トップページ > 研究組織一覧 > 分野・独立ユニットグループ > 独立ユニットグループ > 分子発がん研究ユニット > 研究プロジェクト > RNA干渉制御因子の発がんにおける機能

RNA干渉制御因子の発がんにおける機能

当研究グループにおいて、1本鎖DNAと相互作用する因子として同定したSND1 (Staphylococcal Nuclease and Tudor domain containing 1)は、RNA干渉の制御複合体(RISC : RNA-induced silencing complex)の構成因子の一つとしても報告されている分子です。大腸がんの組織では、SND1の発現亢進が認められます。また、大腸がんの前がん病変と考えられているAberrant Crypt Foci (ACF)においても、その発現の亢進が認められます。そのような症例では、β-カテニンの発現も亢進していることから、SND1が発がんの初期段階でどのような機能を有しているか興味を持っています。SND1は、β-カテニンの制御因子であり、大腸がんのがん抑制遺伝子であるAPC (Adenomatous Polyposis Coli)の発現を転写後レベルで抑制することを見出しました(Tsuchiya et al. 2007)。さらに、SND1がある種のmiRNAsの機能制御に関連している可能性も報告しました(Tsuchiya et al. 2010)。しかし、SND1の機能の詳細は未だ明らかになっていません。私たちは細胞内でSND1と相互作用する因子を網羅的に解析し、その機能を明らかにすることで、SND1と発がんとの関連を明らかにすることを目的として研究を行っています。