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国立がん研究センター

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中央病院 呼吸器内科 大熊裕介がBest of the AACR Journalsを受賞しました

2022年10月26日

in English

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呼吸器内科 大熊 裕介

Best of the AACR Journals

中央病院 呼吸器内科の大熊裕介が、米国がん学会(American Association for Cancer Research:AACR) より、2020年および2021年に発表された論文のなかで最も引用された論文の責任著者のひとりとしてBest of the AACR Journalsを受賞しました。

https://aacrjournals.org/pages/best(外部サイトにリンクします)

論文について

論文概要

本研究ではグスタフ・ルシー研究所、モントリオール大学との共同研究を行い、免疫チェックポイント阻害薬による治療を受けた日本人の進行非小細胞肺癌患者のうち、治療後28日以内に抗生物質を投与された患者群では予後不良であることを明らかにしました。

免疫チェックポイント阻害薬治療前である抗PD-1/PD-L1抗体により治療を受けた、進行非小細胞肺癌患者70人より、免疫チェックポイント阻害薬治療前の便サンプルと臨床データを前向きに収集しました。便サンプルの遺伝子アンプリコンの16S rRNA V3–V4シーケンスを行い、細菌の多様性と差分存在量分析を実施しました。免疫チェックポイント阻害薬治療前に抗生物質を投与された患者は、ベースラインでのアルファ多様性が低く、軽度免疫関連有害事象(irAE)と重度のirAEとなった患者の間で、腸内細菌叢の構成の違いが観察されました。抗生物質を使用していない患者を分析すると、α多様性は生存期間と相関していました。さらに、腸内細菌叢にRuminococcaceae UCG 13およびAgathobacterが豊富に見られた場合にはICIの治療効果が高く、奏効割合および6カ月以上奏効していた症例が有意に増加していました。

この報告はアメリカがん研究学会(AACR)の機関紙であるCancer Immunology Research誌10月号の表紙を飾りました。がんと腸内細菌叢についての研究は、2022年に発表された「Hallmarks of Cancer: New Dimensions」(Hanahan D et al. Cancer Discov. 2022;12:31-46.)においても、今後、研究すべきがん領域の分野として提示されております。

雑誌名

Cancer Immunology Research

論文タイトル

The Gut Microbiome Associates with Immune Checkpoint Inhibition Outcomes in Patients with Advanced Non–Small Cell Lung Cancer

 URL

https://aacrjournals.org/cancerimmunolres/article/8/10/1243/466835/The-Gut-Microbiome-Associates-with-Immune(外部サイトにリンクします)

 

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