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国立がん研究センター

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間野博行 研究所長・がんゲノム情報管理センター長が日本学士院賞を受賞

2020年4月7日
 
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このたび、間野博行 研究所長・がんゲノム情報管理センター長が、
第110回(令和2年)日本学士院賞を受賞することが決定しました。

日本学士院賞は、学術上、特に優れた研究業績に対して贈られるもので、
日本の学術賞としては最も権威ある賞です。

授賞式は令和2年6月に行われる予定です。

受賞理由

研究題目 EML4-ALKがん遺伝子の発見とがんゲノム医療の先導

間野博行は、肺がんにおける融合型がん遺伝子EML4-ALKを発見しました。ALKはチロシンキナーゼタンパクを産生しますが、染色体転座の結果EML4と融合することで、キナーゼ活性が恒常的に上昇し、強力ながん化能を獲得します。この発見は、それまでの「染色体転座による発がんは一般的な固形腫瘍には存在しない」という常識を覆すもので、他の固形腫瘍における同様な発がんキナーゼの探索・発見をもたらしました。さらにEML4-ALK陽性肺がんの治療薬としてALK酵素活性阻害薬が次々と開発・実用化され、世界中の臨床の場で使われがん患者の救命に役立っています。

ALKはEML4以外にも様々な遺伝子と融合して広く発がん原因となることから、間野はこれらALKキナーゼの異常な活性化によって生じるがんを「ALKoma」と名付け、がんを旧来の発生臓器・病理型によって分類するのではなく、本質的ながん遺伝子によって分類することを提唱しました。これらの成果は、現在のがん治療の大きな潮流である「がんゲノム医療」の誕生へとつながりました。

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