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国立がん研究センター

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慶應義塾大学医学部・慶應義塾大学大学院医学研究科と国立がん研究センターの連携協力に関する合意書調印式記者発表会

国立がん研究センターと慶應義塾大学医学部、慶應義塾大学大学院医学研究科は、医学教育ならびに医学研究のより一層の連携を図るため、連携協力のための協定書を締結することについて合意に達し、平成24年度より、画期的な連携大学院制度を開始いたします。

新たな連携大学院制度では、レジデントなどの国立がん研究センターの職員が、国立がん研究センターに籍を置きながら、国立がん研究センター内で慶應義塾大学大学院医学研究科博士課程の授業科目の単位を修得可能とし、国立がん研究センターで行った研究の成果をもって学位の取得ができるという画期的なものです。

本制度により、リサーチマインドを持った臨床医を育成し、がんの研究分野の発展に貢献するだけでなく、幅広い知見を持った医師が日本各地で臨床業務を行うことによって、層の厚いがん医療が日本全国に拡がっていくことが期待され、がん医療の発展に極めて有用な制度となります。平成23年12月20日(火曜日)に記者会見を開催しましたので、以下にご報告します。

記者会見概要

開催日時

2011年12月20日(火曜日)9時45分から10時30分

開催場所

国立がん研究センター中央病院 管理棟1階 第1会議室

出席者

  • 理事長:嘉山 孝正
  • 企画戦略室長:成田 善孝
  • 中央病院脳脊髄腫瘍科科長/副院長(教育担当):渋井 壯一郎
  • 研究所上席副所長:牛島 俊和
  • 中央病院内科レジデント:上田 亮介
  • 企画戦略室副室長:加藤 雅志
  • 慶應義塾大学医学部長:末松 誠
  • 慶應義塾大学大学院医学研究科委員長:岡野 栄之

従来の国立がん研究センターのレジデント・がん専門修練医制度とその課題

国立がん研究センターは、がんの診断・治療・研究に必要な高度先進的な知識と技術を有するがん診療の専門医を育成していくことを目的に、3年間の「レジデント制度」、さらに専門性を高めるための2年間の「がん専門修練医制度」を実施してきました。

この国立がん研究センターの「レジデント制度」・「がん専門修練医制度」には、全国からがん専門医を目指す多数の優秀な若手医師が集結していますが、これまでの制度では、十分な研究活動を行う環境を整備できていなかったことや、優れた研究成果を出してもレジデント研修期間中に医学博士号を取得できていなかったという課題がありました。

今回の新たに開始する国立がん研究センターと慶應義塾大学医学部、慶應義塾大学大学院医学研究科との連携大学院制度は、これまでの課題を解決するべく、がんを専門領域とする若手医師が研究に取り組むことができる万全の態勢を整備するものであります。

今回の連携大学院により期待されること

  • 嘉山理事長写真

    嘉山理事長

  • 末松誠先生と岡野栄之先生

    慶應義塾大学医学部長
    末松 誠先生
    慶應義塾大学大学院医学研究科委員長
    岡野 栄之先生

  • 出席者の方々の写真

    出席者の方々

  • 合意書への調印の写真

    合意書への調印

国立がん研究センターは、使命の一つに教育を掲げています。がん医療や研究でリーダーとして活躍する人材の育成に力を注ぎ、レジデント制度・がん専門修練医制度をはじめとする専門教育制度の充実を進め、国内外を問わず活躍できる人材の育成を目指しています。

そのような中でも、独立行政法人化後の大きな目標の一つとしてアカデミアとの連携を掲げ、今回の連携大学院制度によりそれが具体的な形となって実現されました。

今回の連携大学院制度の画期的な点は、レジデントなどの国立がん研究センターの職員が、国立がん研究センターに籍を置きながら、国立がん研究センター内で慶應義塾大学大学院医学研究科博士課程の授業科目の単位を修得できること。そして、国立がん研究センターで行った研究の成果をもって学位の取得が可能となることです。

従来、レジデントなどが診療経験に根ざした基礎研究を行い、優れた論文を作成しても、学位の取得には大きな手間がかかっていました。しかし、今回の連携大学院制度によりシステム化された学位の取得が可能となります。また、これまで、基礎研究に対する非常に強い熱意がないと、研究所に病院のレジデントが足を運ぶことが少ないという現状がありました。

今後は、基礎研究の機会を若手医師に柔軟に提供できるようになり、レジデントなどの国立がん研究センターの職員が基礎研究に触れることで学術的な思考を身につけ、画期的な診断・治療法の開発を自ら実施することができるようになると期待されています。

また、慶應義塾大学からご出席いただいた末松医学部長と岡野研究科委員長からは、慶應義塾大学にとっても、本制度により、医学研究科の大学院生が、がんに関する専門性の高い講義・実習を受講することも可能となり、国立がん研究センターとの人的、知的交流は、将来的に、個々の研究者間の共同研究の創出、両組織間の大型共同プロジェクトの構築、がん治療スペシャリティの人材交流などに発展するものと期待しているとの展望が語られました。そして、今回の連携大学院の構築が、がんの集学的な診断・治療法の研究、新規抗がん剤等の臨床研究やその基礎研究に活かされ、若手の医師や研究者の育成に繋がり、さらに、今回の連携によって大学院教育の質が大きく向上していくことが期待されるとのご発言がありました。

以上、慶應義塾大学医学部・慶應義塾大学大学院医学研究科と国立がん研究センターの連携協力は、双方の持つメリットを相乗的に高めつつ、わが国のがん研究とがん医療のリーダーを育てることを目標としています。そして、このことはがん研究センターで臨床・基礎研究を目指す全国のレジデントなどの若い医師たちに大きな希望を与えるものと考えられます。学位の取得を可能とする制度が新たにできることにより、レジデントなどの若い医師たちが障壁なくがんの最先端の診療・研究を行い、新規治療法が開発されることが期待されます。今後は、双方の連携をより一層進め、研究・医療・教育の質の向上、優秀な人材の育成に尽力してまいります。

記者会見資料は関連リンクをご覧ください。
(平成23年12月20日)