乳腺・腫瘍内科 << 国立がん研究センター東病院
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乳腺・腫瘍内科

1.乳腺・腫瘍内科について
2.診療について
3.教育について
4.研究について

1.乳腺・腫瘍内科について

 科長
向原 徹 (むこうはら とおる)   向原 徹 (むこうはら とおる) 外来診療日:
  専門医・認定医資格など:
日本内科学会 認定内科医
日本臨床腫瘍学会 がん薬物療法専門医
がんは難しい病気です。そのため、がんの治療は、患者さんとご家族、医療者が1つのチームになって取り組まなくては上手く進みません。我々は、科学的根拠に基づいた治療と、最善のケアを、患者さんを中心とした多職種によるチームで提供します。
 医長
向井 博文 (むかい ひろふみ)   向井 博文 (むかい ひろふみ) 外来診療日:火・木
  専門医・認定医資格など:
日本内科学会 認定内科医
日本乳癌学会 乳腺専門医、指導医
日本臨床腫瘍学会 がん薬物療法専門医、指導医
日本がん治療認定医機構 がん治療認定医
乳癌診療を専門としています。
患者さんの心情に寄り添った優しい診療を心掛けると同時に、医学的なデータに裏打ちされた最新の診療を提供したいと思います。
 医員 (先端医療科希少がんセンター先端医療開発センター 新薬臨床開発分野 併任)
内藤 陽一(ないとう よういち)   内藤 陽一 (ないとう よういち) 外来診療日:火・水・金
  専門医・認定医資格など:
日本内科学会 総合内科専門医、指導医
日本臨床腫瘍学会 がん薬物療法専門医、指導医
日本癌治療学会 癌治療認定医
日本サイコオンコロジー学会 CSTファシリテーター
ESMO CME certificated
乳がん、肉腫/希少がんをはじめ、泌尿器がん、婦人科がんなどを担当しています。抗がん剤をはじめとする薬物療法や、新規薬剤の治験 (→先端医療科も参照ください) も担当しています。がんとどう向き合っていくか、一緒に相談できればと思います。お気軽にお声掛けください。
 医員
松原 伸晃(まつばら のぶあき)   松原 伸晃 (まつばら のぶあき) 外来診療日:月・木
  専門医・認定医資格など:

前立腺がん、尿路上皮がん、腎がんなど泌尿器科がんを主に、その他乳がん、原発不明がんなどの臨床試験を含めた薬物療法を行っています。なんでもご相談ください。最善の方法を検討させて頂きます。
 医員 (先端医療科先端医療開発センター 新薬臨床開発分野 併任)
古川 孝広 (こがわ たかひろ)   古川 孝広 (こがわ たかひろ) 外来診療日:火・水
  専門医・認定医資格など:
日本内科学会 総合内科専門医、指導医
日本臨床腫瘍学会 がん薬物療法専門医、指導医
日本がん治療認定医機構 がん治療認定医
日本肝臓学会 肝臓専門医
乳がんなどの固形癌の一般診療はもちろんですが、プレシジョンメディスンを目指した臨床試験や研究の選択肢を提示しながら、患者さんの満足が得られる診療を提供したいと思います。また、癌と遺伝の関係についての正確な情報を伝えることで、患者さんやその家族が余計な不安を解消できるような診療を行います。
 医員 (先端医療科 併任)
原野 謙一 (はらの けんいち)   原野 謙一 (はらの けんいち) 外来診療日:月・水・木
  専門医・認定医資格など:
がん薬物療法専門医、認定内科医
主に乳がん、婦人科がん診療を担当し、臨床、教育、研究に従事しております。がんに罹患した患者様に寄り添い、その方が最も輝けるような診療を心がけております。
 医長 (小児腫瘍科希少がんセンター 併任)
細野 亜古(ほその あこ)   細野 亜古 (ほその あこ) 外来診療日:月・金
  専門医・認定医資格など:
日本小児科学会 小児科専門医、指導医
日本がん治療認定医機構 がん治療認定医
肉腫、乳がん、AYA世代に発症するがんを中心に再発や難しい状況でも最善の治療を考えています。女性の目線から乳がん患者さんが安心して治療を受けられる環境作りを行っています。病気の治療だけでなく患者さんやご家族の心のケアも大切にしています。
 がん専門修練医
伊藤 真由子(いとう まゆこ)   伊藤 真由子 (いとう まゆこ) 外来診療日:
  専門医・認定医資格など:
日本乳癌学会 認定医
日本外科学会 専門医
検診マンモグラフィ読影認定医
患者さん一人ひとりの生き方に合うような医療を目指したいと思います。
 がん専門修練医
藤本 祐未(ふじもと ゆみ)   藤本 祐未 (ふじもと ゆみ) 外来診療日:
  専門医・認定医資格など:
日本内科学会 内科認定医
患者さんのご要望や状況に寄り添い、適切な治療方法のご提案ができるよう心がけております。

国立がん研究センター東病院乳腺・腫瘍内科は、当院で唯一、臓器横断的な内科的治療を行う診療科として、診療および研究、教育を行っています。当科が担当する疾患は、乳がん、泌尿器科がん、婦人科がん、骨軟部肉腫、原発不明がんなど、多岐に渡っています。また、臓器横断的な診療で培った豊富な経験・知識を生かして、発生頻度の極めて低い希少がんの診療も担当しています。

がんを患ったことで、患者さんやご家族が抱えられる問題はそれぞれ異なります。我々は、 科学的根拠に基づいた薬物療法を提案することはもちろんのこと、それぞれの患者さん・ご家族のニーズに応えるべく、他職種・部門と連携したチームを形成し、最善のケアを提供します。
また、新薬や個別化された薬物療法の研究・開発、優秀な腫瘍内科医の育成、を通じて明日のがん治療の向上を目指しています。

2.診療について

1)乳がん

乳がんは切除可能な乳がんと転移や再発を伴う乳がんがあり、条件により治療目標や治療内容が異なります。また、乳がんにはホルモン受容体と呼ばれるER、PgRや、HER2と呼ばれる受容体の発現によりサブタイプが分類され、ひいてはそれぞれのサブタイプに見合った最良の治療選択が行われます。これまで内分泌治療、化学療法、並びにトラスツズマブ(抗HER2薬)といった分子標的薬などが広く用いられてきましたが、今後さらに多くの新規治療薬の登場も期待されています。そのため、乳がん治療に携わる医師には、様々な薬物療法についての知識と経験が求められます。我々は薬物療法のエキスパートとして、全身治療や副作用マネジメントなどを実施しています。

当科では新規受診時にはチーム全員で治療法や、患者満足度に繋がるためのサポートを検討し、手術や放射線治療が必要な患者さんについては、乳腺外科、放射線治療科との合同カンファレンスで治療方針を検討しています。
また、遺伝性乳がんの話題が注目されるようになり、手術術式を検討するために、診断後早期に遺伝カウンセリングが必要な患者さんもおられます。当院では、そのための体制も整えています。

2)泌尿器科がん

泌尿器がんとひとくくりにしても、その疾患は前立腺がん、膀胱がん、腎盂尿管がん、腎細胞がん、胚細胞腫瘍と非常に多岐にわたります。我々は泌尿器がんにおいて、薬物療法を主に担当していますが、最近の泌尿器がんに使用するお薬は抗がん剤、分子標的薬、ホルモン剤、免疫療法薬など極めて多彩です。我々は薬物療法のプロフェッショナルとして、適切にかつ安全にこれらを用いて治療する事を実践しています。またそれのみならず、泌尿器外科医、放射線治療医との合同カンファランスを定期的に行い、治療方針決定の”司令塔”としての役割を担っています。

日々の診療に際しては個々の患者さんにとって最善の治療は何かを検討し、患者さんに十分な説明を行った上で提供する事を心掛けています。
もちろん、がんセンターとして泌尿器がんのよりよい治療や新薬開発のための治験も積極的に行っています。

3)婦人科がん

婦人科がんは、卵巣がん、卵管がん、腹膜がん、子宮頸がん、子宮体がん、外陰がん、膣がん、絨毛性疾患など多岐に渡ります。また、一般的な上皮性がんのみならず、肉腫、胚細胞腫瘍など多彩ながん種があります。当院では、日本では珍しく、婦人科がんの薬物療法を我々腫瘍内科医が行っています。主には再発婦人科がんの患者さんを対象に、薬物療法(化学療法、内分泌療法)や新規薬剤の開発治験を行っていますが、外科治療が必要な場合は、東京慈恵会医科大学柏病院産婦人科と連携し、定期的にカンファレンスを行うなどして、患者さんにとって最適と思われる治療を提供しています。我々は、ガイドラインに基づいた標準治療を提供することを第一に考えますが、標準治療による治療が困難な状況に際しては、患者さんの状態によっては新規薬剤治験や医師主導臨床試験にご参加いただき、より良い治療法の開発にも取り組んでいます。

近年、婦人科がんの治療開発は進歩しつつあります。免疫療法やPARP阻害剤といった特異的な新規治療が次々と開発されています。また最近では、従来の病理学的分類に加えて、遺伝子発現プロファイリングに基づいた疾患分類も提唱されつつあります。当院では婦人科がんの臨床、研究開発、教育を通じて、より良い婦人科悪性腫瘍治療を開発すべく、日々努力しています。

4)肉腫、希少がん

軟部肉腫は、「サルコーマ」とも呼ばれ、発生頻度の少ない希少がんの一つです。乳腺・腫瘍内科では、軟部肉腫の薬物療法 (化学療法、新薬の開発治験など)を行っています。また、軟部肉腫の治療は、陽子線治療や放射線治療、手術を組み合わせて行う場合があり(集学的治療と呼びます)、放射線治療科や外科と連携しながら実施しています(腫瘍の部位によっては、国立がん研究センター中央病院で手術を行う場合もあります)。

乳腺・腫瘍内科では、軟部肉腫に限らず、希少がんと呼ばれるような稀な疾患を担当しており、幅広い腫瘍の経験や、新規薬剤の開発の経験を活かし、患者さんに最もよい治療を提案できるように日々の診療に携わっています。

5)原発不明がん

原発不明がんとは、十分に検査をしたにも関わらず原発巣が不明で転移巣だけが判明している悪性腫瘍のことを指します。頻度は1-5%とされています。原発が確定できない悪性腫瘍が軒並み本疾患に分類されますので、種々の腫瘍が混在した不均一な疾患グループからなっていると想像されます。よってさまざまな臨床形態をとります。本疾患と診断された患者さんがお亡くなりになった後の病理解剖により、はじめて判明する原発巣で頻度が高い部位は、膵臓、胆道、肺、です。

しかし一方で病理解剖後も原発巣がなお不明な患者さんが20−50%存在します。本疾患は一般的に予後がよくないとされていますが、一部治癒する方や予後良好な方が存在するので注意を要します。当科では最新の治療技術を駆使して最善の成果が出るよう努力しています。

6)AYA(思春期・若年成人:Adolescent and Young Adult)世代に発症するがん

AYA世代に発症するがんとは15歳から30歳台に発症するがんのことをさします。その時期は進学、就職、結婚、出産など人生のターニングポイントがあり、がんの治療中、治療後に、様々な支援が必要とされます。しかしAYA世代のがん診療の専門家が少なく、特にわが国では未だAYA世代に発生するがんの現状すら正確に把握されていません。 当センターでは、AYA世代に特有のさまざまな問題点に配慮した診療を行っています。豊富な経験を生かした最善の治療の提供はもちろん、小児腫瘍科、血液腫瘍科、先端医療科やサポーティブケアセンターなどと協力し、進学や就職、妊よう性の温存など、治療以外の点についても可能な限りの支援を提供します。
また、がんの治療を受けられている患者さんのお子さんの心のケアも行っており、親御さんの病気についてのお子さんへの話し方や対応の仕方についての相談も受けつけています。

当院では、治療前、治療中にかかわらず肉腫、AYA世代がんについて専門家の意見を聞きたいという患者さん・ご家族のために電話での相談窓口を設けております。 専門の医師が直接対応いたします。診断や治療、臨床試験や治験など、なんでもご相談ください。医療以外のことでも治療中の生活の事(学校、仕事、家族など)、患者さんご自身の小さいお子さんへの話し方などの相談にも対応いたします。 ただし、電話での相談には限界がございますので、詳細につきましては初診もしくは医療相談(セカンドオピニオン外来)を受診していただけますと幸いです。

肉腫・AYA世代がん・小児がん 電話相談   肉腫・AYA世代がん・小児がん
電話相談 電話:04-7130-0191
受付時間:平日10時〜16時
*相談は無料です(通話料は発生します)。
*入院中の患者さんや外来患者さんの対応などにより、時間内であっても電話に対応できない場合がありますが、折り返し連絡いたしますのでご了承ください。


<診療実績>

平成28年度疾患別新規患者数
疾患名   症例数
乳がん 術前 98 348
  術後 117  
  転移・再発 133  
泌尿器がん 前立腺がん 116 234
  膀胱癌 45  
  尿管がん 16  
  腎盂がん 16  
  尿膜管がん 1  
  腎細胞がん 35  
  胚細胞腫 5  
原発不明がん     93
婦人科がん 卵巣がん 24 69
  腹膜がん 8  
  子宮頸がん 20  
  内膜がん・肉腫 15  
  その他 2  
肉腫 平滑筋肉腫 8 59
  脂肪肉腫 3  
  MFH 2  
  横紋筋肉腫 2  
  骨肉腫 3  
  GIST 15  
  血管肉腫 5  
  その他 21  
その他     46
    849

3.教育について

<当科での研修を希望される先生方へ>
当科では、広く多様ながん(乳がん、婦人科がん、泌尿器科がん、小児がん等)の診療にあたっており、メディカルオンコロジスト(腫瘍内科医)を志す方に最適な診療科です。欧米では、がん薬物療法は腫瘍内科医の仕事であり、彼ら、彼女らはトレーニングの段階で、単一臓器の悪性腫瘍に限定することなく幅広いがん種の診療経験を積みます。そうすることで、メディカルオンコロジーのプリンシプルを理解できるからです。当科は、世界レベルの腫瘍内科のトレーニングが受けられる、国内では数少ない診療科といえます。
また、臨床研究、トランスレーショナルリサーチにも力を入れており、様々なキャリアトラックを提案可能です。当院の整った臨床試験体制に基づき、大規模臨床試験のみならず、他施設では経験することの難しい新薬の開発にも携わることが可能です。

腫瘍内科医を目指す方はもちろんのこと、「メディカルオンコロジーのプリンシプル」を吸収したいという外科系診療科からの研修も大歓迎です。また、それぞれのLifeステージに合わせて、Work/Lifeバランスを保ちながら、実りのある研修にできるよう相談に乗ります。見学は随時受け付けていますので、是非ご連絡ください。

<先輩からのひとこと> 第23期がん専門修練医 藤本祐未
近年、次々と新しい薬や投与方法が開発され、がんの薬物療法は非常に複雑になっています。そのため、腫瘍内科の医師が必要とされていますし、目指している先生方もいらっしゃることと思います。私もその一人で、実質的に臓器横断的に癌の学習ができる施設は日本では限られている中で、当科で研修することを決めました。当科のスタッフ先生方は、それぞれに違った専門分野を背景とされており、幅広く勉強することができます。是非一度見学にいらっしゃってください。

4.研究について

我々は、より良い新規治療を患者さんに提供すべく、臨床研究活動を積極的に行っています。乳腺、泌尿器、婦人科、肉腫、原発不明がんの各分野において、新薬の治験や医師主導臨床試験を数多く実施しています。また、臨床上の疑問を解決すべく、患者記録を用いた後方視研究も盛んに行っています。
現在施行中の臨床試験の数をお示しします。

がん種 試験数
乳がん 11
泌尿器がん 5
婦人科がん 2
原発不明がん 1
肉腫 2