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小児腫瘍科

小児がんなんでも相談バナー1.小児腫瘍科について
2.診療について
3.東病院小児腫瘍科の特徴
4.研究について
5.お問い合わせ先/小児がん電話相談

1.小児腫瘍科について

 医長 (乳腺・腫瘍内科希少がんセンター 併任)
 細野 亜古 (ほその あこ)    細野 亜古 (ほその あこ) 外来診療日:水・金
  専門医・認定医資格など:
日本小児科学会 小児科専門医
日本小児・血液がん学会 暫定指導医
日本がん治療認定医機構 がん治療認定医
再発や難しい状況でも最善の治療を考えます。今まで通りの生活を出来るだけ継続できる治療を計画します。また、成人腫瘍の診療も行っている数少ない小児腫瘍科医として、腫瘍内科の視点からの治療提案もしています。患者さんやご家族の心のケアも大切に考えています。

当科は2011年12月に新設され、悪性腫瘍が疑わしいお子さん〜若年成人の方に対して、頭頸部外科放射線治療科放射線診断科乳腺・腫瘍内科血液腫瘍科骨軟部腫瘍・リハビリテーション科等と協力し、迅速に診断し、最善の治療を提供しております。当院ではさまざまな疾患の全国研究グループに参加しており、横紋筋肉腫やユーイング肉腫では次世代の標準治療の研究代表も担っています。

ほかの病院にない特徴として、再発・難治の固形腫瘍・肉腫に対する治療は、海外を含め全国どの地域にお住まいの患者さんでも受け入れており、特殊治療、試験治療も積極的に行っています(なお、現時点では、乳幼児の診療は陽子線治療のみ受け入れております)。特に、全国的に専門家の少ない思春期・若年成人(AYA世代)に発症するがん診療の経験は豊富にあり、成人診療科と連携し、最適な医療を提供いたします。

また「がん専門病院」という以外に、千葉県とその近隣に在住の患者さんには、地元の(どんな病気でも診る)小児がん診療専門施設として、地域に密着した療養モデルも提供しています。地域病院として、持続する発熱、リンパ節腫脹、できものなど心配な症状がみられた場合には、“小児がん“でなくても、お気軽にご相談ください。柔軟に対応いたします。

当センターは、日本で数少ない小児に対する陽子線治療が可能な施設です。放射線治療科と協働でチームをつくり実施しています。これに加えて東病院主導で行う新規治療・新規薬剤の開発も実施し、今後も多く予定しております。当センターでしか受けることのできない治療を含め、豊富な治療選択肢を提供いたします。再発を繰り返している方、現行の治療に効果が得られず「治療法がない」と言われた方に対する治療相談を中心として、小児がんの診断・治療について随時対応しております。治療前、治療中にかかわらず専門家の意見を聞きたいという患者さん・ご家族のために「肉腫・小児がん 電話相談」(TEL:04-7130-0191 受付時間:平日 10:00-16:00)をお受けしております。専門の医師が直接対応いたします。 入院中の患者さんや外来患者さんの対応などにより、時間内であっても電話に対応できない場合がありますが、折り返し連絡いたしますのでご了承ください。
小児腫瘍科 図

2.診療について

小児腫瘍科では、発症する年齢を問わず、主に小児期に発生する悪性腫瘍を治療対象としています。小児がんの約3分の1が白血病・リンパ腫、残りの半分近くが脳腫瘍で、脳腫瘍以外の小児固形がんの多くは、身体の深部から発生する「肉腫」、または胎児性組織が悪性化した「芽腫」と呼ばれるものです。小児がんは下記に示すように非常に多岐にわたり、一つ一つの疾患の専門家は、国内では限られた施設にしか存在しません。当科はまれな肉腫や小児に少ない「癌」についても豊富な経験を有しております。診断や治療は小児腫瘍科のみならず、さまざまな診療科と連携して迅速に進めております。

小児腫瘍科 小児腫瘍科で診療する疾患
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ポスター
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小児腫瘍科は、初発時の標準治療開発の中心的役割を担っているだけでなく、再発治療の開発も重点的に進めています。当科は再発・難治の小児がん患者さんの診療を日本国内でも最も多く行っている施設の一つです。この豊富な治療経験を活かし、標準治療ののちに再発された患者さんや治癒の難しい患者さんに対して、東病院の小児腫瘍科が主導する臨床試験や治験も含めた多様な治療選択肢を提示いたします(次項「4.研究について」をご参照ください)。

治療内容のみならず患者さん・ご家族の療養環境についても配慮しており、治験参加の場合には一定の制限がありますが、臨床試験や通常治療においては、欧米では一般的となっている「家庭を重視した療養環境」に取り組んでおります。「病前と変わらず」を目標に、お家の近くのクリニックの先生との病診連携を図り(東日本外来小児科学研究会と連携し共診ネットワーク形成外部サイトへのリンク)、地元の学校の先生とも連携した学習・生活連携などを進めております。1回の入院期間は短く、抗腫瘍薬投与期間のみの入院を原則としておりますので、地元の学校に通学しながら部活や受験勉強などに支障なく治療を進めている患者さんも多くいらっしゃいます。また、社会生活を維持しながら治療を進める上で、治療に伴う外見的な変化に対するサポートも実施しており、治療中も「発病前と変わらない生活」を送ることができるようお手伝いします。

1)診断から治療開始まで

診断から治療開始まで 図
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  • 迅速な診断ののち、特に思春期のお子さんや生殖年齢の患者さんに対して妊孕性(にんようせい)の温存を考慮し、治療開始前に連携病院と相談の上、卵巣凍結保存や精子保存を行ったり、輸血が必要となる患者さんの感染予防を目的としたB型肝炎ワクチン接種など、可能な限りコーディネートします。

2)治療開始

  • 診断をもとに、標準治療を骨格として治療を進めます。
  • 診断時から転移を有する患者さん、標準治療を行っても効果が得られない患者さんの場合には標準治療が確立していない場合が多く、最新の情報をもとに最適な治療選択肢を提示いたします。化学療法、手術、陽子線を含む放射線治療、免疫療法、治験、臨床試験など、東病院でしかできない治療を含め、幅広い選択肢のなかから治療を提供いたします。

3)療養環境

  • 治療開始前の生活を守り、治療終了後も社会生活を継続しやすい療養環境を提供いたします。
  • 患者さんの家族や兄弟へのサポートを積極的に実施しています。
  • 心理士などと連携し心理面にも十分配慮しています。患者さんが治療をスムーズに行えるようサポートを実施しています。
  • 他院で治療中の患者さんに対しても、地元で安心して治療継続いただけるようサポートいたします(セカンドオピニオン外来)。

4)治療終了後、再発時

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3.東病院 小児腫瘍科の特徴

1) 思春期・若年成人(AYA世代)に発症するがん診療

「小児がん」とは一般的に15歳未満のお子さんに発生するがんを指しますが、15歳から30歳前後の思春期・若年成人(Adolescent and Young Adult, AYA)の患者さんに発症するがんを特に専門的に治療しております。詳しくはAYA世代に対するがん診療のページをご覧ください。

2) 陽子線治療

小児がんは70%以上が治癒する時代となり、晩期合併症が可能な限り少ない治療が選択されるようになりつつあります。固形がんの治療に放射線は必須です。東病院では放射線治療科と連携し、適応となる場合は陽子線治療を選択することができます。陽子線は病巣のみに効率よく線量を集中でき、病巣の周囲にある正常組織に対する影響を減らし、副作用を少なく抑えることができます。

4.研究について

標準治療に対しての治療は、神経芽腫(JNBSG)、横紋筋肉腫(JRSG)、ユーイング肉腫(JESS)、肝芽腫(JPLT)などの研究グループに所属し、全国施設と協働の臨床試験も行っています。また、当院独自の臨床試験も多く開発予定です。

当院の特徴は、新規治療薬剤や治療法の開発です。このことにより、再発を繰り返し治療選択肢のないお子さんへの治療機会の拡大に努めています。現在の再発治療の試験(開始予定を含む)・これまでの実績は以下の通りです。

再発治療に対しての臨床研究:
【適応外薬を用いた臨床試験】
  • 「再発固形腫瘍に対する塩酸ノギテカンとイホスファミド併用療法(TI療法)の第 I/II 相試験」:試験終了
    結果:米国臨床腫瘍学会(2010年、2013年発表)
  • 「再発小児固形腫瘍に対する低侵襲性外来治療 ビノレルビン+シクロホスファミド(VNR-CY)対テモゾロミド+エトポシド(TMZ+VP)ランダム化第 II 相試験」:登録終了、追跡終了
    結果:米国臨床腫瘍学会(2014年発表)
  • 「再発小児固形がんに対するタミバロテン(TBT)の第T相試験」:登録準備中

【再発小児・AYA(Adolescent and Young Adult)世代の固形腫瘍に対する多施設共同臨床研究】
  • 再発骨肉腫に対するGEM+DTX(GD) とTMZ+VP(TE)のランダム化第II相試験:登録中
  • 再発小児・AYA(Adolescent and Young Adult)世代固形腫瘍に対するイリノテカン+ゲムシタビン(IG)の第I/II試験:登録中

【未承認薬・開発中の薬剤を用いた臨床試験】
  • 「難治性神経芽腫に対するteceluekin、CSF(mirimostim、filgrastim)併用ch14.18免疫療法の実行可能性試験および薬物動態試験」:登録終了
  • 「難治性神経芽腫に対するValoproic Acid(VPA)と13-cis-RA(isotretinoin)併用療法 第Ib相試験」:登録中外部サイトへのリンク

【ペプチドワクチンを用いた臨床試験】
  • 「GPC3各種小児がんに対するHLA-A24および-A2結合性Glypican-3(GPC3)由来ペプチドワクチン療法の臨床第 I 相試験」:登録終了
  • 「難治性小児固形腫瘍患者を対象としたがんペプチドカクテルワクチン療法の第T相臨床試験」:試験終了

5.お問い合わせ先/肉腫・小児がん電話相談

当科では、治療前、治療中にかかわらず専門家の意見を聞きたいという患者さん・ご家族のために電話での相談窓口を設けております。専門の医師が直接対応いたします。診断や治療、臨床試験や治験など、なんでもご相談ください。医療以外のことでも治療中の生活の事(学校、仕事、家族など)、小児患者さんの兄弟や成人患者さんご自身の小さいお子さんへの話し方などにも対応いたします。ただし、電話での相談には限界がございますので、詳細につきましては小児腫瘍科外来を受診していただけますと幸いです(初診もしくは医療相談(セカンドオピニオン外来))。

小児がんなんでも相談 肉腫・小児がん 電話相談
電話:04-7130-0191
受付時間:平日10時〜16時

*相談は無料です(通話料は発生します) 。
*入院中の患者さんや外来患者さんの対応などにより、時間内であっても電話に対応できない場合がありますが、折り返し連絡いたしますのでご了承ください。