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調査の結果(2024年調査)
国立がん研究センターでは、がん、心疾患、脳血管疾患、肺炎、腎不全、認知症、アルツハイマー病、慢性閉塞性肺疾患、誤嚥性肺炎、老衰で亡くなった患者さんのご遺族を対象に、お亡くなりになる前に利用した医療や療養生活の実態を把握し、医療や療養環境の改善につなげるための全国調査を行いました。
本調査は、2024年2-4月に実施し、計10,890名の回答を集計しました。がん、心疾患、脳血管疾患、肺炎、腎不全で亡くなった患者さんのご遺族の結果は、2019-2020年調査の結果も併せて示しています。
調査にご協力いただきましたご遺族およびご関係の皆様には心より御礼申し上げます。
調査結果のポイント
今回の調査は、COVID-19が流行していた2021年に死亡した患者さんのご遺族を対象としました。前回調査(2017-2018年死亡)からの結果の推移は、感染予防のために病院や施設の面会制限があったことや在宅療養患者が増加したことや、診療報酬の改定による在宅療養支援の推進など、社会的な変化を踏まえて解釈する必要があります。
今回調査に参加した遺族では、患者が死亡前にからだの苦痛がなく過ごせたと感じていた割合は、がん患者の遺族で、前回調査の42%から37%に減少していました。一方で、老衰で亡くなった遺族では53%でした。人生の最終段階にある患者の苦痛症状を緩和することができるように、改めて対策を検討することが必要です。
また、患者と主治医の間で最期の療養場所について話し合いがあったと回答した遺族の割合は、前回調査の対象であった5疾患全ての増加していました。がん患者の遺族では、前回調査の36%から53%に大きく増加していました。合わせて、5疾患全て望んだ場所で過ごせたと感じていた割合も増加しました。