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地域がん登録 全国がん罹患モニタリング集計 2009年から2011年 診断症例 5年相対生存率 最新全国推計公表

2020年4月15日
国立研究開発法人国立がん研究センター

国立研究開発法人国立がん研究センター(理事長:中釜 斉、所在地:東京都中央区)を中心とする厚生労働科学研究費補助金「都道府県がん登録の全国集計データと診療情報等の併用・突合によるがん統計整備及び活用促進の研究」研究班(班長:松田 智大、所属:国立がん研究センターがん対策情報センターがん登録センター)は、地域がん登録データを活用し、2009年から2011年診断症例5年相対生存率を算出、報告書にまとめ、がん情報サービスホームページで一般公開しました。

5年相対生存率とは、「がん」と診断された人のうち5年後に生存している人の割合が、日本人全体で5年後に生存している人の割合に比べてどのくらい低いかで表しています。(詳しくは2ページ参照)

国立がん研究センターがん対策情報センター「がん情報サービス がん登録・統計」統計ページ
全国がん罹患モニタリング集計 2009から2011年生存率報告 

本リリースのポイント

  • 本集計は、日本のがん患者生存率を住民ベース(注1)で計測した幅広い医療機関を含んだ統計で、全国がん登録に基づく生存率が集計されるまでは、国や各都道府県のがん対策の立案・評価に有用な指標です。
  • 集計対象地域が拡大し精度が向上したことにより、従来に比べ偏り(注2)と過大評価(注3)の可能性が少ない生存率の算出ができました。
  • 地域がん登録データを用いた5年生存率は4回目の報告になります。(前回、2006年から2008年生存率を2016年7月に報告)
  • 国際精度基準を満たした22地域、約59.2万症例(注4)(前回21地域、約64.4万症例 注:国内精度基準)について、部位別、臨床進行度別、年齢階級別に5年相対生存率を集計しました。
  • 全部位、男女計の5年相対生存率は64.1%(前回62.1%)でした。
  • 本集計参加36地域は、部位別、臨床進行度別、年齢階級別の5年相対生存率を地域別に別途集計しました。

注1:住民ベースとは、人口が定義される地域(国、都道府県など)で発生した全ての診断症例について情報を収集すること。
注2:本集計における偏りとは、届出が完全でないことから、診断症例の部位や進展度が真の全がん症例と異なる分布になることを指す。
注3:本集計における過大評価とは、死亡診断書のみで把握している症例を除外することにより、真の生存率より高く算出してしまうことを指す。
注4:本集計より精度基準を国際精度基準に変更、より精度の高い症例に絞られたため集計対象症例数が減少。

地域がん登録について

地域がん登録は、都道府県のがん対策を目的に1950年代より一部の県で開始されました。研究班は日本のがんの実態を明らかにするため、各都道府県の地域がん登録からデータを収集、集計報告を行って以降、年々参加都道府県が増加し、2012年診断症例で全47都道府県のデータがそろいました。

地域がん登録データを活用した生存率は、古くから大阪府立病院機構大阪国際がんセンター(旧大阪府立成人病センター)を中心とする研究班で算出されてきました。本研究班は、第3次対がん総合戦略研究事業の活動を引き継ぎ、2000年診断症例以降、日本のがん患者生存率を計測しています。

 生存率の統計ついて

がん登録における生存率は、全国がんセンター協議会加盟施設が行う「全がん協生存率調査」や、がん診療連携拠点病院等が行う「院内がん登録」からも公表されていますが、地域がん登録データを用いて算出される生存率は、集計対象を特定施設に限定しない地域代表性を有する値として、国のがん対策推進基本計画や各都道府県のがん対策推進計画の立案・評価に有用な指標です。なお、2016年1月より開始された「全国がん登録」における同年診断症例の5年相対生存率は、2022年以降の公表になります。

 5年相対生存率とは

生存率は、「がん」と診断された場合に、5年後にご存命の患者さんの割合です。100%に近いほど治りやすいがん、0%に近いほど治療が難しいがんであることを意味します。

相対生存率は、「がん」と診断された人のうち5年後に生存している人の割合が、平均的日本人(注:)で5年後に生存している人の割合に比べてどのくらい低いかで表し、一集団が、がんに罹ることでどのくらい過剰に死亡するか、というがん対策のための指標となります。

注:正確には、性別、生まれた年、および年齢の分布を同じくする日本人集団で、平均的日本人の生存率を計算します。

参考:国際精度基準と国内精度基準

 DCODCNMI比
国際精度基準 10%以下 20%以下 0.5以下
国内精度基準 25%以下 30%以下 0.66以下
  • DCOとは、死亡情報のみで地域がん登録に登録されたがん罹患症例をDCO(Death Certificate Only)といいます。DCOが低いほど、登録情報の内容が有用であると評価されます。
  • DCNとは、地域がん登録が死亡情報で初めて把握したがん罹患症例をDCN(Death Certificate Notification)といいます。また、死亡情報が登録された時点で届出のない患者(DCN)については、生前の医療情報を遡って調査します。DCNが低いほど、届出漏れが少ないと評価されます。
  • MI比とは、一定期間におけるがん死亡数とがん罹患数との比を死亡罹患比、MI比といいます。これは、生存率が低い場合、あるいは届出が不十分な場合に高くなります。一方、生存率が高い場合、あるいは、患者同定過程に問題があり、1人の患者を誤って重複登録している場合に低くなります。

データの概要

集計参加地域36地域(前回27地域)

北海道、青森県、宮城県、秋田県、山形県、福島県、茨城県、栃木県、群馬県、千葉県、神奈川県、新潟県、石川県、福井県、山梨県、長野県、愛知県、三重県、滋賀県、京都府、大阪府、奈良県、和歌山県、鳥取県、島根県、広島県、山口県、徳島県、愛媛県、高知県、佐賀県、長崎県、熊本県、大分県、鹿児島県、沖縄県

集計対象地域22地域 注:国際精度基準満たす (前回21地域 注:国内精度基準満たす)

宮城県、山形県、福島県、茨城県、栃木県、群馬県、新潟県、福井県、山梨県、長野県、愛知県、滋賀県、大阪府、和歌山県、鳥取県、島根県、広島県、山口県、高知県、佐賀県、長崎県、熊本県

集計対象症例591,778症例(前回644,407症例)

以下の条件を満たす症例(解析対象2)

  • 2009年1月1日から2011年12月31日の3年間に、医療機関でがんと診断またはがんの治療が行われた症例、もしくは死亡診断書にがんの診断情報が含まれる症例で、かつ地域がん登録にがん罹患症例として登録された症例
  • 第1がん
  • 0歳から99歳
  • 以下の条件を除いた症例
    • 死亡診断書の情報のみの症例
    • 多重がん症例における第2がん以降
    • 良性、良悪性不詳、上皮内がん
    • 死亡診断書の情報から遡り調査による登録症例

生存率算出項目

  • 部位別生存率(性別)25部位 注:重複あり
    口腔・咽頭、食道、胃、大腸(結腸・直腸)、結腸、直腸、肝および肝内胆管、胆のう・胆管、膵臓、喉頭、肺、皮膚(悪性黒色腫含む)、乳房(女)、子宮、子宮頸部、子宮体部、卵巣、前立腺、膀胱、腎・尿路(膀胱除く)、脳・中枢神経系、甲状腺、悪性リンパ腫、多発性骨髄腫、白血病
  • 臨床進行度別生存率(性別)がんの拡がりと進行度による進展度分類に基づく
    限局、領域(所属リンパ節転移・隣接臓器浸潤)、遠隔(遠隔転移)、不明
  • 年齢階級別生存率(性別)0歳から14歳、100歳以上除く
    15から44歳、45から54歳、55から64歳、65から74歳、75から99歳

2009年から2011年診断症例 5年相対生存率集計結果

5年相対生存率 64.1% (前回 62.1%)

全部位の5年生存率は、男性62.0%(59.1%)、女性66.9%(66.0%)、男女計64.1%(62.1%)で、前回の2006-2008年診断症例集計から2ポイント向上しています。前回集計と一部集計対象地域が異なるため、単純な比較は難しいですが、全部位での向上は比較的予後がよいがん(前立腺がん、乳がん等)の罹患数増加や、罹患年齢の変化などの影響、一般的な健康状況の改善に加え、後述の部位別、臨床進行度別、年齢階級別の分析の結果から、標準治療の普及や診断・治療技術の進歩がその理由である可能性が示唆されると考えられます。注:()内数値は前回割合

部位別5年相対生存率

  • 男性の部位別生存率 罹患数上位3部位生存率-胃67.5%、前立腺99.1%、肺29.5%
    高い群(70から100%):前立腺、皮膚、甲状腺、喉頭、膀胱、結腸、直腸、腎・尿路(膀胱除く)
    中程度群(40から69%):胃、悪性リンパ腫、口腔・咽頭、白血病、多発性骨髄腫、食道
    低い群(0から39%):肝および肝内胆管、脳・中枢神経系、肺、胆のう・胆管、膵臓
  • 女性の部位別生存率 罹患数上位3部位生存率-乳房92.3%、胃64.6%、結腸69.4%
    高い群(70から100%):甲状腺、皮膚、乳房、喉頭、子宮体部、子宮頸部、直腸
    中程度群(40から69%):口腔・咽頭、結腸、悪性リンパ腫、腎・尿路(膀胱除く)、胃、膀胱、卵巣、肺、食道、白血病、多発性骨髄腫
    低い群(0から39%):脳・中枢神経系、肝および肝内胆管、胆のう・胆管、膵臓

注:全国がん罹患モニタリング集計2009から2011年生存率報告 39ページ参照

臨床進行度別生存率

進行度別分布割合をみると、全部位の限局症例は44.1%(40.0%)で全体の4割以上を占めていました。臨床進行度別生存率の全部位男女計は、限局92.4%(90.4%)、領域(所属リンパ節転移・隣接臓器浸潤)58.1%(55.1%)、遠隔(遠隔転移)15.7%(13.6%)でした。
多くの部位で、早期診断症例である限局の生存率が高いことや全体的に生存率が改善傾向であることから、早期発見の重要性が確認できるとともに、標準治療の普及や診断・治療技術の進歩が影響していると推測されます。注:()内数値は前回割合
注:全国がん罹患モニタリング集計2009から2011年生存率報告 43ページ参照

年齢階級別生存率

全体的に年齢が高くなるとともに生存率が低くなる傾向がみられますが、部位によっては若年者より高齢者の生存率が高い傾向もみられるため、生存率と年齢の相関がはっきりとみられない部位もあります。
注:全国がん罹患モニタリング集計2009から2011年生存率報告 45ページ参照

情報公開ウェブサイト

報道関係からのお問い合わせ先

【生存率について】

国立研究開発法人 国立がん研究センター がん対策情報センター がん登録センター
全国がん登録室長 松田 智大(まつだ ともひろ)
郵便番号:104-0045 東京都中央区築地5-1-1
電話番号:03-3542-2511(代表) ファクス番号:03-3547-8098
メールアドレス:tomatsud●ncc.go.jp(●を@に差し替えてください)

【その他全般について】

国立研究開発法人 国立がん研究センター 企画戦略局 広報企画室
担当:がん登録センター 高橋 ユカ
郵便番号:104-0045 東京都中央区築地5-1-1
ダイヤルイン:03-3547-5201(内線3548) メールアドレス:ncc-admin●ncc.go.jp(●を@に差し替えてください)

2009年から2011年診断症例 5年相対生存率 集計結果資料

集計対象地域22地域 注:国際精度基準満たす (前回 21地域 注:国内精度基準)

宮城県、山形県、福島県、茨城県、栃木県、群馬県、新潟県、福井県、山梨県、長野県、愛知県、滋賀県、大阪府、和歌山県、鳥取県、島根県、広島県、山口県、高知県、佐賀県、長崎県、熊本県

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全部位、男女計 64.1%(前回比 +2ポイント)

部位別5年相対生存率 男性 全部位62.0%(前回比 +2.9ポイント)

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部位別5年相対生存率 女性 全部位66.9%(前回比 +0.9ポイント)

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性別 1から5年相対生存率

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臨床進行度別 1から5年相対生存率

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年齢階級別 1から5年相対生存率 注:15歳から64歳の3階級はまとめて表記

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部位別臨床進行度別5年相対生存率年次推移 

各年次の集計対象地域数

  • 1993年から1996年 6地域
  • 1997年から1999年 6地域
  • 2000年から2002年 6地域
  • 2003年から2005年 7地域
  • 2006年から2008年 21地域
  • 2009年から2011年 22地域

注:地域数に幅があるため、比較の際はご留意ください。

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    全部位

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    結腸

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    直腸

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    肝および肝内胆管

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    乳房(女)

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    子宮頸部

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    子宮体部

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    前立腺