国立がん研究センター行動規範
2025年7月22日制定
国立がん研究センターは、2024年3月29日に発表した「コンプライアンス等の強化に関する改革の実施について」に基づき、コンプライアンス意識の高い健全な組織運営を行うため、全ての役員及び職員が、日々の業務において遵守すべき基本的な指針として「国立がん研究センター行動規範」を策定しました。私たち役職員一人ひとりがこの規範を理解・実践することで、国立がん研究センターとして、社会からの信頼を確固たるものとし、がん医療の発展に貢献してまいります。
1.国立がん研究センターの「理念」に基づき、9つの「使命」の達成に全力で取り組みます。
私たちは、「社会と協働し、全ての国民に最適ながん医療・がん予防を届ける」という理念に基づき、「(1)がんの本態解明と個別化医療」「(2)がん予防の更なる最適化と普及」「(3)高度先駆的医療の開発と導入」「(4)標準治療の確立と普及」「(5)サバイバーシップ研究と支援の充実」「(6)情報の収集と提供」「(7)人材の育成」「(8)政策の提言」「(9)国際連携」という9つの使命の達成に、全力で取り組みます。
2.常にコンプライアンスに高い意識を持って業務を遂行します。
私たちは、国立がん研究センターの9つの「使命」を達成するために、社会からの信頼と健全な職場環境の確保が必須であることを認識し、国立がん研究センター及び社会の一員として、コンプライアンスに対する高い意識を持って行動します。
私たちは、具体的には下記の6項目の行動指針を遵守することを通して、コンプライアンスを徹底します。
記
1.診療・研究・組織運営における公正・公平な活動の推進
- 私たちは、診療、研究、組織運営のすべての場面において、公平性と透明性を確保し、利益相反に適切に対応するとともに、不正や隠蔽を排除し、常に公正で誠実な活動を推進します。
- 私たちは、患者さんや国民の声に真摯に耳を傾け、がん医療や研究に関する正確で有用な情報を積極的に発信し、社会との信頼関係を深めます。
- 私たちは、すべての人々の尊厳を守り、年齢、性別、人種、信条等によるいかなる差別も行わず、多様な価値観や背景を持つ人々を尊重し、互いに認め合う組織文化を育みます。
2.法令・規程等の遵守・社会規範の尊重
- 私たちは、医療・研究に関連する法令はもとより、社会規範や倫理観に基づいて行動し、高い公共性を有する機関として社会の期待と信頼に応える責務を果たします。
- 業務遂行にあたり、関連する法令や規程等を遵守し、社会規範を尊重しつつ高い倫理観を持って行動するとともに、不正や不適切な行為を防ぐため、常に適正な判断を心がけます。
- 法律や社会のルール、センター内の規程等を遵守することは当然のこととして、社会の一員、センター職員として、良識ある行動を常に心がけます。
3.研究セキュリティ・研究インテグリティの確保・向上による適正なオープン・クローズ戦略の推進
- 研究の公正性と安全性を守りつつ、情報公開と機密保持を適切に管理します。
- 研究活動では、正確で信頼できるデータの作成・管理を徹底し、不正行為を防止します。
- 私たちは、研究の健全性とセキュリティにおける最高水準を維持します。機密情報と知的財産を保護しつつ、国際的な視野で科学的なコミュニケーションを促進します。
4.資金の適正使用と適切な資産管理
- 私たちは、研究費、公的資金、寄付金その他のあらゆる資金を適正かつ効果的に使用し、不適切な支出を防ぎます。また、施設・設備・備品などの資産を適切に管理し、無駄をなくすとともに、私的な利用は絶対に行いません。
- センターの資源は公的資金によって支えられているという認識のもと、すべての職員は、確立されたガイドラインと法的要件に従い、責任を持って資金と資産を管理します。
5.個人情報と業務上知り得た情報の保護
- 私たちは、患者さんの個人情報や業務で知り得た秘密情報は厳重に管理し、漏洩や不正利用を防ぎます。
- 職員は、機密性の高い個人データと秘密情報を保護する義務があります。不正アクセスや漏洩を防ぐための厳格なプロトコルを遵守します。
6.安全衛生の確保、健全な職場環境の整備、環境保全
- 私たちは、患者さんと職員の安全と健康を最優先に、健全で働きがいのある職場環境を整備し、事故や感染症の防止に努めます。
- 私たちは、業務の中でも環境保全に配慮した活動に努め、持続可能な社会の実現に貢献します。
以上