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日本における禁煙介入と実装:スコーピングレビューと補足調査のための研究プロトコール

禁煙支援に関する国内のエビデンスレビュー
日本における禁煙介入と実装:スコーピングレビューと補足調査のための研究プロトコール

更新日 : 2023年12月4日

はじめに
喫煙は予防できる最大の死亡原因です。本スコーピングレビューでは、日本の地域においてどのような禁煙介入が行われているのか、禁煙介入を実施する際にはどのような促進・阻害要因があるのか、そして禁煙介入を実施する際にはどのような戦略が用いられているのかを特定し、研究が不足している領域を特定することを目的としています。

方法と分析
本研究では日本の地域における禁煙介入について、査読付きの原著論文に加え、政府や産業界などが出版する刊行物などの灰色文献を、網羅的かつ系統的に検索します。スコーピングレビューのための報告ガイドライン(PRISMA-ScR)に従い、(1)研究疑問の特定、(2)重要研究の特定、(3)研究の選定、(4)データの抽出、(5)結果の収集・要約・報告、(6)コンサルテーション、の6段階で研究を行います。さらに禁煙介入の実施についての情報が原著論文ではあまり多くないため、灰色文献を活用して禁煙介入を実施している組織を特定し、それらの組織を対象に、横断的な補足調査も予定しています。これらの文献調査をもとに、地域コミュニティ、職場、学校、病院といった各セッティングにおける禁煙介入について、集団を対象とした介入、禁煙介入の提供者(医療従事者など)を対象とした介入、禁煙介入を受ける個人を対象とした介入に分けて知見を整理し、研究が不足している領域を特定します。禁煙介入を実施する際の促進・阻害要因の特定には、実装研究のための統合フレームワーク(CFIR)を使用し、実装における戦略の特定には、Expert Recommendations for Implementing Change (ERIC)を使用します。

研究結果の普及
研究結果は、論文にまとめて発表します。また、禁煙介入に関する好事例集としてまとめ、地域で禁煙介入を行っている実践者や政策決定者などのステークホルダーに、得られた知見を広く普及させる予定です。

発表論文
Nagasawa T, Saito J, Odawara M, et al. Smoking cessation interventions and implementations in Japan: a study protocol for a scoping review and supplemental survey BMJ Open 2022;12:e063912. doi: 10.1136/bmjopen-2022-063912
Smoking cessation interventions and implementations in Japan: a study protocol for a scoping review and supplemental survey | BMJ Open(外部サイトにリンクします)