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(第26回 希少がんMeet the Expert)

「腹膜がん」加藤友康・須藤一起
(第26回 希少がんMeet the Expert)

更新日 : 2021年10月26日

公開日:2019年10月9日
  • 日時:2018年8月3日金曜日 19時から20時30分
  • 場所:国立がん研究センター中央病院 希少がんセンター待合
  • 講師1:加藤 友康 国立がん研究センター希少がんセンター/中央病院婦人腫瘍科
  • 講師2:須藤 一起 国立がん研究センター希少がんセンター/中央病院腫瘍内科

動画

第26回腹膜がん開会挨拶2

第26回腹膜がん講演:加藤 友康2

第26回腹膜がん講演:須藤 一起2

第26回腹膜がんディスカッション2

第26回アンケート-2

開催報告

希少がんを知り・学び・集う「希少がんMeet the Expert」(希少がんMtE)の第26回セミナーが、「腹膜がん」をテーマに2018年8月3日に開かれ、30人以上の患者さん・ご家族、医療関係者が参加しました。

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    開会挨拶

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    司会:加藤 陽子

セミナーは、加藤陽子(希少がんセンター)の司会のもと、西田俊朗(国立がん研究センター中央病院院長)による開会の挨拶で始まりました。「腹膜がんは最近になって認識されるようになった新しいがんであり、ぜひこの機会に最新の治療法について知識を得ていただきたい」(西田)との話があり、続いて加藤が本日の登壇者を紹介しました。

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登壇者の紹介

左から、加藤友康(希少がんセンター/中央病院婦人腫瘍科)、
「よつばの会」代表の原千晶さん、
須藤一起(希少がんセンター/中央病院腫瘍内科)

講演1  

1つ目の講演では、腹膜がんの診断と外科手術を中心に、加藤友康(希少がんセンター/中央病院婦人腫瘍科)が解説しました。

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講師:加藤 友康

腹膜がんは、卵管や子宮体部などを発生母地とする女性の腹膜に生じるがんです。まずは、骨盤内の腹膜の位置を図や写真を用いて示したうえで、診断基準、進行期分類、手術、術前化学療法後の手術など、進行期や組織型、腫瘍の大きさに応じた治療が解説されました。
また、他のがんが腹膜に転移することも多くあるため、がんの組織を採取する生検、腹水細胞診によって、原発巣や病型の特定が大切です。診断を適切に行うための実際についても紹介されました。

 

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講師:須藤 一起

講演2 

続いて、須藤一起(希少がんセンター/中央病院腫瘍内科)による、腹膜がんの薬物療法に関する講演です。腹膜がんの臨床試験は、上皮性卵巣がん、卵管がんと一緒にさまざまな治療開発がされています。初回の化学療法については、標準治療である、TC療法、dd-TC療法、TC療法+ベバシズマブの投与法と臨床試験、また、術前化学療法に関するいくつかの臨床試験の結果が示され、臨床では患者さんの状況に合わせて治療法を選択していることが語られました。
また、再発時の治療に関しては、プラチナ系薬剤や最近承認された分子標的薬PARP阻害薬の副作用や選択の考え方、開発中の治療法が紹介されました。


ディスカッションは、がん情報サイト「オンコロ」の川上祥子を進行役にして、講師の加藤友康と須藤一起、婦人科がんの患者会「よつばの会」の原千晶さん、さらに司会の加藤陽子が加わり、事前に会場から寄せられた質問に答えるかたちで行われました。

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    質疑応答:加藤 友康

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    ディスカッションの会場の様子

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    婦人科がんの患者会「よつばの会」代表の原 千晶さん

「再発は必ずあるのか。また、再発の自己チェック方法を知りたい」「再発後になるべく早く抗がん剤治療をしたほうが治療効果は高まるのか、また遅く始めることによるメリット・デメリットはどう考えたらいいか」などの質問に対して丁寧な回答がありました。
話題は遺伝子検査に及び、原さんからは「がんを体験した者としては、遺伝子検査によって今後の治療の可能性が広がる希望が得られるので、そういう研究が進むとよいと考えている」という話があり、このような場で医療者と患者の意見を交換する意義を確認し、セミナーは終了しました。

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    ディスカッションの会場の様子

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    加藤 陽子

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    質疑応答: 須藤 一起

    • 希子(Mareko)