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院内がん登録を実施している863施設の状況

院内がん登録 2020 年全国集計報告書 公表
院内がん登録を実施している863施設の状況

2021年11月26日
国立研究開発法人国立がん研究センター

国立研究開発法人国立がん研究センター(理事長:中釜斉、東京都中央区)は、国が指定するがん診療連携拠点病院等(以下、がん診療連携拠点病院等という)を含む院内がん登録実施病院、合計863施設から、2020年の1年間に診断または治療された患者さんの院内がん情報について報告書をまとめ、ウェブサイトで公開しました。

国立がん研究センターがん対策研究所「がん情報サービス  がん統計」報告書がん情報サービス

本リリースのポイント

2020年院内がん登録全国集計

院内がん登録は、がん医療の状況を把握する基礎的データです。2020年の新型コロナウイルス感染症流行下におけるがん診療の状況について、国民に情報提供をするため、がん診療連携拠点病院等を含む863施設の1,040,379例のデータを用いて、集計をまとめました。

がん診療連携拠点病院等を含む院内がん登録実施病院の全登録数と対前年増減率

前年と比較すると、594施設で全登録数(新規にがんの診断や治療を受けた例)が減少(平均4.6%減、60,409件)。
肝臓は男女ともほぼ横ばいであるのに対し、特に男性で胃・大腸、女性で乳房・胃の登録数が減少。

2016~2020年における診断月等要因別の登録数の比較

2016~2020年の院内がん登録全国集計全てに参加した735施設を対象に診断月、発見経緯、病期等について2016から2019年の4年平均(以下、4 年平均という)と2020年を比較。

  • 2020年の全登録数は4年平均と比較して98.6%(前年比較は94.1%)と減少していた。診断月別では、緊急事態宣言が発出されていた5月に登録数の減少がみられ、がん検診発見例、検診以外の発見例ともに減少を認めた。
  • がん・病期別では、2018・2019年の2年平均(以下、2 年平均という)と比較して、2020年診断例の大腸がん0期91.2%、IV期99.6%とやや減少していた。月別にみると5月にいずれの病期も減少し、6月以降の登録数は回復する傾向にあった。

 注

検診発見例、自覚症状などによる発見例の登録数、ともに減少していることから、一定の受診控えが生じた可能性が考えられる。適切なタイミングで適宜医療機関を受診できるようにすることが重要

2020年院内がん登録全国集計

概要

院内がん登録全国集計は、通常、診断年の翌年にまとめてデータを収集し、年末あるいは翌々年の初め頃に報告書を公表して参りました。この度、2020年の新型コロナウイルス感染症の流行下におけるわが国のがん診療の状況を国民に情報提供するために、国が指定するがん診療連携拠点病院等を含む院内がん登録実施病院(注1:新規のがんの約 72.5%をカバー)863施設の2020年の1,040,379診断例の院内がん情報を分析した結果をまとめました。

集計方法 

集計対象 1,040,379例 863施設

2021年6月時点のがん診療連携拠点病院等451施設、小児がん拠点病院6施設、都道府県から推薦された363施設、任意でデータを提出した60施設を調査対象とし、そのうち2021年9月10日までにデータが提供されたがん診療連携拠点病院等450施設、小児がん拠点病院6施設、都道府県推薦病院349施設、任意でデータを提出した病院58施設の計863施設1,040,379例について集計を行いました。

集計対象例

2020年1月1日から12月31日までの1年間にがんと診断または治療された例

集計項目(抜粋)

1.がん診療連携拠点病院等を含む院内がん登録実施病院の全登録数と対前年増減率

院内がん登録全国集計参加状況と全がんと5大がんの全登録数の推移、各施設における 2020年の登録数の対前年増減率、各施設の症例区分(注2)別登録数

注2)症例区分とは、診断施設、初回治療実施施設などの組み合わせ区分を示す項目

2.2016~2020 年における診断月等要因別の登録数の比較

2016から2020年の院内がん登録全国集計全てに参加した735施設のデータを用いて、症例区分、診断日、発見経緯、治療について、全がんと部位(胃、大腸、肺、乳房、子宮頸部等)ごとに、2016から2019年の4年平均、2019年のみ、をそれぞれ基準として 2020 年の登録数との比較を行った。病期については 2018年診断例よりUICC TNM分類が切り替わり新しく第8版準拠で登録されているため、2018から2020年のみのデータを用い胃がん、大腸がん、非小細胞肺がん、乳がん等(注3) についての2年平均との比較を行った。

注3)各部位に発生した主に上皮性のがん(癌腫)を対象に集計しています。

 集計結果

1.がん診療連携拠点病院等を含む院内がん登録実施病院863施設の全登録数と対前年増減率

  • 前年度と比較すると、小児がん拠点病院1施設を含む594施設で全登録数が60,409件減少(平均4.6%減)。施設によって減少幅は異なるものの、がん診療連携拠点病院等では平均5.3%の減少を認めた。
  • がん診療連携拠点病院等における登録数をみると、男女とも肝臓はほぼ横ばいであるのに対し、特に男性で胃・大腸、女性で乳房・胃の登録数が減少した。

図1・図2

 2.2016~2020 年における診断月等要因別の登録数の比較

  • 4年平均と2020年の全登録数を比較すると、その割合は98.6%、14,046件減(前年比較 94.1%、60,661件減)、他施設診断・自施設初回治療開始例の同割合は98.5%、2,680件減(前年比較93.8%、12,026件減)といずれも同程度の減少を認めた。
  • 発見経緯別にみると、2020 年胃の登録数76,756件のうち自覚症状などによる診断例が62,604例であり、4年平均と比較すると7,769件(11.0%)の減少であった。また、がん検診等の発見例は14,152例で、4年平均と比較すると4,538件(24.3%)の減少であった。減少幅は件数では検診以外の発見例で多く、比率では検診発見例で大きかった。いずれも緊急事態宣言が発出されていた5月の減少が大きかったがその後回復傾向にあった。
  • がん種・病期別に2年平均と比較すると、例えば大腸がん0期が91.2%(3,003件減)、IV 期が99.6%(73件減)であった。月別にみると、5月0期64.7%、IV期81.7%といずれも減少を認めた。

図3

注1)参考資料:院内がん登録 2018 年全国集計報告書資料:院内がん登録割合(カバー率)と二次医療圏別登録数がん情報センター

報道関係からのお問い合わせ先

院内がん登録全国集計について

国立研究開発法人 国立がん研究センター
がん対策研究所 がん登録センター 院内がん登録分析室
〒104-0045 東京都中央区築地 5-1-1
TEL: 03-3542-2511(代表)  内線 1600      E-mail:hbcr_analysis●ml.res.ncc.go.jp(●を@に置き換えてください)

その他全般について

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