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がん対策情報センター

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がん患者の抱える社会生活上の困難と援助要請行動

本研究について

がん経験者は医学的問題だけでなく、がん罹患に伴う家族問題、対人関係の問題、経済的負担、就労問題など、多くの社会生活上の困難に直面することが少なくないことが報告されています。このような社会生活上の困難により、抑うつ、不安、心理的苦痛が生じることも多く、がん経験者に向けた周囲からの継続的な支援が不可欠となります。しかし、たとえ支援システムがあったとしても、全ての人が支援を利用するわけではありません。その理由として、支援の内容ががん経験者のニーズを反映できていないといったシステム的課題もありますが、困難を感じた全ての人が、他者に援助を求めたり専門相談機関の支援を受けようとするとは限らいこと、さらには本人から援助を頼みづらい状況があることが報告されています。

人が何らかの困難を感じた時に、他者に相談、援助を求め問題解決しようとする行動は「援助要請行動(help-seeking behavior)」と言われています。援助要請行動を積極的に行えるかどうかには、例えば、支援者(機関)の存在や頼みやすさ、その人自身の自尊感情などパーソナリティ、本人にとっての問題の深刻さ、援助要請に関する利益とコスト、他者に援助を求めるのは望ましくないという考え方、男性特有の「男は泣き言を言うものではない」というような伝統的な男性役割意識(masculinity)など、さまざまな要因に影響されることが報告されています。援助や支援を提供する際には、このような援助要請行動の関連要因を十分に検討することが重要です。

がん経験者への望ましい援助や支援を検討する際も、社会生活上の困難の実態把握だけでなく、援助要請行動の促進・抑制要因を明らかにし、経験者一人ひとりに合わせた援助・支援の提供の仕方や関わり方を検討していくことが不可欠となります。本研究は、がん患者の援助要請行動と関連要因を明らかにすることを目的として、質問紙調査を実施し、解析を行っています。