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がん患者さんの診療体験・療養生活実態をがん対策に反映「令和5年度患者体験調査」(3回目)の結果報告

2025年7月3日
国立研究開発法人国立がん研究センター

国立研究開発法人国立がん研究センター(東京都中央区、理事長:間野 博行)がん対策研究所(所長:松岡 豊)では、厚生労働省からの委託を受け、わが国のがん対策の評価、方向性の検討に活かすため、がん患者さんの診療体験、療養生活の実態を把握するための全国調査を実施しました。この調査は2014年度、2019年度に行われた調査に引き続き3回目となります。
わが国のがん対策は、2007年にがん対策基本法が施行され、それに基づくがん対策推進基本計画にそってさまざまな施策が行われてきました。しかし、進捗評価なくして施策の成否を判断することはできません。そこで、2012年に閣議決定された第2期がん対策推進基本計画から、がん対策を評価する指標を策定し、進捗評価を行っていくことが盛り込まれました。また、2023年4月より第4期がん対策推進基本計画が施行され、中間評価に向けて、2023年12月~2024年1月に第3回目の患者体験調査を実施し、その結果を取りまとめました。
本調査は、第4期がん対策推進基本計画における中間評価の指標の一つとして、がん患者さんやその家族が体験したがん診療に対する主観的評価を明らかにすることを目的に実施されたものです。

令和5年度患者体験調査報告書(最終版)

本調査と結果のポイント

  • 今回の調査では、第2回調査を通して得た知見や第4期がん対策推進基本計画に基づき、調査票を改訂しました。
  • がんの診断から治療開始までが1ヶ月未満であった人は57.5%でした。
  • 治療決定までに医療スタッフから治療に関する情報を得られたと回答した人は88.5%でした。
  • 40歳未満の患者のうち、妊よう性に関する説明を受けた人は71.5%で、実際に温存を実施した人は11.9%でした。
  • 金銭的な負担により生活に影響があったと回答した人は24.2%でした。
  • 治療と仕事の両立に関して職場で配慮があったと回答した人は74.5%でした。
  • 全体の総合評価(10点満点)は平均8.2点でした。

調査概要

調査対象者

第3回調査は、2021年にがんと診断された18歳以上の患者を対象に、2023年12月から2024年1月にかけて全国の院内がん登録全国集計参加施設から無作為に抽出した32,716人に調査票を送付し、14,797人(回収率45.2%)から回答を得ました。

調査質問項目

前回2019年度に実施した第2回患者体験調査は、第3期がん対策推進基本計画に対応したものでしたが、今回、第4期がん対策推進基本計画に対応して患者体験調査の質問紙を改訂しました。また、第2回調査の結果をふまえ、より回答しやすくなるよう調査票の形式を見直しました。従来の複数の質問を一つの表にまとめた形式から、質問ごとに選択肢を設ける形式に変更しました。さらに、改訂した調査票に関しては、国立がん研究センターの「患者・市民パネル」の方々や、これまで質問紙の作成や調査にご意見をいただいてきた患者関係者の皆様からの意見をいただき、質問の明瞭さ、表現の適切性、内容の理解しやすさなどを確認しました。主な質問は、治療前の情報提供、診断・治療のタイミング、必要な情報の入手・経過の見通し、医療者とのコミュニケーション・連携、痛みのスクリーニング、経済的な負担、就労支援、社会的なつながり、相談支援・知識、現在の症状と支援などです。

調査方法/集計方法

自己記入式の質問票を郵送し調査を実施しました。
2023年12月から2024年1月に調査票を発送し、無記名にて国立がん研究センター宛てに返送いただきました。
集計方法は、無回答や「わからない」の選択肢の回答を除外して集計を行いました。また、全国のがん患者さんを代表するように調査設計を元に「重みづけ」という手法を用いて、補正値を計算しました。

調査票回収結果

今回の報告書では、がん患者11,169人が解析・報告の対象となります。
解析対象者は下記のとおりです。

 

 

患者体験調査(n=11,169)

 

 

回答者数

代表患者数

補正%

希少がん患者

621

5.6%

27,659

4.6%

若年がん患者

907

8.1%

12,568

2.1%

一般がん患者

9,641

86.3%

567,323

93.4%

男性

6,098

54.6%

336,970

55.5%

女性

5,035

45.1%

268,746

44.2%

その他(無回答を含む)

36

0.3%

1,834

0.3%

平均(歳)(SD)

68.9

(15.0)

71.6

(12.3)

最年少

20

-

-

-

最高齢

102

-

-

-

無回答

173

2.4%

8,595

1.4%

0期

1

0.0%

45

0.0%

1期

5,147

46.1%

280,425

46.2%

2期

2,219

19.9%

120,118

19.8%

3期

1,725

15.4%

93,221

15.3%

4期

1,519

13.6%

85,177

14.0%

わからない

558

5.0%

28,566

4.7%

乳がん

1,553

13.9%

87,549

14.4%

大腸がん(結腸・直腸)

1,476

13.2%

85,326

14.0%

胃がん

1,292

11.6%

74,614

12.3%

肺がん

1,338

12.0%

77,837

12.8%

肝臓がん

279

2.5%

16,492

2.7%

前立腺がん

1,312

11.8%

70,058

11.5%

子宮頸/子宮体がん

480

4.3%

21,075

3.5%

卵巣がん

188

1.7%

7,876

1.3%

食道がん

278

2.5%

14,908

2.5%

すい臓がん

306

2.7%

19,095

3.1%

口腔・咽頭・喉頭がん

348

3.1%

18,270

3.0%

甲状腺がん

246

2.2%

8,859

1.5%

悪性リンパ腫・白血病

607

5.4%

30,763

5.1%

骨・軟部腫瘍

63

0.6%

2,748

0.5%

脳腫瘍

62

0.6%

2,394

0.4%

膀胱がん

220

2.0%

12,417

2.0%

精巣腫瘍

52

0.5%

1,074

0.2%

その他

1,069

9.6%

56,194

9.2%

性別年齢は調査票の回答から算出し、ステージおよびがん種は院内がん登録情報から算出した。

解析結果概要

総合的な医療の質

  • がんの診断・治療全般に関する総合得点の平均点は8.2点/10点満点(標準偏差:1.9)でした。
  • 現在自分らしい日常生活を送れていると感じている人は79.0%でした。

治療前および治療中の情報取得・提供

  • がん治療を決めるまでに病院探しが困難だったと回答した人は5.1%でした。
  • がん治療決定までに治療に関する情報を得られたと回答した人は88.55%でしたが、セカンドオピニオンについて説明を受けたと回答した人は31.7%でした。

妊よう性(生殖機能)

妊よう性に関する質問項目は、今回の調査では全年齢に実施しましたが、ここでは前回の調査と同様に40歳未満に限定して記述します。

  • 治療開始前に、医師から妊よう性への影響について何らかの説明を受けたと回答した人は71.5%でした。
  • 妊よう性に影響があると説明を受けた人のうち、妊よう性温存のための具体的な方法を説明された人は67.5%(40歳未満全体の36.4%)でした。
  • 妊よう性への影響について説明自体がなかったと回答した人のうち、妊よう性に関する説明が必要だったと回答した人は24.0%(40歳未満全体の5.8%)でした。
  • 実際に妊よう性温存を実施した人は、40歳未満全体の11.9%でした。

医療者とのコミュニケーション・連携

  • がん治療の担当医が相談しやすいと回答した人は88.4%で、がん治療の担当医以外で相談しやすいスタッフがいたと回答した人は58.4%でした。
  • 現在の症状についての質問では、つらさがあるときにすぐに医療スタッフに相談できると回答した人は、身体的なつらさに対しては65.1%、心のつらさに対しては47.6%でした。

相談支援

  • 病気のことや療養生活について誰かに相談できたと回答した人は60.6%でした。
  • がん患者の家族の悩みや負担を相談できる支援・サービス・場所が十分にあると思う人は44.1%でした。 がん相談支援センターを知っている人は55.1%、ピアサポートを知っている人は15.4%でした。どちらも実際に利用した人のうち、相談支援センターは72.4%、ピアサポートは70.4%が役に立ったと回答した。

就労

  • 診断時に収入のある仕事をしていた人は44.1%でした。これらの人のうち、がん治療のために休職・休業した人は53.4%、退職・廃業した人は19.4%でした。退職・廃業した人のうち58.3%が治療開始前に退職・廃業していました。
  • 職場でがんと診断されたことを話した人は89.0%、治療と仕事の両立のために社内制度を利用した人は70.6%、職場で勤務上の配慮があったと思う人は74.5%でした。治療開始前に医療スタッフから就労継続についての話があった人は44.0%でした。

希少がん患者の特徴

  • がん治療を決めるまでに診療所や病院探しが困難だった人は、一般がん患者で4.8%、希少がん患者では8.9%で、希少がん患者に多く見られました。
  • 初診から治療開始までに受診した施設数は、一般がん患者では平均1.6施設、希少がん患者では平均1.9施設で、希少がん患者のほうが多い傾向にありました。
  • 初診から診断までの期間が1か月未満だった人は、一般がん患者で70.6%、希少がん患者では61.4%と少なくなっていました。一方で、診断から治療開始までの期間が1か月未満だった人は、一般がん患者で57.3%、希少がん患者では62.4%と、逆の傾向が見られました。
  • 担当医が患者のがんについて十分な知識や経験を持っていると感じた人は、一般がん患者で90.1%、希少がん患者では85.3%でした。

若年がん患者の特徴

  • 初診から診断までの期間が1か月未満だった人は、一般がん患者で70.6%、若年がん患者では63.2%でした。一方で、診断から治療開始までの期間が1か月未満だった人は、一般がん患者で57.3%、若年がん患者で55.0%と大きな差はありませんでした。
  • がん治療を決めるまでに診療所や病院探しが困難だった人は、一般がん患者で4.8%、若年がん患者では7.8%でした。初診から治療開始までに受診した施設数は、一般がん患者では平均1.6施設、若年がん患者では平均1.9施設で、若年がん患者のほうが多い傾向にありました。
  • 病気のことや療養生活について相談できた人は、一般がん患者で59.8%、若年がん患者で81.6%でした。外見の変化に関する悩みを医療スタッフに相談できた人は、一般がん患者で25.3%、若年がん患者では40.2%でした。 一方で、身体的なつらさがあるときに医療スタッフにすぐに相談できた人は、一般がん患者で65.1%、若年がん患者では56.3%でした。また、精神的なつらさがあるときに医療スタッフにすぐに相談できた人は、一般がん患者で47.9%、若年がん患者では34.8%で、若年がん患者の方が低い傾向にありました。
  • 経済的な負担では、医療を受けるための金銭的負担が原因で生活に影響があったと回答した人は、一般がん患者で23.7%、若年がん患者で44.9%でした。診断時に就労していた人は、一般がん患者で42.9%、若年がん患者で78.6%でした。若年がん患者のうち、診断時に就労していた人のうち休職・休業した人は63.6%、退職・廃業した人は18.8%でした。

結果一覧は下記の通りです。

設問内容 全体
結果
希少がん患者 若年がん患者 一般がん患者
11 初診から確定診断までが1ヶ月未満の人 70.0% 61.4% 63.2% 70.6%
12 確定診断から治療開始までが1ヶ月未満の人 57.5% 62.4% 55.0% 57.3%
13 初診から治療開始までに受診した施設数の平均 1.6施設 1.9施設 1.9施設 1.6施設
14 がん治療を決めるまでに診療所や病院探しが困難であった人 5.1% 8.9% 7.8% 4.8%
15 治療決定までに医療スタッフから治療に関する情報を得られた人 88.5% 87.0% 83.1% 88.7%
16 治療開始前に、妊よう性への影響に関して医師から説明があった人(40歳未満) 71.5% - - -
17   生殖機能の温存のための具体的な方法を説明された人(40歳未満、問16で妊よう性に影響があるという説明を受けたと回答した人のみ) 67.5% - - -
18   妊よう性温存について説明が必要だったと回答した人(40歳未満、問16で妊よう性への影響について説明はなかったと回答した人のみ) 24.0% - - -
19 実際に妊よう性温存を行った人(40歳未満) 11.9% - - -
20 治療費用の負担が原因で、治療を変更または断念したことのある人 1.8% 1.1% 2.2% 1.8%
21 治療費用の負担が原因で、保険診療範囲内治療を断念したことのある人 0.9% 0.2% 0.9% 0.9%
22 医療を受けるための金銭的負担が原因で生活に影響があった人 24.2% 24.1% 44.9% 23.7%
23-1 治療スケジュールの見通しに関する情報を得ることができた人 91.5% 92.4% 91.3% 91.5%
23-2 治療による副作用などに関して見通しを持てた人 75.5% 72.7% 80.3% 75.6%
23-3 つらい症状にすみやかに対応してくれたと思う人 90.2% 92.2% 90.3% 90.1%
23-4 医療スタッフが耳を傾け理解しようとしてくれていたと思う人 90.3% 90.4% 89.8% 90.3%
23-5 がん治療を担当した医師が相談しやすかったと思う人 88.4% 88.2% 85.4% 88.5%
23-6 がん治療を担当した医師以外にも相談しやすい医療スタッフがいたと思う人 58.4% 59.0% 71.5% 58.1%
23-7 治療に関係する医療スタッフ間で患者に関する情報共有がなされていたと思う人 80.1% 77.7% 78.4% 80.2%
23-8 生活上の留意点について医療スタッフから情報を得ることができた人 83.1% 85.1% 83.5% 83.0%
24 担当医からセカンドオピニオンについて話があった人 31.7% 29.1% 33.3% 31.7%
25 担当医から、治療開始前にセカンドオピニオンについて話があった人 27.6% 23.2% 28.5% 27.8%
26 実際にセカンドオピニオンを受けた人 14.3% 11.8% 12.2% 14.5%
27 担当医が患者のがんについて十分な知識と経験を持っていると思う人 89.8% 85.3% 86.0% 90.1%
28 病気のことや療養生活について誰かに相談できた人 60.6% 65.9% 81.6% 59.8%
30 外見の変化に関する悩みを医療スタッフに相談できた人 25.8% 28.7% 40.2% 25.3%
31 がんの診断・治療全般に関する総合的な評価の平均点(標準偏差)(0~10点) 8.2点(1.92) 8.0点(2.36) 8.2点(3.58) 8.2点(1.83)
32 がん診断時に収入のある仕事をしていた人 44.1% 52.8% 78.6% 42.9%
35   治療と仕事を両立するために社内制度を利用した人(がん診断時に収入のある仕事をしていた人のみ) 70.6% 69.8% 83.8% 69.9%
36   診断時に働いていた職場や仕事上の関係者にがんと診断されたことを話した人(がん診断時に収入のある仕事をしていた人のみ) 89.0% 91.5% 96.4% 88.5%
38   職場や仕事上の関係者から治療と仕事を両方続けられるような勤務上の配慮があったと思う人(がん診断時に収入のある仕事をしていた人のみ) 74.5% 74.4% 74.7% 74.5%
39   治療開始前に就労の継続について医療スタッフから話があった人(がん診断時に収入のある仕事をしていた人のみ) 44.0% 41.1% 57.7% 43.6%
40     就労継続についての医療スタッフからの説明が必要であった人(がん診断時に収入のある仕事をしていた人、かつ、医療スタッフから就労継続について話がなかった人のみ) 8.0% 5.6% 24.6% 7.8%
41-1   がん治療のため、休職・休業した人(がん診断時に収入のある仕事をしていた人のみ) 53.4% 58.9% 63.6% 52.6%
41-1   がん治療のため、退職・廃業した人(がん診断時に収入のある仕事をしていた人のみ) 19.4% 17.9% 18.8% 19.5%
41-3     がん治療開始前に退職した人(がん診断時に収入のある仕事をしていた人、かつ、退職・廃業した人のみ) 58.3% 44.5% 27.2% 60.4%
42 一般の人が受けられるがん医療は数年前と比べて進歩したと思う人 81.1% 74.2% 69.3% 81.7%
43 がん患者の家族の悩みや負担を相談できる支援・サービス・場所が十分あると思う人 44.1% 41.1% 40.6% 44.3%
44 ゲノム情報を活用したがん医療について知っている人 12.4% 13.1% 24.0% 12.1%
45 がん相談支援センターを知っている人 55.1% 53.8% 76.9% 54.7%
46   がん相談支援センターを利用した人(がん相談支援センターを知っている人のみ) 21.1% 21.0% 26.0% 20.9%
47   がん相談支援センターが役立った人(がん相談支援センターを知っている、かつ、利用した人のみ) 72.4% 65.0% 69.5% 72.9%
49 ピアサポートを知っている人 15.4% 12.5% 28.5% 15.3%
50   ピアサポートを利用した人(ピアサポートを知っている人のみ) 4.9% 3.1% 6.9% 4.9%
51   ピアサポートが役立った人(ピアサポートを知っている、かつ、利用した人のみ) 70.4% 86.1% 64.9% 70.3%
53 がんになったことで、家族に負担(迷惑)をかけていると感じる人(本人回答のみ) 57.7% 60.4% 80.4% 57.0%
54 がんになったことで、家族以外の周囲の人に負担(迷惑)をかけていると感じる人(本人回答のみ) 30.3% 31.4% 55.5% 29.7%
55 がんと診断されてから周囲に不必要に気を遣われていると感じる人(本人回答のみ) 23.2% 26.1% 31.1% 22.8%
56 (家族以外の)周囲の人からがんに対する偏見を感じる人(本人回答のみ) 7.4% 5.8% 18.3% 7.2%
57 身体的なつらさがある時に、すぐに医療スタッフに相談できると思う人(本人回答のみ) 65.1% 69.7% 56.3% 65.1%
58 心のつらさがある時に、すぐに医療スタッフに相談できると思う人(本人回答のみ) 47.6% 46.7% 34.8% 47.9%
59 現在自分らしい日常生活を送れていると感じる人(本人回答のみ) 79.0% 75.5% 75.7% 79.3%
60 がんや治療に伴う痛みを感じる人(本人回答のみ) 22.0% 24.9% 28.2% 21.7%
61 がんやがん治療に伴うからだの苦痛を感じる人(本人回答のみ) 34.0% 33.4% 41.5% 33.8%
62 がんやがん治療に伴い気持ちがつらいと感じる人(本人回答のみ) 26.2% 27.3% 37.5% 25.9%
63 がんやがん治療に伴う身体の苦痛や気持ちのつらさにより、日常生活を送る上で困っていることがある人(本人回答のみ) 24.3% 27.3% 31.2% 24.0%
64 身体の苦痛や気持ちのつらさを和らげる支援は十分であると感じる人(本人回答のみ) 33.8% 33.0% 37.4% 33.8%

解析結果を受けて

今回の調査では、第4期がん対策推進基本計画に基づいて調査票の改訂を行い、より対象者を広げて都道府県でのがん対策にも活用できるように調査設計を行いました。
がん診療全体に対する総合得点の平均点は8.2点/10点満点と比較的高い結果でした。一方で、相談支援センターやピアサポートの認知度は十分ではないことが示されました。本調査は2021年にがんと診断された患者さんたちを対象としており、コロナ禍により病院での対面活動が制限された時期でもあるため、その影響も考えられますが、がん診療連携拠点病院等の整備指針において、がん患者さんに診断後1度は相談支援センターに立ち寄ることを求めているため、今後、経時的な変化を見ていく必要があると考えます。
また、一般がん患者と比較して、希少がん患者や若年がん患者では、症状があってから初回治療までの受診施設の数が多いことがわかりました。さらに、若年がん患者では、経済的な負担感を感じている人が多かったことがわかりました。
本解析結果を基礎資料として、国のがん対策に役立ててもらいたいと考えます。

お問い合わせ先

本調査に関する問い合わせ先

国立研究法人国立がん研究センター
がん対策研究所
令和5年度患者体験調査事務局
〒104-0045 東京都中央区築地 5-1-1
Eメール:canpi●ncc.go.jp

 広報窓口

国立研究法人国立がん研究センター
企画戦略局 広報企画室
電話番号:03-3542-2511(代表)
Eメール:ncc-admin●ncc.go.jp

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