遺伝的効果は細胞老化に関わるパスウェイに強く表れていました(図6)。次に、サル大動脈の一細胞RNAシークエンスデータ(注11)に対して、年齢層ごとの遺伝的効果を一細胞レベルで投影し、遺伝的効果に重要な働きをする細胞を調べました。その結果、若年層の遺伝的効果は血管平滑筋細胞に強く表れていた一方で、老年層の遺伝的効果は血管内皮細胞に強く表れていました。血管内皮細胞は血管壁の老化や動脈硬化において中心的な役割を果たすことが知られており、これらの結果はパスウェイ解析の結果と合致しています。以上の結果は、「加齢によって、脈圧の遺伝的基盤が若年層における血管平滑筋収縮から、老年層における血管老化に変化した」ことを示唆しており、G×E効果が生物学的メカニズムの動態解明に役立つことを示しています。

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図6:脈圧の遺伝的基盤の加齢性変化

(左):若年・老年で層別化して実施した脈圧のGWASに対するパスウェイ・エンリッチメント解析。(右)サル大動脈の一細胞RNAシークエンスデータに対する脈圧の年齢層別化GWAS結果の一細胞投影解析。

最後に、分子レベルでのG×E効果を評価するため、バイオバンク・ジャパン 89,040人およびUKバイオバンク 153,410人を対象に、代謝物に対するG×E解析を実施しました。代表例として、CETP遺伝子座位では「LDL中のトリグリセリド割合(LDL_TG_pct)」に対して男女で逆転する遺伝的効果がみられました(図7)。CETP遺伝子座位にはCETP遺伝子の発現量を変化させる遺伝子多型の存在が知られていることから、この遺伝子座位はCETP遺伝子の発現量を変化させることで、男女で逆方向にLDL_TG_pctの値を変化させると考えられます。脂質代謝に関わる他の遺伝子座位でも、男女で遺伝的効果が逆転する例が複数見られました。これらの結果は、脂質代謝において性差を研究することの重要性を示しています。
CETP遺伝子はコレステリルエステル転送タンパク質(CETP)をコードしています。CETP阻害薬はLDLコレステロールを下げて心血管疾患を予防する効果が期待されており、GWAS解析の結果からも予防効果が期待できることが示唆されています。有望な創薬標的として薬剤候補が開発されて第三相臨床試験が行われましたが、その後複数の薬剤候補について開発が中止され、2026年初時点で承認された薬剤は存在しません。CETPはLDLや他のリポタンパク質中のトリグリセリドをHDL中のコレステリルエステルと交換する機能を有しており、LDL_TG_pctはまさにこのタンパク質の機能に重要な代謝物かもしれません。UKバイオバンクを用いた解析では、LDL_TG_pctが高いと男女に関わらず死亡率が高まるという結果が得られました。以上の結果を合わせると、CETP阻害薬は男女で逆方向にLDL_TG_pctの値を変化させることで女性における死亡率を高める可能性が示唆されます。このように、G×E効果を詳しく調べることで、薬剤候補の開発中止に至った原因検索および、今後の創薬研究への貢献が期待されます。
本研究ではこれらのG×E効果の他にも、飲酒や喫煙の有無によって遺伝的効果の有無が変化する例など、代謝物に対する様々なG×E効果を同定しました。本研究で同定したG×E効果をさらに詳しく調べることで、ヒト表現型の個人差を形作る遺伝的メカニズムの解明につながると期待されます。

icc_20260129_8.png図7:代謝物に対するG×E効果

(上):CETP遺伝子座位における「LDL中のトリグリセリド割合(LDL_TG_pct)」に対する遺伝的効果。
(下):全死亡および心血管関連死に対するLDL_TG_pctのハザード比。

今後の展望

本研究では、日本をはじめ世界の様々なバイオバンク・コホートを用いた大規模な解析を行うことで、G×E効果の全体像とその有用性を示すことに成功しました。これらの成果は、G×E効果が生物学的メカニズムの動的な変化を捉えることで、個々の遺伝子座位レベル・ゲノム全体レベルの双方で、GWASでは見つけられなかった遺伝的効果を明らかにすることができることを示しています。また本研究では、G×E効果がより精緻なゲノム個別化医療や創薬に向けた基盤となることも示されました。集団間でG×E効果がある程度共通していたことから、世界各国に存在するさらに多くのバイオバンク・コホートが協働することで、今後さらなるG×E効果が見出され、G×E研究の進展に貢献することが期待されます。
なお、本研究は東京大学大学院医学系研究科・医学部倫理委員会および大阪大学研究倫理審査委員会の承認のもと実施されました。

発表者・研究者等情報

東京大学
 大学院医学系研究科 遺伝情報学
  難波 真一 助教
  岡田 随象 教授
   兼:大阪大学ワクチン開発拠点先端モダリティ・DDS研究センター 教授
   兼:大阪大学大学院医学系研究科 遺伝統計学 教授(研究当時)
   兼:理化学研究所生命医科学研究センター システム遺伝学チーム チームディレクター

論文情報

雑誌名

Nature

題名

A Cross-population Compendium of Gene–Environment Interactions

著者名

Shinichi Namba(責任著者), Kyuto Sonehara, Yuriko N Koyanagi, Takezo Kikuchi, Takafumi Ojima, Ryuya Edahiro, Go Sato, Taiki Yamaji, Yoshihiko Tomofuji, Hiroyuki Ueda, Kenichi Yamamoto, Yosuke Ogawa, Ken Suzuki, Akinori Kanai, Shinichi Higashiue, Shuzo Kobayashi, Hiroki Yamaguchi, Yasunobu Nagata, Yasushi Okazaki, Naoyuki Matsumoto, Kenta Motomura, Hidenobu Koga, Asahi Hishida, Hiroaki Ikezaki, Megumi Hara, Mako Nagayoshi, Isao Oze, Shiori Nakano, the BioBank Japan Project, Yoshiya Oda, Yutaka Suzuki, Motoki Iwasaki, Norie Sawada, Keitaro Matsuo, Takayuki Morisaki, Toshimasa Yamauchi, Takashi Kadowaki, Koichi Matsuda, and Yukinori Okada(責任著者)

DOI

10.1038/s41586-025-10054-6

URL

https://doi.org/10.1038/s41586-025-10054-6

研究助成

本研究は、JSPS 科研費JP25H01057、国立研究開発法人日本医療研究開発機構(AMED)ゲノム医療実現バイオバンク利活用プログラム「(遺伝子–環境相互作用の学術・オミクス横断による個別化医療の実装)、(次世代ゲノミクス研究による乾癬の疾患病態解明・個別化医療・創薬)」、ゲノム創薬基盤推進研究事業「(遺伝子変異の機能性スペクトラム統一的解析による創薬シーズ導出)、(大規模集団ゲノムデータを利用した遺伝子発現制御文法の機械学習による、VUS病原性の網羅的評価と実験検証)」、医学系研究支援プログラム(東京大学医学部附属病院 研究競争力向上計画)、難治性疾患実用化研究事業「(オールジャパン心筋症ゲノムオミックスデジタルコホート研究)、(シングルセル解析を活用した肺胞蛋白症の自己抗原特異性解明による治療標的同定)」、免疫アレルギー疾患実用化研究事業(全ゲノム・一細胞シークエンス統合解析による関節リウマチの病態層別化と個別化医療実装)、SCARDAワクチン開発のための世界トップレベル研究開発拠点の形成事業「(ワクチン開発のための世界トップレベル研究開発拠点群 東京フラッグシップキャンパス(東京大学新世代感染症センター))、(大規模疾患コホート・アカデミア連携を基盤とするオミックス解析・サーベイランス体制の整備による新興感染症重症化リスク因子の探索)、(ワクチン開発のための世界トップレベル研究開発拠点群 大阪府シナジーキャンパス(大阪大学ワクチン開発拠点)(JP223fa627002))、(遺伝的多様性と機能に関するマルチオミックスを中心としたヒト免疫評価法の確立と支援の為のサポート機関)」、ムーンショット型研究開発等事業(細胞運命転換を用いた若返りによるがんリスク0の世界)、 ゲノム研究を創薬等出口に繋げる研究開発プログラム(ブレインアトラス創生による精神神経疾患のシングルセル・ゲノム創薬), 脳神経科学統合プログラム(生殖細胞・体細胞変異とウイルス配列の多層シークエンス解析による自己免疫性神経疾患のシーズ開発)、革新的先端研究開発支援事業「免疫記憶の理解とその制御に資する医療シーズの創出」研究開発領域「集団・個体・一細胞解像度オミクス解析による免疫記憶の「導入・蓄積・消失」ダイナミクス解明」、国立研究開発法人科学技術振興機構(JST)ムーンショット型研究開発事業 JPMJMS2021, JPMJMS2024、日本応用酵素協会、武田科学振興財団、小野薬品がん・免疫・神経研究財団、大阪大学大学院医学系研究科バイオインフォマティクスイニシアティブ、大阪大学先導的学際研究機構(OTRI)、大阪大学感染症総合教育研究拠点(CiDER)、大阪大学ワクチン開発拠点先端モダリティ・DDS 研究センター(CAMaD)、理化学研究所科学研究基盤モデル開発プログラム(TRIP-AGIS)の支援を受けて行われました。

用語説明

  • (注1)遺伝子多型
    ヒトゲノム上に存在する塩基配列の個人差のうち、特にヒト集団中に普遍的に存在する(概ね1%以上)個人差を指す。
  • (注2)ヒト疾患形質
    疾患罹患の有無および、身長・体重・血圧・採血結果などを含む、様々な個々人の性質や特徴。
  • (注3)ゲノムワイド関連解析(genome-wide association study: GWAS)
    遺伝子多型と形質との関連を、ゲノム全域にわたって網羅的に探索する解析。現在の一般的なGWASでは、ゲノム全域で数百~数千万に及ぶ遺伝子多型が解析に用いられる。
  • (注4)メタボローム
    生体内に含まれる様々な代謝物質の総称。
  • (注5)ゲノム個別化医療
    ゲノムの個人差に基づいて個々人の疾患リスクを予測し、最適な医療を提供することで疾患の予防や早期発見を行う試み。
  • (注6)バイオバンク
    生体試料や臨床情報を集めて保管し、医学研究に活用する仕組み。
  • (注7)顕性遺伝(優性遺伝)
    ある遺伝子座に異なる塩基配列(アレル;対立遺伝子とも)が存在し、両親から遺伝した一対のゲノムの最低でも片方に特定のアレルが存在すれば表現型が発現する場合、その遺伝様式を顕性遺伝という。
  • (注8)相加的遺伝
    ある遺伝子座に異なる塩基配列(アレル;対立遺伝子とも)が存在し、両親から遺伝した一対のゲノムに存在する特定のアレルの数(0, 1, 2個のいずれか)に比例して表現型が変化する場合を相加的遺伝という。
  • (注9)コホート
    疫学研究において、環境等の因子の曝露群と非曝露群を含む集団を追跡し、疾患罹患等への影響を評価する研究手法をコホート研究とよび、コホート研究に用いられる集団をコホートと呼ぶ。
  • (注10)パスウェイ
    特定の機能に関わり、互いに相互作用する一群の遺伝子および、その相互作用ネットワーク。
  • (注11)一細胞RNAシークエンス
    ゲノム全体の遺伝子についてのRNA発現量を一つ一つの細胞ごとに定量する手法。

問合せ先

研究に関する問合せ

東京大学大学院医学系研究科
教授 岡田 随象(おかだ ゆきのり)
Tel:03-5841-1860 E-mail:yuki-okada●m.u-tokyo.ac.jp

報道に関する問合せ

  • 東京大学大学院医学系研究科 総務チーム
    Tel:03-5841-3304 E-mail:ishomu●m.u-tokyo.ac.jp

  • 東京大学医科学研究所 プロジェクトコーディネーター室(広報)
    Tel:090-9832-9760  E-mail:koho●ims.u-tokyo.ac.jp

  • 大阪大学大学院医学系研究科 広報室
    Tel:06-6879-3387 E-mail:medpr●office.med.osaka-u.ac.jp

  • 理化学研究所 広報部 報道担当
    Tel:050-3495-0247 E-mail:ex-press●ml.riken.jp

  • 愛知県がんセンター 運用部 経営戦略課
    Tel:052-762-6111 E-mail:k.murakami●aichi-cc.jp

  • 国立がん研究センター 企画戦略局 広報企画室広報企画係
    Tel:03-3547-5201(ダイヤルイン 3548) E-mail:ncc-admin●ncc.go.jp

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