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国立がん研究センター

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進行または転移性乳がんを対象とした 日本主導のアジア国際共同医師主導治験を開始 日本のアカデミア主導の国際共同臨床試験の推進 

2018年11月12日
国立研究開発法人国立がん研究センター
in English

国立研究開発法人国立がん研究センター(理事長:中釜 斉、東京都中央区)中央病院(病院長:西田俊朗)は、進行または転移性乳がん患者を対象に、サイクリン依存性キナーゼ(以下、CDK)4/6阻害剤であるパルボシクリブの医師主導治験(試験略称: NCCH1607、PATHWAY、UMIN試験ID: UMIN UMIN000030816、ClinicalTrials.gov 登録番号: NCT03423199)を開始致しました。本試験は、当院が主導して、日本12施設、韓国6施設、台湾3施設、シンガポール2施設が参加するアジア圏での国際共同医師主導治験です。このほど参加4か国において試験実施準備が完了し、すべての国で患者登録を開始致しました。

本試験は、ホルモン受容体陽性/HER2陰性の進行または転移性乳がん女性患者を対象とし、2年間で180人の患者さんを登録する、パルボシクリブのプラセボ対照ランダム化比較第III相試験です。本試験の主要目的は、パルボシクリブとこの患者集団でよく使われる内分泌療法であるタモキシフェンとの併用投与と、プラセボとタモキシフェンの併用投与における無増悪生存期間を評価することです。現在承認されているパルボシクリブの適応症は、レトロゾールまたはフルベストラントとの併用投与の試験結果に基づいています。よって、本試験の実施により、パルボシクリブと新たな内分泌療法の併用投与を支持するエビデンスを構築すると同時に、将来、薬事承認について規制当局と協議することが可能となります。

【日本主導アカデミア発国際共同研究の推進】

国際共同試験では、短期間に多くの症例登録を行うことができ、スピーディーな治療開発に繋がるため、企業治験では最近国際共同試験が行われる数が非常に多くなっています。アカデミア主導の臨床試験でも、より早く患者さんの手元により良い治療を届けるという観点では国際共同試験が重要です。これまでに米国や欧州では、アカデミアの臨床研究グループが主導する国際共同試験が数多く実施され、当院を含めて日本からこのような海外主導の国際共同試験へ参加する機会も増えてきました。しかし、日本の研究者が発案し、日本の研究機関がリードするような国際共同試験は、言語(英語)の壁、支援スタッフの不足、高額な研究費等の理由により、企画・運営のハードルが高くこれまでほとんど実施されてきませんでした。

一方、国立がん研究センター中央病院では、これまで新規治療確立に対するニーズが高いものの製薬企業による新規治療薬の開発がなかなか進まない疾患に対して、多くの医師主導治験を積極的に実施してきました。さらに2016年度に、国際水準のアカデミア主導治験・臨床研究を日本主導で実施できる体制整備を目的として、医療法上の臨床研究中核病院の中から、当院を含め2施設が日本医療研究開発機構(AMED)国際共同臨床研究実施推進事業1)の拠点施設に選定されました。これらの豊富な経験と臨床試験の支援基盤を活用して、これまで日本ではほとんど行われてこなかった、アカデミア主導の国際共同医師主導治験を開始するに至りました。このような形式での国際的かつ総合的な治療開発研究は国内外でも非常に先進的な取り組みです。

本試験は、Pfizer Inc.との共同研究であり、同社から研究費と治験薬パルボシクリブの提供を受けています。製薬企業との共同研究の形式をとり、日本では医師主導治験として、海外では当院が製薬企業と同様な治験依頼者としての役割を担う形で実施する国際共同医師主導治験となります。治験の枠組みで行うことの大きな目的は、標準治療の確立にとどまらず、将来、薬事承認の取得について規制当局と協議することが可能となることです。また、国立がん研究センターの特徴を活かし、本試験で4か国から得られた検体の分析・解析を当センターの研究所(所長:間野博行)で実施することで、トランスレーショナル研究の発展にも役立てる仕組みとしています。

国立がん研究センター中央病院では、現在アジア地域でのネットワーク構築に特に力を入れており、今回の取り組みを発展させて国際共同試験を数多く手掛けることで、アジア圏での新薬を含めた治療開発を強力に推進することを目指しています。

1)本事業は、2017年度より臨床研究中核病院を対象としたAMED事業の医療技術実用化総合促進事業の中の1プログラムへ移行されており、現時点での当院の採択期間は、2016年度から2018年度末までとなっています。

パルボシクリブについて

本試験で使用する薬剤パルボシクリブは、CDK4/6を阻害する新規の経口分子標的薬です。CDK4/6は、細胞周期の調節に主要な役割を果たしており、細胞増殖を引き起こします。パルボシクリブはCDK4および6を選択的に阻害して、細胞周期の進行を停止させることにより、腫瘍の増殖を抑制すると考えられています。
パルボシクリブは、米国をはじめ世界85カ国以上で承認されている薬剤で、日本においても2017年9月に承認されました。ただし、レトロゾールまたはフルベストラントとの併用投与の成績に基づいて承認されており、タモキシフェンとの併用の有効性や安全性は確立されていない状況です。

本試験の参加施設

日本

国立がん研究センター中央病院、北海道がんセンター、千葉県がんセンター、国立がん研究センター東病院、虎の門病院、神奈川県立がんセンター、愛知県がんセンター中央病院、大阪医療センター、近畿大学医学部付属病院、兵庫県立がんセンター、四国がんセンター、九州がんセンター

韓国

Severance Hospital、Yonsei University Health System、Seoul National University Hospital、Seoul National University Bundang Hospital、Asan Medical Center、National Cancer Center、Ajou University Hospital

台湾

National Taiwan University Hospital、 Sun Yat-Sen Cancer Center、他1施設

シンガポール

National Cancer Centre Singapore、National University Hospital

本試験の詳細

  • 試験名:HR陽性/HER2陰性の進行または転移性乳癌女性患者を対象に、パルボシクリブ+タモキシフェン(±ゴセレリン)併用投与とプラセボ+タモキシフェン(±ゴセレリン)併用投与を比較する、アジア共同、国際、多施設、無作為化、二重盲検、プラセボ対照、並行群間比較第III相試験(NCCH1607、PATHWAY試験)
  • 研究代表者:田村 研治
  • UMIN試験ID:UMIN000030816    
  • ClinicalTrials.gov 登録番号: NCT03423199

本試験の詳細は、こちらよりご確認ください。

https://upload.umin.ac.jp/cgi-open-bin/ctr/ctr_view.cgi?recptno=R000034267
https://clinicaltrials.gov/ct2/show/NCT03423199

お問い合わせ先

治験に関する一般の方からのお問い合わせ

国立研究開発法人 国立がん研究センター中央病院
臨床研究コーディネーター室 治験問い合わせ担当
郵便番号:104-0045
住所:東京都中央区築地5-1-1
電話番号: 03-3542-2511(内線:5646)

報道関係のお問い合わせ

国立研究開発法人 国立がん研究センター 企画戦略局 広報企画室
郵便番号:104-0045
住所:東京都中央区築地5-1-1
電話番号:03-3542-2511(代表)
ファクス番号:03-3542-2545
E-mail:ncc-admin@ncc.go.jp

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