血液腫瘍科

1.血液腫瘍科について
2.診療について
3.研究について

1.血液腫瘍科について

担当医師名
(ふりがな)
外来診察日 診療科 専門分野
塚崎 邦弘
(つかさき くにひろ)
塚崎 邦弘(つかさき くにひろ)
月・木 血液腫瘍科 科長
根津 雅彦
(ねづ まさひこ)
根津 雅彦(ねづ まさひこ)
火・木 血液腫瘍科 医長
伊藤 國明
(いとう くにあき)
伊藤 國明 (いとう くにあき)
水・金 乳腺・腫瘍内科 科長
湯浅 博美
(ゆあさ ひろみ)
湯浅 博美(ゆあさ ひろみ)
水・金 血液腫瘍科 医員

がんによる死亡の多くが遠隔転移によることを考えると、がん治療の成績向上は、薬物療法(抗がん剤・分子標的療法)を主体とした全身的治療を適切に行うとともに、より良い薬物療法を開発することにかかっています。抗がん剤・分子標的療法を主体とするがんの内科的治療では、がんの種類にかかわらず治療の考え方や使用する薬物が共通のことが多くあります。このために、がんの薬物療法は臓器別に行うよりも、すべての臓器にまたがった横断的な診療を行った方が効率的で良い医療を提供できます。欧米ではこの考え方に立脚し、薬物療法を中心とした内科的治療はすべてのがんを対象として腫瘍内科医が行うようになっています。しかし、わが国では腫瘍内科医が極めて少なく、臓器別に診療が行われることが多いのが実情です。

国立がん研究センター東病院血液腫瘍科は乳腺・腫瘍内科と連携を保ちながら造血器悪性腫瘍の診断と治療を担当し、血液内科医、腫瘍内科医の育成にあたっています。また標準治療確立のための多施設共同臨床試験体制の確立や新薬導入のための臨床試験の継続的実施などによって、血液腫瘍患者の診療の進歩に新たな貢献をしています。

2.診療について

血液腫瘍科では、薬物療法(抗がん剤・分子標的療法)の一環として悪性リンパ腫・白血病・多発性骨髄腫などの造血器悪性腫瘍の診療を行っています。一般診療としては、薬物療法が有用であるすべての造血器悪性腫瘍に対する標準的治療を行っています。8階病棟にはクリーンルームが8床あり、自家造血幹細胞移植などの強い治療も行っています。同種造血幹細胞移植は行っていませんが、治療選択の一つと考えられる場合には、適切な施設に紹介したり、セカンドオピニオンとして相談を受けてもらうようにしています。

診療は、乳腺・腫瘍内科と連携しながら、個々の患者さんの病型・病態に応じた最善の治療法をカンファレンスなどで検討し、患者さんとの相談によって治療方針を決定しています。しかし、まだ治療成績や治療根拠が不十分なことも多いため、一定の条件を満たし希望される患者さんに対しては、全国的なグループ研究や新しい薬剤の治験への参加による臨床研究を提案し、治療を行っています。治療法の選択には、インフォームドコンセントを重視し実践していますので、担当医と十分に相談された上で治療を受けていただくことを希望しています。

血液腫瘍科の2011年の1年間の新たな患者数は、リンパ腫140名、白血病および骨髄異形成症候群16名、多発性骨髄腫および形質細胞腫15名、計171名でした。また、化学療法の多くは、外来通院治療センターで行われました。

3.研究について

治療成績の向上を目指したより良い標準的治療を確立するための臨床研究では、全国的な多施設共同研究グループである日本臨床腫瘍研究グループ(Japan Clinical Oncology Group: JCOG)や、日本成人白血病研究グループ(Japan Adult Leukemia Study Group: JALSG)などに参加しています。

また、再発・難治の造血器悪性腫瘍に対する新規の薬物療法(抗がん剤・分子標的療法)の開発、より効果的で安全な薬物療法の使用方法を確立するための臨床薬理学的研究などを行っています。

造血器悪性腫瘍患者の治療成績の更なる向上をめざして、診療・研究・教育における努力を続けています。